風 信(かぜのたより)

海風に乗せて

北上第一陣?

2010-05-19 | Weblog
所用のため昨日は丹後まで出かけました。
午後も遅くなって出てみた海岸にアサギマダラが来ていました。

渡りの中継地として有名な大分県姫島の最盛期が、
今頃の5月中、下旬らしいので、
昨日見たアサギマダラは、
先陣を切って北上してきた子たちのようです。


アサギマダラ 10.5.18 京丹後市

5、6匹の♂がスナビキソウの群落に集まって花の蜜を吸っています。
よく見ると、花だけでなく口吻を葉に刺して汁も吸っているようです。
夏に刈り取られた道端のヒヨドリバナに集まって草の汁を吸っているのはよく見かけるのですが、
ストローのような口吻を直接葉に刺し込んで汁を吸っているのは初めて見ました。


アサギマダラ 10.5.18 京丹後市

ところで、スナビキソウ(ムラサキ科)は、
ヒヨドリバナと同じようにある種のアルカロイドが含まれていて、
この物質がアサギマダラのフェロモンや自身を敵から守る成分(毒)の生成に
深くかかわっているといいます。

スナビキソウは、砂浜の最前線、汀線にもっとも近いところに生育する海浜植物で、
波が洗うようなところでも平気で生えています。
鳥取県東部から丹後半島の自然度の高い浜では良く見かけるのですが、
近年少なくなっているようで、
鳥取県のレッドデータブックでは準絶滅危惧種になっています。


スナビキソウ 10.5.18 京丹後市


スナビキソウ 10.5.18 京丹後市

この男の子たちにとって、ここ丹後半島が旅の目的地なのか、
まだ旅の途上なのか知る由もありませんが、
今はしっかり「アルカロイド」を摂って、よき配偶者に恵まれんことを・・・。
Good luck!です。


アサギマダラ 10.5.18 京丹後市