音盤工房

活字中毒&ベルボトムガール音楽漂流記

最近は…

2009年12月20日 | インポート

 つい数日前に豊岡でも初雪が降った。盆地に囲まれたこの地域は夏は暑いし、冬もめっぽう寒い。同じ兵庫県でも南部は氷点下になる日はそんなにないと聞いた覚えがあるが、但馬地方は冬には必ずスタッドレスタイヤは必需品なんだぞ、と加古川に住んでいる女友達にそんな話をすると「スタッドレスタイヤって何?」と逆に訊かれてなんとなく恥ずかしくなった覚えがある。そんな田舎に住んでいるのかと思われたくなかったので説明するのに非常に骨が折れた。

 びゅーびゅーと北風が吹き、冬将軍が突如現れる。そんなものがいるのかどうかさえ僕にはわからないけれど、確かに、冬に雪が降ると、不思議とロマンチックな思いに駆られる。これはこういった土地柄特有のものだろう。子供の頃には冬には必ず豪雪となった。それでも積雪が膝近くあろうが、当然のように休校にはならず、誰かがつけた長靴の足跡を辿るように踏みしめ学校に通ったものだ。

 近年はあまり雪も降らなくなったが、冬の寒さが年々骨身に凍みるようになったのは年齢の所為かもしれない。

 最近はブログもご無沙汰気味。おもったより書けなくなっているのが、本音である。何を書いたらいいのかではなく、たぶん、書きたいものが以前よりも減ってきているのだと思う。ブログを始めた当初は書きたいものがいっぱいあって、それこそ書き足りないくらいだった。この頃は翌朝に疲れを残さないように早寝をしている。若い頃のように潰しがきかなくなっているためだ。

 音楽をゆっくり聴く時間もないので、そろそろ冬に聴くアルバムの物色をしてみたり、こいつは以前にも紹介したビリー・ジョエルの『ナイロン・カーテン』と『イノセント・マン』だが、なんとなくクリスマスにはこれだ! という気がしている。それと並行的にまとめて本も読みたいと思っている。

 今、読んでいるのは松本清張の『砂の器』と『ゼロの焦点』、それに以前からずっと読みたいと思っていた村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』。松本清張の2冊は再読だが、殆ど内容は忘れてしまっているから初読に近い。村上龍のこの本はもろロックンロールを体現できる一冊だ。まだ数ページほどしか読んでいないけれど、あの『限りなく透明に近いブルー』の衝撃波が今も色濃く脳裏に残っているので、同じ作家の同時代の作品を読むのは非常な興奮を覚える。村上春樹が世界中に愛されるザ・ビートルズの“愛と平和”を詠うなら、村上龍は間違いなくザ・ローリング・ストーンズの“蜜と毒”を描き続ける作家なんだろうね。