ロバート・クレイを語る時、欠かせないいくつかの作品があるが、その中でも『ストロング・パースウェイダー』は屹立する名盤の一つだ。
そのアルバムに肉迫する傑作が、今年還暦を迎えたロバート・クレイの最新作『ナッシン・バット・ラブ』だ。
(Won't Be) Coming Homeを筆頭に、魂を揺さぶるブルースが疾駆する。 アルバム・ジャケットに映るアメ車がそれを暗示するかのように 。
『ストロング・パースウェイダー』はブルース・アルバムとしては異例のヒットを飛ばし、今作でグラミー賞最優秀コンテンポラリー・ブルース・アルバム賞を受賞。
ご他聞に漏れることなく、この僕もこのアルバムからロバート・クレイを知ることに…。
ミック・ジャガーやキース・リチャーズのインタビューでこのブルースマンの名が出るたびに彼への興味は頂点に達していた。
当時の感想は、漸く本物が出てきたなという思いだった。
ギター・サウンドはもう終わりかなと思っていた頃なので、ロバート・クレイの登場はまさしく衝撃そのものだった。
黒人がギターを弾いている。
それだけで衝撃だったよ。
とにかくわかりやすいんだ。
彼のブルースって。
ブルース以外にもたぶんソウルやジャズを吸収してきたんだと思う。
それもかくべつ良質なやつを。
マーヴィン・ゲイがアルバート・キングのようにギターを弾くとおそらくこうなるなという。
『ナッシン・バット・ラブ』にはあの頃のフィーリングが戻っている。
そう。
僕がブルースに感動していた頃だ。
メンバーはあの頃に比べてずいぶん顔ぶれも変わってしまったが、結成当時からロバート・クレイを支えてきたベースのリチャード・カズンズが久しぶりに参加し、”哭き”のサウンドが蘇っている。
ロバート・クレイ・バンドはこうでなきゃいけない。
Robert Cray Band-Strong Persuader(1986)
Robert Cray(g,vo) ロバート・クレイ(ギター、ヴォーカル)
Peter Boe(key) ピーター・ボー(キーボード)
Richard Cousins(b) リチャード・カズンズ(ベース)
David Olson (ds) デヴィッド・ オルソン(ドラムス)
</object>
YouTube: Robert Cray - Smoking Gun
Robert Cray Band-Nothin But Love (2012)
Robert Cray(g,vo) ロバート・クレイ(ギター、ヴォーカル)
James Pugh(key) ジェイムズ・パウ(キーボード)
Richard Cousins(b) リチャード・カズンズ(ベース)