言葉って面白い!

この日本語、英語でなんていうの?その奥に深い文化の違いが見えてきませんか。

ハロウィーンの語源は?

2018年10月28日 | 伝統文化
近年、ハロウィーンの季節になると、街中に仮装した若者が繰り出して大混雑するようになりました。
夜通し遊び歩き、道端にゴミを置きっぱなし、マナーが悪いとニュースになっています。
ここ数年ですっかり十月の風物詩になり、その経済効果はすでにバレンタインデーを抜いたのだとか。

ところで、ハロウィーンってそもそも何でしょう。
その語源は?
アメリカでは子供たちがお菓子を求めて家々を訪ねるのが、ハロウィーンの習慣。
それなら「こんにちは」の「ハロー」と関係があるんじゃないの?なんて、考えがちですよね。

英語で書くと、Halloween。
もともとは、Hallowe'enと、アポストロフィがついていました。
これがミソ。
Halloweenの最後のenは、EvenもしはEveningの省略形です。
Halloweenの語源は、諸説ありますが、All Hallow Even(諸聖人の日の前夜)、もしくはHallowed Evening (聖なる夜)が短くなったものと言われ、
どちらにしても根っこは同じです。
Hallowは、holyとつながる言葉で、「聖なる」という意味を持っています。

古代ケルト文化では、11/1が一年の始まりの聖なる日。ハロウィーンはその前夜というわけです。
この日に、悪霊や死者がよみがえると信じられていました。
日本で言えば、大みそかにお盆がくっついたような日、というイメージでしょうか。
よみがえった悪霊たちによってあの世に引きずり込まれないように、悪霊や死者のメイクをして彼らの仲間だと思わせる。
それがハロウィーンの仮装の始まりでした。
アメリカに渡り、子供たちの祭りに転じたところで、本来の宗教的な意味は薄れ、日本に届く頃には「仮装なら何でもあり」になってしまいました。

ところで、Happy Halloween!と、よく言いますね。
古い文化をよく知るイギリス人に言わせると、このHappyというのは違和感があるそうです。
悪霊から身を守るわけですから、ハッピーどころか、もっと恐ろしいものだというわけです。
日本で言えば、「お盆、おめでとう」とは言わない、といった感覚でしょうか。

文化が国から国へと伝わり、時代を経るとともに、本来の意味を失い、形だけが変化して残っていく、という例はよくあります。
言葉もそれに伴い、ニュアンスを変えて伝わっていくものです。

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