サジッタ&清史郎の部屋

相棒3頭と暮らす馬日記

今朝は朝から雨です

2005-11-06 12:02:29 | コーチとして
ゆっくりとパソコンに向かう時間が出来ましたので、国体で感じたことを含めて少々。

国体までの半年、サクセスに乗っていて非常に乗りにくかったこと、裏返せばHさんが乗っていてもイレギュラーしたり膠着したりする原因にハミ受けの悪さがありました。
特に右手前のはみ受けは最悪で、ハミを全く押さないのです。ですから速歩の1歩目で強く推進するとイレギュラーする。私が乗った場合には脚で強く推進し、推進によって馬をハミに押し出す。準備段階での速歩運動はほどほどとして、駈歩運動に多くの時間をかけ、ハミに馬が出てきたところで速歩運動に戻すという、邪道でごまかしていたのです。サクセスの基本的なはみ受けの改善は、国体で中俣さんの乗り方というか、グゥァデループやイリキリアンのハミの状態を見るまでもなく、国体が終わって基礎トレーニングの時間がたっぷり取れる11月以後に必ずやらなければならないと感じていたことでした。確信を持ってやらねばならないと思っていたことでありますが、目の前で『その作業が完成して後はこのようになるのですよ・・・』とBefore Afterをはっきりと、明快に見せていただいて、以後の作業工程がすっきり整理できました。

さて、では中俣さんの乗り方というか、馬のハミの状態のどこを見て何を感じたかです。それと同時に、自分の考えが決定的に間違っていたことを感じたかです。
此処に書いていることは、あるレベル以上の方にとっては当たり前のことで、ブログという公開性の高い場所で新発見のように書いている私のレベルの低さをお笑いになる方は当然いらっしゃるでしょうし、母校馬術部OB会のブログにもリンクしている関係で先輩・後輩諸氏に自分のレベルを曝け出すことで、若干の抵抗があるのですが、以後の私が作った馬を見ていただくことで一時の恥は・・・、です。

中俣さんがグゥァデループやイリキリアンに乗って準備運動をなさっておられた時の特徴は、大勒は握らないで馬の首に残したまま水勒だけで運動していらっしゃった。しかもそのハミは、前下方に強力に支持していて、伸び伸びと悠々とと言うよりも手綱はピーンと張っていて馬の方からしっかりとハミを取りに行っていることが見て取れた。
少し違った状態で、前の2頭に柔軟性が加わったのが香川から出てきた同級生のN君のルソーⅧで、騎手が坐骨を張ってバランスバックを要求していないと、逆に言えば坐骨が張れていなくて馬が人間を認めてくれない状態ではストレッチ運動に勝手に移行され、ハミを思いっきり地面近くまで持っていかれていた。
ハミの重さと言うか潔癖性の部分では三好由里子さんのモナミの運動を見ても感じたのですが、強力にハミを支持しているからこそ、強烈に坐骨を張ってバランスバックする必要が生じてくるのだと改めて思いました。

私の大きな勘違いはであり間違っていたことは、馬場馬術はハミが軽くないといけないと錯覚し、馬がハミに強く支持しし始めたらハミを抜いていたこと。確かに究極の収縮状態ではハミは羽毛のように軽くなり、伝説の世界にある【絹糸乗り】となるのでしょうが、素人が陥り易い間違いも伝説が伝説である所以でしょう。

サクセスは国体のインスペクションでも問題にされた右前肢の怪我治療に専念するため、現在は瀬野川乗馬クラブに帰りましたが、私の思考変化は清史郎と清兎の状態改善に大きく役立っています。
清史郎の変化がどこで、清兎の変化がどこかは別の機会としますが、前下方に強力に支持させることが結局は様々な次の段階の運動への近道であることを感じています。
清陽については装蹄も含めて運動する状態への準備中ですが、一度常歩だけ乗ったときにハミの支持がズブズブでしたので、これも全く同じ考え方で再調整です。
馬の調教、選手の指導と同時進行ですが、来年の夏には岡山国体馬場馬術競技で使用した馬を含めたヨーロッパの馬場馬2頭を譲り受けた岡山大学が待ち構えています。相手にとって不足なしと言うか、天と地ほど違う馬とどこまで競えるか楽しみです。明快な目標があると燃えますね。お陰さまで、テンションが落ちる冬に向かってもモチベーションの維持が楽ですよ。
コメント
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