言葉って面白い!

この日本語、英語でなんていうの?その奥に深い文化の違いが見えてきませんか。

直訳の罠

2015年03月15日 | 言葉
日本人が英語を使う時に、陥りがちな罠があります。
それは「直訳の罠」とも言うべきものです。

特に、take,get, find,make, haveなどシンプルな言葉ほど、直訳の罠にはまってうまく使うのが難しいものです。
「彼の意見に感銘を受けた」と言おうとして、私はこう話してみました。
I’m impressed by his opinion.
しかし、ネイティブの英国人に言わせると、こう言った方がより感銘の度合いを強く表現できると言います。
I find his opinion impressive.
これは、日本で英語を学習している日本人にはなかなか難しい表現です。それはfindを「見つける」という言葉で置き換えようとしがちだからです。
彼の意見の中から印象的な部分を見つけた、あるいは、これまでそうとも思っていなかったが彼の意見が印象的だということをようやく見つけた、といったニュアンスで考えてしまいがちです。しかしネイティブ英語では、これはごく普通に「彼の意見に感銘を受けた」という意味になります。

もう一つ。
I’d like to avoid being Alzheimer’s.
私はアルツハイマー(認知症)になりたくない。
これは、ネイティブの自然な英語だと、こうなるそうです。
I’d like to avoid getting Alzheimer’s.
これも日本人には難易度の高い表現です。
普段getは「得る」と訳しがちです。「得る」という言葉の中には、欲しいものを得る、というニュアンスが含まれています。「●●をゲットした」といった表現にもそれが表れています。
できれば欲しくないものを「得る」とは考えにくいのです。
だから、日本人の感覚では、「認知症」は、getするものではないのです。
こうした細かなニュアンスの違いは、簡単な単語であればあるほど使い分けが難しいのかもしれません。
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名詞で自分を表現してみよう

2015年03月01日 | 言葉
スタンフォード大学の人気講師、ケリー・マクゴニガルさんのインタビューを読みました。英語ができるようになるための秘訣、それも学習方法というよりも、意識の持ち方や考え方を変えることで全く違う効果が生まれる、という、いわば心理学的なアプローチのものです。
大変興味深い内容でした。
 例えば、自分を批判するより自分のミスを自分で許した方が次のステップに繋がる、とか、意思を貫くために一緒に走ってくれるパートナーが必要だ、とか、示唆に富むヒントがいくつもありました。
 その中でも、一見大したことでないように思えて、もしかすると大きな意識変革かもしれないと思う記事が次のようなことでした。

 自分のことを「名詞」を使って表現すると目標を達成しやすい。

 ぱっと読んでも意味が分かりません。でもよく読むと奥が深い。
 例えば、「自分が英語を勉強している」ということを言う時に、英語でも幾通りかの表現方法があります。
I want to learn English.
これも一つの言い方でしょう。
これはどうでしょうか。
I’m a learner of English.
ちょっとイメージが違う気もします。
同じように、I exercise. と言うか、I am an exerciser. と言うか、それによって、気の持ちようがだいぶ違うというのです。

自分を動詞でI learn English. と表現するのに比べ、名詞で I’m a learner. と言う方が、目標を諦めずに達成しようという意欲に大きな影響があるというのです。
自分を名詞で表現すると、その行動を「自分のもの」にしていて、行動に対するアイデンティティが高くなる、というわけです。
確かに、そんな気がします。
これはスタンフォード大学の研究結果でも、意識の持ち方に違いが出るということだそうです。
言葉の表現一つで、人生を変える力も得られる。
私は、その説に大いに賛成します。
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