新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

原因不明の呼吸器疾患@朝鮮民主主義人民共和国

2008-06-04 16:16:55 | 報道

朝鮮民主主義人民共和国の北部、中国国境地帯にてナゾの疫病(mystery epidemic)が流行、数十人の子供の犠牲者が出ていると報道されています。

4月27日以来、東北部Hoeryongを皮切りに感染拡大中。原因は①鳥インフルエンザ説 ②手足口病説 があるようですが、真相は霧の中です。

症状は発熱・咳・咽頭痛・食欲不振と平凡。

この国では2005年に鳥インフルエンザを経験、この時には21万羽の殺処分をおこなっています。

ソースは6月3日付staritstimes↓
http://www.straitstimes.com/Latest+News/Asia/STIStory_244003.html


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

WHO公式発表(バングラデッシュ第一例)

2008-06-02 09:26:38 | 報道

先般お伝えしたバングラデッシュのヒト感染第一例、WHOの公式発表に載りました。
5月28日にバングラデッシュ保健省がH5N1確認です。家族・近所の住人から検体採取あり調べられていますが、他に患者は確認されず皆健康とのことです

この第一例を見つけたのは通常の監視体制で・・と以前の報道にありましたが、その実施主体はInternational Centre for Diarrhoeal Disease Research, Bangladesh (ICDDRB)というところです。直訳すれば 国際ゲリ病研究センター バングラデッシュ(まあ、これじゃあんまりなんで、国際消化器調査研究センターあたりにしておきましょう)。

発展途上国共通の問題として、下痢性疾患(病原大腸菌・赤痢・ブドウ球菌・連鎖球菌・キャンピロバクター・・・etc)で脱水で亡くなってしまうという現実があるので、この種の機関がアクティブなんですが、H5N1第一例をしっかり発見したのはお手柄ですね

バングラデッシュに限らず、鳥インフルエンザとの戦いに、消化器系機関のはたらきも期待したいところです。

ソースは5月28日付WHO↓
http://www.who.int/csr/don/2008_05_28/en/
Avian influenza - situation in Bangladesh


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秘境の国の講習会(鳥インフルエンザ ブータン)

2008-05-30 10:24:45 | 報道

秘境の国・・といえばいくつかありますが、アジアではブータン。
ヒマラヤ山麓の神秘的な響き(一部のTVに摺りこまれた感もありますが)のこの国でも、鳥インフルエンザ講習が花盛りです。

特に、南部をインドに接していることから危機感が盛り上がり、保健省・農業省合同での開催に至ったもの。

インドに接する南部を重点的に開かれてるようですが、参加者からは「higher authority のexecutive orderがあると動きやすいんだが・・・」という声も出ています。 この国ではかなり人望の厚い王様がいる・・といつだかの報道で読んだことがありますが、王様が命を発すればサッと物事が動くということでしょうか。こういう点は、羨ましいところです。

また、インド・バングラの事態も考慮され、鶏の密貿易に対する注意喚起もなされています。

ソースはブータン保健省HP↓
http://www.moa.gov.bt/moa/main/newsdetail.php?newsId=575&from=news
ですが、民俗衣装の面々が真剣にのぞんでいる写真は一見の価値ありですので、ぜひ実際にクリックしてアクセスしてみてください。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

被災地のもう一つの顔(中国人民のたくましさ)

2008-05-28 16:49:09 | 報道

成都にいる知人(医療関係者)からのメール、紹介します。
先週のものですが、本ブログへの転載OK取り付けに時間がかかってました(メールがundeliveredで何度か届かなかったり・・・とやはり通信事情は良くありません)。

この中で、日本の報道ではなかなか見えてこないことは・・
1.中国の人民はたくましい。テント生活の中でマージャンやトランプをしながら明るく前向きに生きてゆく姿が観察される

2.物資は足りている。水もOK。 今必要なのは洗濯機

日本の報道で見えないと書きましたが、現地入りしている知人(報道)とのメールでは認識もされているようです。 ということは、こういった面が見えてこないのは日本側のデスクが原因か。「震災は悲惨という文脈に合わない」とかでボツにしているのでしょうか。

各社デスク・整理部のみなさん、明るい側面もどんどん記事にして知らせてください!

以下、転載

「四川地震の支援の調査として成都にいます。成都町中は平穏を取り戻しています。今日体に感じる地震は一回もありませんでした。被害が大きいのは山の中にある集落のようです。学校は平地でも校舎の倒壊の恐れがあるため休みになっています。それにしても被災地のホテル(1泊1000円にも満たない)がネット環境があってこうしてメールが送信できるとは思いませんでした。ひょっとすると日本の高級な旅館の方がネットに接続できないので遅れているかもしれません。ちなみに死者は3万の数ではなさそうです。まだ10万人単位で未確認だとのことです。私が見るに成都でも彭州でもテント生活の人が人々にテレビでみるような悲愴感がなくマージャンをしたりトランプをしたりとリラックスをしているように見えました。なんか日本の被災民のような悲愴感が全く感じられないのはこれも国民性なんでしょうか?という目からみると、医療もですがテント村に洗濯機があれば便利だと思うのが正直な感想です。今、彭州(成都から西北に1時間)にいます。成都では店が開き活気がありましたが、この町では店の9割がたはシャッターがおりています。物資は十分足りています、彭州の同一病院で北京から持参した水を飲んでいたら「こっちのほうがうまいぞ」と言って当地のペットボトルを提供されました。私が訪問した2つの中小の病院はすでに重篤な患者は成都に送ってしまい安定期にあるようです。病院では被災時の写真をわけてもらいました。またおいおい近況メールします」

四川地震といえば、今日発売の週刊朝日の広告に、被災地一帯が鳥インフルエンザ警戒地域云々~とあり思わず買ってしまいましたが、いまいち新しい話じゃなかったですね(中国全部警戒地域なのは自明)。 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒト感染能力を獲得した新型インフルエンザ(H7)

2008-05-28 12:47:19 | 報道

新型インフルエンザがヒト感染能力獲得 といってもH5N1じゃなくて、もうちょっとおだやかなH7型の話ですが、気になるニュースにかわりありません。

H7がヒト肺細胞にくっつきやすく変異してきているのが確認されたとPNAS誌に発表されています。

H7は昨今話題のH5N1ほど激烈ではないものの、2003年オランダの鳥インフルエンザで話題になりました。

ヒト感染では、呼吸器よりも眼を介した感染をしやすいとか。また、鳥の腸管α2-3にくっつきやすいこともわかってきています。

ソースは5月26日付Bloomberg↓
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601082&sid=aVWZxrgJpeo0&refer=canada

 

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大地震に想う(家禽市場は・・・)

2008-05-13 13:25:39 | 報道

四川省の大地震のニュース、驚きました。

北京に在勤中、年に3~4回は四川に隣接する重慶に出張していました。同様に震度5~6ぐらいはくらったのではと思います。

 重慶で思い出すのは、定宿にしていた万豪飯店(市内中心部)から花屋通りをちょっと2~3分ぐらい歩いたら家禽市場(小売)があって、店先に積まれた鳥かごにぎっしり詰まった鶏やらアヒルやらがうごめく光景でした。農村にゆかなくたって、直轄市のド真中で、鶏がひしめき鶏糞が漂う空間が存在することが驚きでした。 重慶では幸い、マツダの工場も稼働中との報道なのでおそらくあの空間も大丈夫ではと思いますが、大地震で倒壊した家禽市場から脱出した鳥類がそこかしこを駆け回り、それらがH5N1をもっていたら・・・・むかし、カラスか何かの鳥類が大発生して人類を襲うという映画を少年時代に見た記憶がありますが、彷彿とさせる事態が出現しそうです。

 成都では、混乱した家禽市場・・なんてあるのではないかと心配します。

 はるか(列車で24時間)離れた北京でも震度3ぐらいで、高層ビルから逃げ出した人々の群れ・・なんて写真がありました。そういえば、北京の高層ビルはガラス張りが多くて地震のことなんか考えてないから、地震があったら歩道にガラスが雨あられと降り注ぐよ・・・なんて悪口を言う人がいましたが、これはウソだと証明されましたね。

 しかし、中国生活実感としては、地震の無いところというイメージだったのであらためて驚くばかりです。合掌。

ソースは5月13日付Yahooニュース↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080513-00000522-reu-bus_all
その他報道↓
http://news.fresheye.com/clip/6027252/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カナダのミステリー特急は無事終着駅に

2008-05-11 22:15:34 | 報道

カナダのミステリー特急は無事終着駅に到着。

急死した86歳(当初60代と報道されたが実際は86歳)老婦人と緊急移送されたケースの間に関連がないことも判明、無事しゃんしゃんと終わったようです。

降り立った乗客のインタビューも報道されています。

乗務員は冷静で乗客にタダでワインやシャンパンを振る舞い(欧米の航空機では遅れただよくあるパターン)、安心させていた。

ただ、30両!もの長大編成ではいくらかのムラもあり、号車によっては情報が無かった!と怒る乗客の声もあるようです。

とはいえ、SARSを経験したこの国で、この危機的状況で人々が冷静に行動したことに感動した・・とは保健当局者のコメントです。

ソースは5月10日付globeandmail↓
http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/RTGAM.20080510.wtrainupdate0510/BNStory/National/home


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国はタミフル備蓄を倍増!

2008-05-11 21:50:38 | 報道

拡大とまらぬ鳥インフルエンザとアクティブな大統領とが組み合わさると・・・・
韓国では、タミフル備蓄が倍増!されます。
125万人分から250万人分へ。

ソースは5月11日付Yahooニュース↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080511-00000009-yonh-kr

同報道によれば、最初に発生した村では沈静化しているようです。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

デマを流したら最高検の捜査対象!

2008-05-07 22:14:06 | 報道

これは韓国のお話。
「米国人は自国産の牛肉を食べない」というデマがネットで流れているのを受け、韓国の最高検察庁が捜査に乗り出すとのこと

「公共の利益を害する目的で虚偽の通信を行った者」を5年以下の懲役または5000万ウォン(約522万円)以下の罰金に処すことができるという規定があり(電気通信基本法47条)、これの適応が検討されている模様です。

新型インフルエンザ パンデミックでも様々な「事実ではない噂」が予想されます。そして感染者数からみちびかれる実質的被害以上の被害をもたらすことも。

2003年SARS流行@北京では、「隣のビルで患者がいたらヤバイ」「道ですれちがっただけでうつる」といったデマが人民の間を駆け巡り、王府井や前門といった繁華街がゴーストタウン化しました(そのおかげで、渋滞も人混みもない万里の長城を堪能できたのは収穫でしたが)。日本人社会だって「○○会社に患者が出た!」「○○クリニックに日本人患者!」「大使館員に死者。葬式が○月○日どこそこで」・・・よくもまあというぐらい色々流れました。

パンデミックでは、いや、フェーズ3のままでも、最初の日本人患者第一号が出た時点で「事実ではない噂」が流れ、社会不安・社会的被害を出すという可能性は強く考えねばならないと思います。

パンデミックで「事実ではない噂」が流れ始めたとき、せめて韓国並みの体制がとれないか・・と思うばかりです(現状では、マスメディアの皆さんに”事実ではない噂の拾い上げと否定報道”をお願いする・・・あたりしか考えつかないのですが)。

ソースは5月7日付朝鮮日報日本語版↓
http://www.chosunonline.com/article/20080507000063

米国産牛肉:デマ流布に対する捜査開始

最高検察庁、刑事処罰も検討

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

十和田湖で補足調査@環境省

2008-05-07 21:45:29 | 報道

十和田湖で環境省が動いています。

補足調査として、白鳥以外の鳥類、カラスやスズメを捕まえてはウイルスチェック!という作業が進行中です。お疲れ様です・・・

ソースは秋田魁新報↓
http://www.sakigake.jp/p/special/08/avian_influenza/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする