「Urban Jungle Tour」の名目で1991年にリリースされた『Flashpoint』は数あるストーンズのライヴアルバムの中でも今ひとつ人気がない。だから一度、廃盤の憂き目にあった事のある曰く付きのライヴアルバムである。確かにこれまでとライヴ盤と違って音がクリアーで耳障りが良いし、定番曲が殆ど占めるセットリストながら、ひとつひとつの曲に妙に纏まりがあるのが特徴です。往年のファンなら誰しも頷く選曲なのに売上げを伸ばさなかった理由がその妙な纏まり方にあるようです。それではまずラインナップを見て頂きましょう。
1-(Intro)Continental Drift
2-Start Me Up
3-Sad Sad Sad
4-Miss You
5-Rock And A Hard Place
6-Ruby Tuesday
7-You Can’t Always Get What You Want
8-Factory Girl
9-Can’t Be Seen
10-Little Red Rooster
11-Paint It Black
12-Sympathy For The Devil
13-Brown Sugar
14-Jumping Jack Flash
15-Satisfaction
16-Highwire
17-Sex Drive
このアルバム用に作られた新曲のスタジオ録音2曲を含む殆どベストラインナップ。10曲目のハウリン・ウルフの「Little Red Rooster」なんかあのエリック・クラプトンが参加している! しかもライヴのセットリストではあまり見かけない「Factory Girl」なんかが8曲目にエントリーされていたりして、実質、「Steel Wheels Tour」のライヴ盤となっているのだ。有名曲ばかり取り揃えた内容なのに未だに不人気なのが良く判らんライヴ盤です。もっともぼくも『Love You Live』のCDを買ってからは殆ど聴かないけど(笑)。でも「Jumping Jack Flash」だけは『Love You Live』のよりこっちのほうが間違いなくいいです。それではこの辺でこのアルバムの収録曲の中でスタジオ録音されている「Highwire」と「Sex Drive」のPVをご覧ください。「Highwire」のPVを観るのはぼくも初めてです。
この時期のストーンズのライブは、ホントに「妙に纏まりがある」という表現がぴったりですよね。
おそらく、もう一度ストーンズを再開するにあたって、昔の曲をきっちりと再構築したかったんでしょうね。
でも、ライブではバンドの主導権をキーボードのチャックが握っているような気がして、ぼくはこの時期のストーンズのライブ音源はあまり好きではありません。
初めて見たストーンズのツアーのライブ盤だから、もっと思い入れがあって良いはずなんですが・・・・。
しかし、次のツアーでは以前のラフなストーンズに戻してくるあたりは、さすがだなあと思いましたね。
初来日でファンになった人が、
ここからライブ盤に入っていったらちょっとヤバイかなといらぬ心配をしました。
前作ライブの「スティル・ライフ」ほどの生々しさが感じられません。
当時、たしかオリジナルに近い演奏の再現を狙ったというふれ込みでした。
結果、テクノロジーに頼りすぎた臨場感に乏しい纏りと聴こえたのでしょう。
いわゆるオーバーダブの多用もこの頃からです。
やはりこのライブ盤は『Love You Live』や『Still Life』に比べて見劣りしますね。ファンのひとりとして本当にがっかりしたのを覚えています。今回のエントリーはこのアルバムを扱き下ろす目的があった訳では決してありません。こんなに定番曲を揃えて、こんなに聴き易いアルバムに仕上がっているのに何故不人気なのかずっと気になっていたからです。CDなのに発売されてすぐに廃盤になったアルバムですから、ファンもその弱点を敏感に悟ったんでしょうね。出来たら新しいファンには聴かせたくない一枚です(笑)。
ベスト盤的な曲のそろえ方で、楽器のテクノロジーも進歩してるけど・・・・
やはりこのライブ盤は『Love You Live』の猥雑さや『Still Life』にワイルドな中の円熟感に比べて見劣りしますね。年齢ゆえか声の伸びも衰えて
でも、ストーンズ初心者にはいきなり『Love You Live』から入るよりは良いかも
コメントありがとうございます♪
ぼくもsamさんと全く同意見です!このライヴアルバムに限らず、90年代以降のストーンズはイアン・スチュワートの死とビル・ワイマンの脱退とで、かつてのダークでワイルドな部分が希薄になっていきます。それにドームのようなどでかいコンサート会場で2時間を越えるライヴとなると、曲全体にスピード感が加わるのは必然となり、そのため、本来のストーンズの持ち味である繊細な音の組立てが間の抜けたものになっていく。ミックのヴォーカルの衰えも気になるところです。世間の風潮を加味した過剰にシャウト気味のヴォーカルは『ダーティ・ワーク』の頃からの路線を引き継いでいる。『Love You Live』みたいな粘つくようないやらしいヴォーカルはもう期待できないですね。若い人たちにももっとストーンズを聴いてほしいと思います。良いものも悪いものも、全部。そうして取捨選択していき、残ったものが、『Love You Live』や『Still Life』であればいいと思っています(笑)。