湘南ファイブ通信

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藤沢市情報公開審査会、武田薬品研究所の墨塗り排水水量図、「公開すべし」と答申

2012-03-10 18:04:41 | 環境問題
藤沢市情報公開審査会、
   武田薬品研究所の墨塗り系統別排水水量図、「公開すべし」と答申



市民から情報公開が求められていた武田薬品研究所の墨塗り系統別水量図(下図参照)が、3月1日、藤沢市情報公開審査会(安富潔会長)より「公開すべき」との答申がだされた。
武田薬品は「企業機密がもれる」と公開を拒否していたが、審査会は、「公開することにより当該法人の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるということについて、具体的にどのような権利利益を損なうのかが説明されたとまではいえず、公開することができない理由が認められない。」と断じ「公開すべき」との判断にいたったものである。
武田薬品研究所は、創薬、バイオ・遺伝子組み換え、RI、動物実験を行う巨大な研究所で在り、ここから排出される4000m3もの廃水が環境や住民の健康に与える公害を懸念し、市民が2010年以来情報公開を求めていたものである
この答申によって直ちに当該系統別水量図が公開されるのかと思いきや、藤沢市市民相談情報センターの話によると、次の2つの関門をクリヤーしなければならないとのことである。
1、情報公開を拒否した藤沢市環境部で再度情報公開するかどうか審議し決定する。(審査機関約1ヶ月) 
2、市が公開を決定しても、武田薬品が2週間以内に異議申立の裁判を起こせば公開出来ない。
というものである。
福島原発事故の際、事故処理の墨塗り手順書が、役所や東電の拒否に寄って、なかなか中味が公開されなかったように、武田薬品の墨塗り廃水系統別水量図も実際公開されるか予断を許さない。藤沢市環境部や武田薬品研究所の抵抗に寄って、公開が阻止されることも懸念される。
さいわい、藤沢市では2月に市長選があり、これまで公開を拒否してきた海老根市政が変わり、市民の声を市政に活かす鈴木市長に代わったばかりである。新市長がこうした市民の情報公開に積極的に応じるよう強く望むものであり、ましてや市が任命した情報公開審査会が「公開すべき」と判断したものを、市がこれを覆すようなことがあってはならない。

(答申書全文は、藤沢市情報公開審査会答申一覧 第31号を開いて見て下さい)

<墨塗り部分の公開を求めている武田薬品研究所の排水系統別水量図>
   

<墨塗り部分が公開された武田薬品研究所の排水系統別水量図>