言葉って面白い!

この日本語、英語でなんていうの?その奥に深い文化の違いが見えてきませんか。

シナジー効果

2008年02月23日 | 言葉
シナジー効果という言葉があります。
二人以上の人が共同で働いた時、あるいは二つ以上のものが結合した時に、二人分以上の効果が出ることです。

二人以上の人が共同作業する場合、それぞれの持ち味がうまく化学反応を起こして予測以上の効果を生み出すというのは、難しいことではありますが、チームプレイの醍醐味でもあります。
シナジーが生まれれば、一人では到底出来ない結果を得ることができます。
逆に馬が合わない人と組むと、一人でやった方がよほどよかったという散々な結果になることもあります。

シナジー=synergy の語源は、sy+energyです。
sy は、もともとギリシャ語系の接頭語でsyn=共に、一緒に、同時に、から来ています。

synchronize=同時に起こる、同時に働く
symphoney=交響曲
sympathy=同情、共感
などと同じ語源です。

共に働くことで生まれるエネルギー。
そんなエネルギーが生まれる人とコンビを組んで働けるのであれば、幸せなのでしょう。
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枯山水の真髄

2008年02月16日 | 庭の話
京都の北山にある龍安寺。
世界的に有名な「ドライ・ガーデン」です。
かつてブルーノ・タウトも絶賛したといわれる枯山水。
訪れるとひと目ですべて見えてしまう小さな空間ですが、じっと何分も見ていると、やがて何か不思議な情緒を醸し出してきます。

枯山水は、英語ではdry garden、あるいは stone garden などと訳されます。
ただ、「枯れる」という日本語は、dryとはちょっと違います。
単に水分が少ない、水気がない、という意味ではなく、年月をかけて培われた独特の深みがそこにあることを含んでいます。
「乾山水」ではなく「枯山水」なのです。

枯れるを訳すのに、dryだと深さが足りません。
和英辞典を引いてみると、matureという単語も出てきます。
しかし、matureは、円熟した、熟成した、という意味で、まさに今が最高潮の時期を指します。
mature girl などと言います。
しかし、「枯れた少女」というのはいないでしょう。
枯れる、というのは、円熟をさらに通り越して、悟りを得た感じです。
どうもぴたりと言い当てる英単語はなさそうです。

禅的なニュアンスを含む「枯れる」も日本独特の言葉であり、考え方なのでしょう。
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考える会

2008年02月09日 | 言葉
「○○を考える会」というネーミングの会がよくあります。
最近では、どのような組織にも英語名が必要になってきていて、「○○を考える会」の英語表記というのもしばしば見られます。

The society for thinking about ~.
といった訳が見られます。
文字通りの直訳です。

英語のネイティブがこの表現を見ると、少し違和感を感じることがあると言います。
「考えることは考えるけど、何もしない」
というニュアンスが感じられる、というのです。

京都では、何かをお願いした時に「考えときますわ」と言われたら、半分断られたものと思え、と言います。
「考えることは考えるけど、お願いに実際に応えるかどうかは分からない」
というニュアンスが入るわけです。

婉曲な言い方を好む日本語の一端が出ている現象です。



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セミの生き方

2008年02月02日 | 心に残る言葉
朝の連続ドラマ「ちりとてちん」は、よく脚本の練られたドラマです。
言葉の使い方が見事。

渡瀬恒彦演じる師匠の、こんなセリフがありました。
「セミは二週間しか生きない。カナカナカナと泣くのではなく、コワイコワイコワイと泣いているのかもしれない。」
生きているのが恐い、という意味です。

なかなか深いセリフです。

セミは地上に出てから一週間から二週間しか生きられません。
しかし土の中で数年の時を過ごしています。
仮に地中にいる時が「我慢の時」、地上に出てからが「輝く時」だとすれば、何とも下積みの長い人生です。

セミが自分の残りの人生の時間を知っているのであれば、長い下積みからようやく世に出て残りわずかの人生を「コワイ」と思いながら生きているのも分かる気がします。
しかし、地上に出てからが輝く時、と決めてしまうのも、実は違うのかもしれません。

地中にいる時は、天候に左右されず暖かく、危険も少ない幸せな時なのかもしれません。
仮に下積みだとしても、実はその時間こそが豊かだという人生もあるでしょう。

モノは考えよう。
価値観を少しひねってみるだけで、不幸が幸せに変わることもあるかもしれません。
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寒い中にも「はる」

2008年02月02日 | 四季
昨夜の東京は、これまでになく寒い夜でした。
風も強かったため、厚手のコートを着ていてもガチガチに筋肉が固まってしまいました。

明日は節分。
明後日が立春です。
暦の上では春がやってきますが、寒さはこれからが本番のようです。

先日、郊外の丘で桃の木が芽吹いているのを見つけました。
「春」という言葉は、木の芽が徐々に膨らんで張ってくる、「木の芽張る」から「はる」とついたのだといいます。

最も寒い季節の中で、次の季節が確実に近づいているようです。
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