*ご注意*
*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。*
一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。腐女子や同人誌の意味をご理解頂けた方だけ此処から先へどうぞ。
眩惑 (5)
眩惑 (6)
霧島自ら岩永の口紅を見立てると言い出し始めは遠慮して居た岩永も霧島の好意を嬉しく感じたらしくデパートの化粧品売り場で口紅を選び始める。
「口紅だけでこんなにあるもんですか??どれもこれもカラフルだなぁ。」
各ショップには新作の化粧品のポップやポスターが飾られ本多は化粧品をまじまじと見て驚く。
「このラメ入りがお気に入りですか??プライベートの時には良いですがお勤めにはお勧めはしませんね。総務部の淡谷さんのチェックは厳しいはずですよ。」
霧島が言うMGNの総務部の淡谷とは女性社員で総務部の主任でお局様と呼ばれて居て仕事は出来るが総務部の女子や他の部門からは大変恐れられている人物でMGNの内部では有名な人物である。
「私には特に何も意味もないし、厭味は言わないけど??」
「淡谷さんは仕事をきちんと出来る方には言わない方ですから。」
赤色は岩永のお好みに合わないと知り霧島はピンク系とオレンジ系の口紅を買い岩永が欲しがったチョコレートと言うカラーのリキッドの口ラメ入り口紅も購入した。
「ほんとにこんなに買って貰って良いの??」
「いつも同じ色の化粧では飽きてしまうので気分や出掛ける場所に合わせて化粧をするとまた良いと思います。」
「霧島副主任は俺なんかよりも化粧品の事を詳しいですよ。」
「まぁ、色々と。」
「明日から使わせて戴きますわね。」
「貴女のお気に召せば嬉しいですよ。」
岩永が腕時計を見ると時刻は思ったよりも過ぎていて19時半となっている。手提げの紙バックを霧島が持ち3人はデパートの化粧品売り場を後にし有楽町駅の陸橋ガード下の飲み屋へ向かう。
本多は霧島と岩永の後ろを歩く岩永に歳を聞くのは失礼なので聞けないが見たとろ30歳前ぐらいには見える。霧島も実年齢よりも歳若く見えるので美男子と美女のカップルを道を通り過ぎる人が見ている。
「これから向かうお店は、どんなお店なの本多さん??」
「岩永さんには似合わないかも知れないけど、イイ感じの古臭さい飲み屋です。」
「古臭さい??」
「貴女からすれば懐かしく感じると思いますね。」
岩永はキョロキョロと有楽町の町並みを興味津々と見ていて本多は地方から出て来たばっかりと思う。
「たった百何十年でこうも変わるとは…」
そう言うと岩永はまた淋しげな瞳になりため息をつく。本多はさっきからそれが気にはなるが、失恋の痛手を負ったのかも知れないと思い恋愛の話題は避ける事にする。
暫く銀座から歩くと有楽町に着き目的の陸橋ガード下の飲み屋に着くと小さな店のからは賑やかな声が聞こえ霧島は店の引き戸を開けて岩永が店内に入るそれに続き本多も店に入り引き戸を閉めて霧島も入る。
店内は狭くカウンター席と店内には辛うじてテーブル席はあるがの間隔がなく狭い店内の割に人口密度でみっしりとした大衆飲み屋で繁盛しているが店内はまるで一昔の昭和にタイムスリップした雰囲気な店。
女性同士の客は居るが大半はスーツ姿の年相応な客層男性が占めている。岩永を見て店主が愛想よく声をかけてきた。
「おぉ、霧島さん、いらしゃい。こんな綺麗なお嬢さんを案内するなんて隅には置けないねぇ。」
岩永はそう言われて店の店主に挨拶をして微笑はするが、あまり嬉しくない様子だったが店主は初めてで緊張していると取り機嫌は良い。
「まぁ、お嬢さん、そんな緊張せずに。」
霧島はそんな岩永を見つめてこう言う。
「貴女の美貌は世々に渡り人間を魅了する。この私でさえも貴女に甘い。」
「もう、あんな事はイヤなだけ…」
霧島の言葉に首を傾げる本多だったが岩永は確かに目を引く容貌はしている。
そう言うと霧島は岩永を抱き寄せ内ポケットからハンカチを取り出し岩永にハンカチを渡すと岩永はハンカチで目頭を抑える。霧島はそのまま岩永を店内の1番奥のテーブル席に連れて行く。
2人の後ろを歩き本多はさっきまでは霧島の奢りで飲むと意気揚々としていたが岩永のなんとも淋しげで儚げな言動を見て意気消沈気味でテーブル席に座る。
霧島が岩永に接していると岩永も笑顔に取り戻し場の雰囲気も良くなり本多も談笑をし始めると楽しくなり霧島の財布を心配する事なく飲み食いをした。
眩惑 (7)