言葉って面白い!

この日本語、英語でなんていうの?その奥に深い文化の違いが見えてきませんか。

マウスの島

2016年08月12日 | 旅の話し
スペイン北部、フランスとの県境にサンセバスチャンという美しい港町があります。友人に連れられて、車で向かったのですが、なぜかその日はパーキングがどこも満車で停めるところがありません。そこで、サンセバスチャン見物はあきらめ、近くのサラウスという海辺の街に寄りました。サーフィンで有名な街らしく、日本で言うところの「海の家」らしき海辺の店にサーファーたちが集っていました。
その海辺を歩きながら、友人が「あの島を見て」と指さしました。




正確に言うと島ではなく、半島のように突き出した陸続く丘のような地形です。
「あれ、口のような形をしているから、口の島って呼ばれているの」
 と彼女は説明してくれました。少なくとも私にはそう聞こえました。
 どう見ても、口のように見えないのですが、ムリして解釈すれば、突き出した唇を横から見たように見えなくもありません。
「どこが口なの?あそこが鼻かな?」
 などと、聞き返すと、彼女は大笑いして答えました。
「口(mouth)じゃないわよ。ネズミ(mouse)よ。ネズミの島。」
 なるほど、ネズミと言われれば合点がいきます。
 聞き取りの苦手な私は、mouthとmouseを聞き間違えて、一生懸命にネズミを口のように解釈すべく努力していたのでした。
 日本人の犯しやすい間違いの一つです。日本語にはthの発音がないため、近似値のsの発音で代用し、ネズミの「マウス」も口の「マウス」も同じ表記をし、同じように発音します。「ミッキーマウス」と「マウスピース」は本来全く異なる「マウス」ですが、日本語ではその違いがごちゃ混ぜになりがちです。
 そんな話をスペイン人の彼女にしたところ、興味深い顔で聞いていました。
それにしても、ネズミの島を「口の島」と思い込んで頭の中で解釈しようとすると、不思議とそう見えてきたのも面白い脳の働きだと思いました。
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