言葉って面白い!

この日本語、英語でなんていうの?その奥に深い文化の違いが見えてきませんか。

デイリーライフ

2013年01月02日 | ニュース
日本人が英語を使う時に、LとRの違いに苦しむのはよく知られた話です。
riceをlice(louse=シラミの複数形)と発音し、「日本人はシラミを食べている」と勘違いされる、といったジョークもよく知られた話。
実際には文脈から考えればそれを間違えることはあり得ないと言いますが……。

ところで似たようなLとRの珍プレーがもう一つありました。
毎日の生活、Dairy Lifeを楽しもう。
そんなコピーが実際にあったそうです。
言われないと、ぱっと見ただけでは気づきにくい間違いです。
正しくは、Daily Life。
Dairyは、LとRのスペル間違い。
ちなみにdairyという単語は、乳製品という意味。
「牛乳を飲んで健康的な生活」といったところでしょうか。
意外に、意味が通っているような気もしますね。





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リトル・ブリテン

2013年01月02日 | 言葉
ずっと前から気になっていました。
Great Britainという島があります。
Britainというのは、北アイルランドも含めたいわゆるイギリス全体を指すこともあります。
なぜBritainよりGreat Britainの方が小さいのか。
そもそもGreatがあるなら、Littleもあるのか。

調べてみると、なんと、ありました。Little Britainが海を隔ててあったんです。
フランスのブルターニュ半島。ここはLittle Britainもしくは、Small Britainと言われている地域なんです。
ブルターニュは、歴史的にはもともとケルト系民族の住地だった場所です。
ローマ帝国の支配が後退した後にブリテン島から再びケルト人が移住し、ブリテンにちなんで住民をブルトン人、この地をブルターニュと呼ぶようになったものです。
その後のフランスの歴史の中でも、ブルターニュは独特の歴史を築き、文化的にも特異な地位を保ってきました。
今でも、食生活も、宗教も、法律上も、フランス中央政府と一線を画した地域となっています。
話される言葉も、フランス語以外に、ブリトン語というケルト系の言葉を持っています。
ブリテン島で鉄器時代からずっと話されてきた古い言葉です。
地図を見てみると、確かにブルターニュ半島は、ブリテン島、中でもウェールズから近い位置にあります。
地理的にも歴史的にも文化的にも、ブリテンと緊密につながっていた場所なのです。

Greatがあるなら、Littleもある。
そんな当たり前の呼応の裏に、興味深い歴史文化の物語が隠されていました。
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ウェールズの言葉

2013年01月02日 | 言葉
だいぶ前のことですが、イギリスのウェールズ地方を旅したことがあります。
レンタカーを借りて、ウェールズ地方を北から南へほぼ縦断。泊まったのは、B&Bばかりで、いずれもフレンドリーで小奇麗な素敵な宿でした。
小さな村を選んで泊まったので、特にみるべきものも行くべきところもありません。町のはずれに小さなパブが一軒、日本人が来たことがその村で初めて、といったこともありました。
そんな村では、パブで軽く食事を終えると、宿に戻ってテレビを見るしかやることがありません。
ヨーロッパには多くのチャンネルがあるので、それなりに飽きずにいろいろな番組を見ることができます。
イギリスですから、多くは英語。フランス語の番組も入ります。
その中で、聞いたことのない言語のチャンネルがありました。
私は各国の言葉ができるわけではありませんが、聞けばそれが、英語なのかフランス語なのか、それともドイツ語なのか、それくらいの区別はつきます。いずれでもありません。
文法も発音も、まったく馴染みのない言葉です。
これはきっとスラブ系の言葉だな。ロシア語かな?などと、考えていました。

翌日、パブで飲んでいて、テレビで聞いた言葉が何語かが分かりました。
ウェールズ語です。まさに現地の言葉です。
そういえば、ウェールズに入ってから、看板や案内板に英語と並んで書かれている見慣れぬ言葉が気になっていました。
SLOWとARAFといった具合。綴りもまったく類似点がありません。

ウェールズは、ケルト系の人たちの住む地域です。
ケルト人は、ローマ帝国がブリテン島に侵入してくる以前から島に住んでいて、ウェールズ語もその頃から話されていました。英語より古い言語だというわけです。
ケルト人は、ローマ人が侵入した時も、1066年のノルマンの征服時も、外来者に対して頑強に抵抗し、民族のアイデンティティを捨てませんでした。
今でもそのアイデンティティは強いと言います。
ウェールズ語が、ウェールズでは英語と並んで公用語になっているのも、その表れの一つでしょう。
英語化が進み、ウェールズ語の話者は減ってきていますが、それでもまだ今でも、ウェールズに住む人の五人に一人がウェールズ語を話すことができるそうです。

民族にとって言語はアイデンティティを保つ重要な装置です。
日本でも、関西出身の人が東京に長く住んでも関西弁を話し続けたりします。
東京のアクセントをなかなか習得できないという人もいるかもしれませんが、多くはあえて自分のアイデンティティとして関西のアクセントを残しているように思えます。
ウェールズの人にとって、ウェールズ語を話すことは、ウェールズの歴史と自分のアイデンティティを残していくための重要なキーワードなのかもしれません。
コメント (1)
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