読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

シベリア最深紀行 知られざる大地への七つの旅

2024年02月23日 10時24分57秒 | ■読む

中村逸郎著、岩波書店刊
昨年来、ロシアのウクライナ侵攻に関連した動画で見掛ける様になった中村逸郎さんに興味を持ち、その著作を手に取りました。
ロシアの専門家として、ロシアの一部であるが広大な地域であるシベリアに関心を寄せ7つの地域に旅をして、その風土とそこに暮らす人々を取材した著作です。
ロシアにありながら、広大な面積を持ち厳しい気候が相俟って、ロシア化が進んでいない僻地を選び訪れています。
それらの地域の人々の暮らし振りと価値観、ロシアの政治と文化の浸透具合などを取材しています。

トナカイを飼育して遊牧生活を送る人々、陸の孤島とも言うべき隔絶の地で、小さな集落を作り、豊かな精神生活を送る人々などが登場します。
物質的に豊かでなくとも、精神的な豊かさを大切にする文化を継承し、心穏やかに生活する人々の輝きが描かれています。
また、宗教が大きな要因として登場しています。
ロシア正教会、カトリック、プロテスタント、イスラム教、仏教が様々な経緯で、各地に浸透し、元々あったシャーマニズムと共存しつつ、互いに影響し合っているようです。

動画では、著者のユニークな語り口が印象的ですが、本書では、他者への深い関心と寄り添う心情が感じられました。
情感のある文章も印象的です。
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中村逸郎  ○シベリア
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評価は4です。

※壁紙専用の別ブログを公開しています。
カメラまかせ 成り行きまかせ  〇カメラまかせ 成り行きまかせその2


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