サジッタ&清史郎の部屋

相棒3頭と暮らす馬日記

後肢旋回の指導

2005-11-19 14:52:02 | コーチとして
私自身馬歴が30年になるのですが、後肢旋回が下手くそでした。後肢旋回が下手くそということは、当然に横歩も下手くそでした。

横歩が下手くそ(肩内・腰内にも共通)だった理由は明快で、進行方向に対する馬体のベンドばかりに囚われて内方脚の推進を疎かにしていたからです。斜横歩の場合だと内方の推進脚が進行方向と一致しますから内方脚の推進不足にはなりにくいのですが、肩内・横歩などは明らかに外方脚で押していました。

理論的には内方脚の推進無くして良好な横歩は出来ない事も判っていたのですが、出来ないものは出来ないだったのです。

しかし国体前にO坂先生のレッスンを受けて、内方脚の位置が後ろ過ぎる事を厳しく指導いただき、前で前でと意識するようになったことと、進行方向へのベンドを手綱に頼らず内方脚で支えることが出来始めてからは横歩が嘘のように楽になってきました。
肩内・横歩が楽になってくると、関連扶助ですので後肢旋回も楽になって来て、30年来のもやもやが晴れた感じです。

さて、自分が出来るようになったら当然に私の管理下にある美子も上達させないといけませんが、出来る馬に乗っても普通に出来ないのが馬術。後肢旋回を要求しているのに半巻き崩れになったり、後駆が腰から逃げて前肢旋回崩れになったりとグチャグチャです。

後肢旋回について(常歩)

O坂先生の指導では、旋回方向へしっかり首を曲げ、上体の重心をやや内方へ落としながら内方脚でベンドを支え、後は内方脚で1歩1歩推しながら、内方開き手綱気味で旋回、です。

H岡パパ様は、『後肢旋回とは、前へ進め! 前へ行くな! と言う扶助ですよ。』と今年の夏にお話したことがあります。

それでは美子に対する指導ですが、内方脚を主な推進脚にして旋回できる技術があればO坂先生の扶助を指導するのですが、それは無理。
だから今日の指導では、『前へ行け、前へ行くな』を徹底でした。後肢旋回をしたいのに半巻きになるのは、前肢旋回が上手く出来ない時と理屈は同じで、馬がハミに対して真っ直ぐ進んでしまっているからです。そこで美子を下馬させて私が載り替わり半巻きと後肢旋回を代わりばんこに繰り返しながら、『ハミに直進している状態だから半巻きになる、前に行け前に行くなの状態だから後肢旋回が出来る』と説明してやりました。
自分で言っていながら ハタ!と気づいたのですが、本当に『前へ行け、前へ行くな』を強烈に行なった場合、馬はパニックを起こすのではないか?です。『前へ行け! 前へ行くな!』で溜め込んだエネルギーはどこかへ逃がしてやらなければならないはずです。それを私たちは、当たり前のように旋回エネルギーに変えていたのですが、初心者では判らなかったのです。
だから、『前へ行け、前へ行くなの扶助で半停止をきっちり行い、内方脚で馬を前進させることを忘れないで、外方脚をしっかり使って1歩1歩首を先行させながら
溜めた力を旋回動作に変えてごらん』となったのです。

これは何とか成功です。
今日の今日まで後肢旋回が全く出来なかった美子が、たどたどしい、自信無げな動きでは有りましたが出来始めたのです。
これが出来始めたら、逆応用で肩内や横歩が楽になるのではないかと思いますが、今日のところは Time Up でした。

明日は出来るかな? 期待するぞ~

追伸です
もしも私の記事が参考になって、運動が改善した方がいらっしゃいましたら、是非ともコメントを~。
コメント
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