もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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眩惑 (22) 鬼畜眼鏡 片桐 end No.11その後偽造編 キクチマーケティングサイド

2009-10-23 21:42:21 | 腐女子の御伴
         *ご注意*


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一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。腐女子や同人誌の意味をご理解頂けた方だけ此処から先へどうぞ。




眩惑 (21)


         眩惑 (22)



週末が過ぎて月曜となり霧島はいつもの様に起きてに窓のカーテンを開けて、天候の唄を歌いペットボトルのミネラルウォーターを飲み出社の支度を済ませ出勤をした。

キクチマーケティングの通用口に着くと月曜日は週初めで、いつもの如く霧島は読み終えた新聞を返しに総務課へ向かい営業8課に戻ると、日曜の疲れを引きずった疲れた表情をして出社して来た重役達とすれ違う。

「霧島副主任さん、おはようございます。昨日は社内のゴルフコンペでいやはや疲れましたよ。」

「あぁ、まだあんな遊びをしてらしゃいましたか。私にはあれからお誘いのお話しも来てませんね。無理せずお楽しみください。」

「良かったら、また参加してくださいよ。」

そう言うと汗くささと都合悪そうに重役は通り過ぎて行った。霧島も社内ゴルフコンペに参加したが、初参戦にして完璧なスコアを出してしまいそれから呼ばれていない。

他の重役や社員達はゴルフウェアで身を固めて形だけは良かったが、どれもこれも腕が悪くそれでも出世の為にゴルフコンペに参加している。

霧島は、いつものスーツ姿で現れてどのコースも完璧でホールインワンに近い成績で圧勝してしまい他の参加者は呆然としてしまい勝負にならずつまらなかった。

打ち上げと称して夜はキャバクラへ行き飲んだが幾ら接客業を生業として居てもキャストの女性達は初めて来客した霧島に夢中になり、キャストの女性達を霧島が逆に上手に扱うので頼んでもないのに霧島にべったりと取り囲む様にくっついて離れず大変だった。尚更、男性陣はひがみ妬く。

「前回は遇えてホールインワンを出すのを止めたのですが、今度は全コースをホールインワンでも決めて差し上げましょうかね。うふふ。」

霧島はそう1人笑い営業8課のオフィスへ戻って行く。そんな週初めで霧島は気楽であったいつもの様に、今週も何もなく終わると思っていたが霧島に思いも因らぬ受難が降り注ぐ事になる。月曜日は穏やかに終えて火曜日にそれは静かに幕をあげた。

いつも様に霧島は御堂の執務室へ向かうと御堂は苦悩に満ちた表情でデスクチェアーに座りうなだれていた。

「どこか、お具合でも悪いのでしょうか??」

「霧島…私は必要ないのか??私は…‥」

「何を申されるのですか??」

「クリスタルトラストがMGNの美容部門の子会社を買収をしようとして来て、その担当を佐伯君と指定してきて佐伯君は専門外と言い辞退しそれをクリスタルトラスト側の担当者に言うと…‥」

御堂は苦悩した顔を霧島に見せたくないのかデスクに肘をつき両手で顔を覆い隠す。霧島は御堂の尋常ではないうろたえぶりを初めて見て御堂に何かあったと察する。

「御堂部長…‥私に詳しくお話しくださいませ。」

「したら、クリスタルトラスト側は何と言うかと思えば、再度、佐伯君に通達し取引に応じなければキクチマーケティングの営業8課の副主任をリストラすると…‥ 」

「私を??」

「そんな馬鹿げた話しを応じる訳ないと私は上層部に言えば子会社の1人や2人気にする事がないと大隈専務までも賛同して…‥霧島をキクチマーケティングへ人事異動をさせたのは、私を面白く思ってない連中が大隈専務に取り次いたと私はよく分かった。」

「何故、専門外の佐伯君をわざわざ指定して来たのかが謎ですね。それについては、何かクリスタルトラストに取って有意な事があるのでしょうか??」

「佐伯君に私はクリスタルトラストの買収担当者の、名前を言ったが知らないと言うばかりで彼は辞退した。」

「彼は上司である貴方の命令を聞かなければならないと言うのに…」

霧島は契約が結べなくっても御堂の傍に居れれば良いと思っていたその矢先に、キクチマーケティングへ人事異動で今度はリストラと言う展開になり御堂との接点が完全に消失する事になると覚悟をする。

大隈専務も御堂を可愛がっていたが若くして実力もあり、御堂にいつかは追い抜かれるのが恐いのだろうと霧島は察した。

「もう1度、彼に佐伯君に頼んで対処はする。霧島…私はお前を手放したくはない、出来れば私の元に戻したいのだ。」

「孝典様…」

霧島は御堂に今すぐに膝まつき契約を請い結びたいが、自分は最後まで御堂の信じて居る御堂の知っている霧島として居る事にした。

霧島は御堂の為であれば屍を累々と幾ら重ね積み上げ様が構わない、御堂はそれを望まない事も知っている。御堂と霧島の間には重圧と沈黙が支配し時計の針の音が時を刻む。

「私もそう思っておりましたよ。でも、それも叶わないのなら私は貴方の元を去るのみです。」

「霧島…私は‥」

「佐伯君に委ねましょう。さぁ、お仕事をなさいましょう。」

霧島に促されて御堂は無言で頷き仕事の続きを始めた。




眩惑 (23)