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トーマス・J・ケリー著、プレアデス出版
半世紀以上前の1969年7月16日にアポロ11号の月着陸船が月に無事降り立ったことを今でも覚えています。
中学生だった当時、朝礼で、痩せて小柄であったことから「シャモ」という渾名の校長先生が、その快挙に触れた時の情景が甦ります。
SF小説にのめり込んでいたことや、当時の高度経済成長期に特有の楽天的な雰囲気も相俟って深い感動を覚えました。
アポロ開発から派生した数々の先進技術が、民生品に生かされたことは有名です。
本書は、アポロ計画の中でも、困難を極めた月着陸船開発の物語で、当時35歳であった著者が主任設計者を務めたそうで、その苦難と苦闘の歩みを辿っています。
経験したことならば今までの知見を生かせますが、全く未知のミッションをこなせる機体を設計することは、極めて困難であったろうと思います。
多くの技術開発は、今までの経験の延長線上に道を見付けられますが、それが無い状況で、あらゆる素材と新技術の開発・応用を試みながら、文字通りの暗中模索。
読んでいて息が詰まる展開の連続です。
多くの分野の技術者や技能者を束ねますが、NASAの指示による厳しい品質管理文書化などが、なお一層開発を困難にします。
ある種の楽天性と自分への信頼、達成への強い意志が相俟って成し遂げられたようです。
本書では、彩り豊かな人間模様も描かれていて奥行きを感じました。
力を合わせたが故に達成できた偉業の一端に触れ、深い感動を覚えました。
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○アポロ計画 ○アポロ月着陸船
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評価は5です。
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