東芝・ソニー・NECエレクトロニクス-最先端半導体の共同生産へ-
(2006/03/28 毎日新聞)
東芝、ソニー、NECエレクトロニクスが2010年をめどに東芝の大分工場で最先端半導体の共同生産を始める方針を固めた。背景には、日本の主要メーカーで半導体を共同生産する「日の丸半導体構想」を推進する日立製作所と、同構想に距離を置く東芝の主導権争いがある。
東芝は、同構想の企画準備会社に出資しており、日立などは東芝を主要メンバーと考えていた。しかし、東芝は「共同工場があれば利用するが、主体的に取り組むわけではない」としており、両者には温度差があった。
最先端半導体の微細加工技術で、自社の技術を標準規格にできれば、開発スピードやコストで優位に立てる。一方、技術の主導権を他社に握られてしまえば、これまで開発した技術やノウハウは使えない。
このため、東芝は、日立主導の構想を警戒し、技術的に近いソニー、NECエレクトロニクスを加えて独自案を進めることにしたとみられる。
最先端半導体の開発・生産は海外勢に対抗するために、日本の主要メーカーが共同生産する構想が浮上。日立、ルネサステクノロジが設立した準備会社には東芝も参加しているが、日立・ルネサスと東芝の間で、工場をどこに作るかなどについて意見が対立していた。
03年に日立、NECなどによる半導体の共同生産構想が浮上した際、「日立が主導権を譲らず、ぎりぎりで失敗した」(経済産業省幹部)という因縁も、東芝が日立に不信感を抱く一因とされる。東芝は「うちの技術と工場を使うなら、日の丸半導体構想に乗ってもいい」とするが、日立が提案をのむ可能性は小さく、今後も両陣営の主導権争いは続きそうだ。
TDKとデンセイ・ラムダ-電源ブランドを統一し「TDK-Lambda」へ-
(2006/03/28 日刊工業新聞・日経エレクトロニクス)
TDKとデンセイ・ラムダは27日、4月1日から主要な電源製品に統一ブランド「TDK-Lambda」を導入すると発表した。TDKは05年10月にデンセイ・ラムダを傘下に収めており、電源事業拡充に向けた連携の第1弾となる。ブランドの統一に伴い、相互販売・共同プロモーションを展開する。電源製品の開発・製造の共同化については検討課題としているが、現段階では未定。
統一ブランドの対象製品は、AC-DCスイッチング電源、DC-DCコンバータ、DC-ACインバータ、パワーモジュールで、合計60シリーズをラインアップ。TDKの電気自動車用DC-DCコンバータ、デンセイ・ラムダの無停電電源(UPS)、瞬時電圧低下保護装置(MLP)は従来のブランドで販売する。また重複する商品などの統廃合にも着手する。
TDKは民生機器向け電源、デンセイ・ラムダは産業機器向け電源を得意とする。両社の商品を相互に取り扱うことで品揃えが拡充し総合的で広範囲のソリューションを提供できるようになる。
高見沢サイバネティックス-新型の硬貨識別装置を開発-
(2006/03/28 フジサンケイビジネス)
交通システム機器などを手掛ける高見沢サイバネティックスは、従来の電磁気技術に光学的技術を追加した硬貨識別装置を開発した。
電磁気を利用した方法では、材質や大きさにより偽硬貨を判別していたため、精巧な偽物や外国硬貨などを検知できない可能性があった。新装置では、LED(発光ダイオード)の光をあて、硬貨表面の凹凸を浮かび上がらせ、陰影の画像情報から判別する機能を追加した。電磁気技術と組み合わせることで、外国硬貨などの判別でも、大幅な改善が見込まれるという。また、判定要素を増やしながら、識別処理速度を毎秒約10枚と高速に保った点が特徴。画像要素を加えることで、硬貨の改鋳やデザイン変更にも対応できるという。
同社では、機能追加による価格の上昇を10万円以内にしたいとしている。アミューズメント業界でのメダル識別機などへの需要を見込み、今後2年以内の量産化を目指す。
松下電器-グループ600社の資金一括管理会社をオランダに設立-
(2006/03/28 日経・CNET)
松下電器産業は27日、国内外のグループ会社約600社の資金を一括管理するシステムを導入すると発表した。日本、欧州、アジアなど地域単位で管理してきたが、オランダに金融の統括会社を設立し、600社の出入金や為替などの取引と情報を集約。金融取引のコストを減らすほか、不振事業の素早い見直しなど経営判断のスピードアップにつなげる。
グループの金融取引を集約し資金効率を高める動きは広がっているが、600社に上る子会社を網羅するのは珍しい。
金融統括会社「Panasonic Global Treasury Center B.V.」の資本金は5億米ドル(約580億円)。円と米ドル、ユーロによる出入金や預金残高、通貨保有高、グループ内の資金の貸し付けや借り入れ、出資状況の情報を集約。預金、借り入れ、為替予約などの取引も一元化する。設立は5月で、9月より活動を開始する予定。松下電器産業本社の連結子会社となる予定。
また、新会社の設立に併せて、グローバル24時間稼動の財務取引システムを新たに開発、導入することにより、松下グループにおける財務取引の効率化を狙う。
さらに、金融機関間における金融取引のグローバルなデータ交換を行うSWIFT(Society For Worldwide nterbank Financial Telecommunication)サービスを日本の事業法人として初めて導入する。これにより、グループ会社の銀行口座残高情報や入出金情報の収集、銀行送金指示、為替予約内容の確認などの効率化に取り組む方針。
これらの取組みにより、約600社の国内外グループ会社をつなぐグローバルな財務インフラを構築し、連結キャッシュフロー経営を強化する。
松下電器-ラジオ電波による誤作動でガスコンロ新商品を発売中止へ-
(2006/03/28 日経エレクトロニクス・読売新聞・日経)
松下電器産業は、「特殊な設置条件下で外部からの雑音により誤作動を生じる」として、システムキッチンに組み込むビルトインガスコンロ「GE-NF751」「GE-NF601」の発売を中止した。誤作動は開発の最終段階で明らかになったとする。
このガスコンロは、天板ガラスに触れるだけで微弱な電流を感知して操作できる。ところがモニター調査段階で、本体につながるガス管が「アンテナ」代わりとなってAMラジオの電波が機器内に入り、制御不能を引き起こす事例が1件発生したため、2月21日の発売予定を延期していた。
発売を中止した2機種は、2005年11月18日に発表したもので、2006年2月21日に発売する予定だった。
今回の誤作動との因果関係について現時点では松下電器産業に確認を取れていないが、発表時のリリース資料によれば、これらの製品には業界初という2つの機能を盛り込んでいる。1つは「ガラスタッチ式天面操作」で、火加減調節などの操作部分を天面ガラスに一体化したもの。ボタン部分に軽く触れるだけで操作ができるという。もう1つは「スパイラルバーナー」で、炎が面状になるため、鍋底全面を加熱でき焼きムラが少ないとする。
現在販売している同社のほかのビルトインガスコンロは制御部の構造が異なっており、問題は生じないとしている。