11月に入ってからというもの世界的歌姫たちの怒涛のリリースラッシュが続いている。
ノラ・ジョーンズの4作目となる『ザ・フォール』を皮切りに、ジョス・ストーンの『カラー・ミー・フリー!』、それにリアーナまでもが久々となる最新作を発表、音楽業界もクリスマス商戦を狙って俄かに賑やかになってきた。
ノラ・ジョーンズとジョス・ストーンの新作はここ一月ばかりになるがずっと車の中で聴きまくっていた。
ノラ・ジョーンズの『ザ・フォール』は実をいうとかなり期待はしていたのだが、ハンサム・バンドのサウンドを母体に相変わらず、ジャズやカントリーの不思議な融合が特徴的な従来のサウンドからはそれほど逸脱していないことに少しばかりホッとしている。
シングル・カットされた「チェイシング・パイレーツ」はキース・リチャーズが出演していた映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』をふと髣髴させてしまう海賊繫がりとなる楽曲。もちろん、意識して作ったとは思えないけれど、ノラ・ジョーンズはストーンズ・プロジェクトにも参加していてアルバムでは「ワイルド・ホース」で素晴らしいヴォーカルを披露した間柄。
ストーンズ、特にキースとは親交が篤い。だから自然と関連のある曲だと妙な勘繰りをしてしまうのだ。
ジョス・ストーンの新作は思っていたより、ブラック・テイストに作られている。確実に初期のクラッシック・ソウルの趣のある楽曲が目立っている。
このひとの歌や曲を聴いていると、過去のソウルの名曲を聴きたくなるから不思議だ。外見からは想像もできない野太い歌声だけど、実は、若くて美しい女の子なんだよね。
アルバムのなかで一番気に入っているのは、ジェイミー・ハートマンとデュエットしている「ステイルメイト」。思わず感涙ものの素晴らしい曲だ!
ジャケット・デザインはどんどんひどくなってくるけれど、肝心な音楽がこんなにぶれずに芯がしっかりしているのは、さすが。
R指定(初回限定低価格盤) 価格:¥ 1,980(税込) 発売日:2009-11-25 |
そして…リアーナの新作になるのだが、どうも今回も前評判どおりの出来に仕上がっているらしい。
まだ聴いていなくてこれから聴くのが楽しみな一枚。新作のタイトルが『R指定』なんていうのも、エロスたっぷりのリアーナらしい。ながらくセックス・シンボル不在のミュージックシーンにあって、リアーナは久々に現れたトータル的な魅力を持つ歌姫なんだろうね。