*ご注意*
*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。*
一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。腐女子や同人誌の意味をご理解頂けた方だけ此処から先へどうぞ。
眩暈 (41)
眩暈 (42)
片桐は歩き屋敷の庭の池を見ている民谷の傍に行くと民谷は片桐が来た事を知り振り向いた。
「片桐さん、いらしゃい。今日はお疲れ様でした。」
「今日は函南君達と楽しく過ごせました。」
「Love a La MoDe.と言うスイーツを召し上がりましたか??実は私も以前に家内が買って来て2人で半分にして食べたのですが2口3口食べたら満足して勘弁してくれと家内に言ったらわざわざと買って来たのだからの半分は絶対に食べてと真剣に言われて死に物狂いで半分を完食しましたよ。」
「まぁ、旦那さん思いな奥様ですね。」
「あんまりにも真剣な顔をして私に食べる様に言うので家内に理由を聞きましたよ。したらその、Love a La MoDe.を完食した2人はいつまでも仲良く過ごせると言う話しを聞き私は呆れてしまいましたが食べないと寝かせて貰えなそうなのでお茶でどうにか飲み流し込み食べました。」
片桐は民谷と細君のやり取りが想像つく民谷に微笑んだ。民谷もその話しをしているがけして嫌な表情ではなくむしろ嬉しいそうな表情であった。
「私が食べ終わると家内ははしゃいで喜んでいたのでまぁ良しとしましたが…あの半分の量はキツイですな。」
「そうですね。僕も一つの半分の半分で足りました。次は食べたいと思いません。」
「私も片桐さんと同じ意見ですよ。したら家内はLove a La MoDe.を気に入りまた食べたいと言うので立て続けに買って食べたら霊験あらたかさが薄れてしまうと家内に言ったら納得してくれました。」
「女性と男性の違いと言うのでしょうか。」
「私もそう思いましたよ。私は飯窪さん達にお願いしているのですが、お屋敷にいらしゃたお客様が召し上がってまたスイーツに逢いたくなる様なスイーツを作ってくださいなと。」
「逢いたくなる??」
「えぇ、難しい要望に聞こえますが基本的な事を忠実に守り美味しいものを作って欲しいと言う意味なんです。」
「基本的な事??」
「スイーツの見た目の美しさも確かに重要ですが一つ一つの素材を生かし元となる材料や使う調味料などにこだわって欲しいと私はそう考えています。売上を伸ばす為にコストを抑え過ぎて使用するもの品質を何もかも下げたら所詮はその程度のものしか作れません。」
「はい。」
「スイーツもそうですがお蔭様でもてなす接客もお客様にご満足頂けてお屋敷も繁盛して賑わっております。」
池の水面に木の葉が浮かんで風をうけて漂う、それを民谷は木の葉を見つめる。民谷が立って居る池の淵にやがて漂い流れつく。
民谷は屈み込むその木の葉を手で掬いあげて掌の木の葉を見つめながら片桐に語りかける。
「片桐さん、ナギの木をご存知でしょうか??」
「ナギの木ですか??よく神社に植えられていると聞きますが。」
「はい、このお屋敷にもナギの木を植えてあるんですよ。私がこのお屋敷に勤めて始めた時に植樹したのです。」
「民谷さんがですか。」
「はい、ナギの木には古来より言い伝えがあります。それはですね。」
そう言うと民谷は屈み込み手にした木の葉を池に戻し立ち上がり民谷は青々と葉が生い茂った木に近付き木の葉を切り再び片桐の方へ戻って来て片桐に木の葉を手渡す。
「片桐さん、木の葉の先と端っこを引っ張る様に両手で持ってみてください。」
片桐は民谷が言う通りに木の葉を両手で引っ張る様に持つ。
「力を込めて木の葉を引っ張ってください。」
力を込めて引っ張っても木の葉は切れる事がない。片桐は不思議になり引っ張ると民谷が教えてくれた。
「それがナギの木が縁結びの木として今もなお言い伝えられている由縁でもありますよ。 確かに真ん中から切れば葉は切れてしまいますがナギの葉は引っ張られても切れません。 それでかの尼将軍と言われた北条政子も源頼朝と結ばれる様に、お守りがわりに自分の鏡の下に忍ばせて願いが成就しめでたく源頼朝と結ばれたとの事です。 時は平家が栄華を極め勢力を拡大し…源方は影を潜めており北条政子も、親が決めた策略の為に平家に嫁がさせられそうになり源頼朝を愛し自らの意思で危機を乗り越えました。」
「そうでしたか、僕も始めて聞きました。」
「北条政子は尼将軍として采配を奮い自分の権力を保持する為に実の息子さえも死に追いやったとも言われてますね。」
「そんな事は僕には絶対に出来ません。」
「そんな北条政子も恋愛をし愛する源頼朝と結ばれる様にこのナギの葉に願いを篭めと言われておりますね。恋愛は不確かで難しいものですな。」
片桐は民谷の話しを聞き終わり池を漂う木の葉は眺め想う。木の葉は水面が風を受けてあてどもなく揺られて漂う。
眩暈 (42)