阪神間で暮らす

テレビを持たず、ラジオを聞きながら新聞を読んでます

I am not Abe.   安倍改憲論は森友そらし

2017-05-09 | 日記




 世界に対し、安倍首相がやっていることが本当の日本の姿じゃないと思い、 『 I am not Abe、 』 と声をあげる。


  「私や妻が関係していたということになれば、まさにこれは、もう私は総理大臣も、そりゃもう、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきりと申し上げておきたい」


  14年の選挙の時は『来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。私はそう決意しています。』 と言っていた。


  元官僚の古賀茂明氏は氏の著書「国家の暴走」に安倍首相の事を
  「この人物は、いとも簡単に、しかも堂々と、嘘をつける人間なのだ。」 と書いている。


 安倍政権が進めるアメリカのためのTPP批准に反対します。


  忘れていませんよ、12年の選挙時に貼られたポスター、どうなっているでしょう。
  言っている事とやっていることがさかさま。安倍自民は単にアメリカの隷属政党。

  「日本を耕す自民党」と言うのは外資に対し日本から搾取しやすいようにする。事か?
  「ウソつかない。」自体が嘘



  TPP、ISD条項で日本の国家主権は破壊されコングロマリットの餌食に
  

  農業だけじゃないよ、食料、医療、特許、環境、労働、投資、衛生植物検疫、越境サービス など21分野

  自民党が2012年暮れの衆議院選挙で公約したTPPに関して、自民党のウェッブをチェックしよう。

   
 拡大すると
   



 安倍政権の進めるアメリカのための戦争法施行および帝国憲法への改憲に反対します。



 〈あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。世界によって自分が変えられないようにするためである〉ガンジー

 〈一番こわいものはテロリストでも大不況でもなく、いつの間にか私たちがいろいろなことに疑問を持つのをやめ、気づいた時には声すら自由に出せない社会が作られてしまうことの方かもしれません〉アメリカで医療破産したある女性(堤未果、ルポ貧困大国アメリカⅡより)




 05/09(火)

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安倍改憲論は森友そらし  【日刊スポーツ】

 ★自民党ベテラン議員が言う。「首相・安倍晋三の改憲スケジュールと9条改正発言に自民党が沈黙していることをとがめているようだが、新聞のインタビューと改憲勢力の会合のビデオで発言しただけだろ。首相の対応としては踏み込みすぎだが、改憲は安倍のライフワークだから。憲法記念日ぐらいあのくらい言いたいだろ」。党内の落ち着きは現実的ではないという余裕なのだろうか。

 ★別の自民党議員は「背景には森友学園疑惑がある」と指摘する。「小学校設立のため森友学園前理事長・籠池泰典が理事長時代に財務省を訪問した際の会話の録音に首相が衝撃を受けたのだろう。何しろ自身や夫人、事務所が関与していたら首相どころか議員も辞めると国会でたんかを切ってるからね」。籠池は録音の中身を「財務省が学園との借地契約を『特例だった』と説明していた」と暴露したためだ。今後もこんなものがぽろぽろと出てくる不安は強いストレスを生むだろう。

 ★つまり改憲論をぶち上げ、野党とメディアの関心を引き付けるのが目的。北朝鮮有事は御用評論家たちがあおりすぎたものの旬を過ぎ、次の“とびつくもの”を与えられたということだろう。それによって森友学園疑惑に割く人材と時間が減ることを首相が目的の1つにしたと言うのならば、憲法も随分と薄っぺらい扱いだ。財務省理財局長の佐川宣寿はこの録音について、8日の衆院予算委で「本物」と認めたが、「法令に従って対応した」と特別扱いは否定した。この財務省のなりふり構わぬ忖度(そんたく)どころか保身は、もう痛々しい。騒ぐ野党と沈黙する与党。安倍を知るとこんな対応になるということか。
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 野党も野党だが森友で沈黙するメディアが最悪。
 


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市民運動を弾圧するにはもってこいの犯罪が含まれている  【日刊ゲンダイ】
 共謀罪 安倍政権のペテンを糺す 弁護士小口幸人氏

 政府は、対象が組織的犯罪集団に限定されているから、一般人は対象にならないと強調しています。しかし、残念ながらそういう内容にはなっていないと言わざるを得ません。

 法案では、組織的犯罪集団という言葉を、「団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が犯罪を実行することにあるもの」と定義しています。「犯罪を実行することを目的とする団体」というと、もの凄く限定されている印象を受け、暴力団等を真っ先に思い浮かべると思いますが、果たしてそうでしょうか。

 昨年11月、沖縄では、米軍基地のゲートにコンクリートブロックを積んだとして、多くの人が威力業務妨害で逮捕されました。うち3人は長期間拘束され起訴もされています。他にも米軍基地関係では、ツバがあたった、車を加速させた等として、公務執行妨害等で逮捕されることが繰り返されています。

 何が犯罪に当たるかは一義的には捜査機関、つまり警察が決めるというのが日本の刑事手続きです。捜査機関が、コンクリートブロックを組織的に積む行為が犯罪だと判断すれば、新基地建設を阻止することを目的とする団体は組織的犯罪集団とされる恐れがあります。

 この恐れは絵空事でも何でもありません。共謀罪の対象犯罪には「組織的威力業務妨害罪」という、テロ対策にはおよそ必要なさそうだけれど、市民運動を弾圧するにはもってこいの犯罪が含まれています。

 実際、国会では、2016年に沖縄県東村高江で行われたオスプレイパッド建設のための土砂搬入を阻止する活動が、共謀罪の対象になり得るかかが審議され、法務大臣はこれを否定しませんでした。
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 つまり権力に対するものは一網打尽に排除する、という法律、あなたも対象になる可能性は大。
 だれが密告するかわからない、どこに盗聴器が仕掛けてあるかわからない、自分の罪を軽くしようと無実の人間を司法取引に利用しようとする犯罪者。
 疑心暗鬼の暗黒の世界にしていいのか。
 


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CIA支援で韓国大統領へ “親北反日”文在寅政権の重大影響  【日刊ゲンダイ】

■ノルウェーで米朝極秘協議も進行

 原子力空母カール・ビンソンを朝鮮半島に派遣し、B1爆撃機を飛ばす。北朝鮮を脅し続けてきたトランプ大統領がこのところ、金正恩への態度を軟化させている。米メディアの取材に「彼は明らかにかなり頭の切れる人物だ」と持ち上げたり、「状況が適切なら金正恩委員長に会う」とも発言。トランプの心変わりを裏付けるかのように、米朝が急接近している。ノルウェーで9日(現地時間)まで極秘協議。北朝鮮からは外務省の崔善姫北米局長、米国側はクリントン政権時代の元高官をはじめ民間有識者らが参加している。

 朝鮮半島情勢に詳しいジャーナリストの太刀川正樹氏は言う。

 「オバマ政権時代から続く非公式協議の一環ではありますが、この時期の開催は米朝ともに緊張緩和に向けた落としどころを探り、対話への道筋をつけようと焦りを募らせているからでしょう。妄想が強く、予測不能な行動を取るトランプ大統領と金正恩委員長は似た者同士。表では大声を張り上げて相手を威嚇しますが、裏では条件闘争に血眼になっているのです。選挙期間中の韓国では珍しく、北朝鮮の暴走に脅える空気はまったくありません」

 北朝鮮の脅威をあおり、二言目には「強固な日米同盟」「日米韓の緊密な連携」と口にしてきた安倍首相だが、完全に蚊帳の外。日韓も日朝も関係グチャグチャ必至だ。
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 現実主義の米国?なりふり構わずの自由主義押し付けじゃなかったの?
 それにしてもみじめなのは安倍自公政権、こうなったら日韓合意は見直しだろう。
 


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籠池前理事長「歯に何かに挟まった感じ」首相答弁  【日刊スポーツ】

 学校法人「森友学園」の籠池泰典前理事長は8日、衆院予算委員会の集中審議を傍聴後、取材に応じ「(学園への)支援は全くしていない」などと答弁した安倍晋三首相について「歯に何か挟まったような感じだった」と不満そうに感想を述べた。

 集中審議で野党側は、籠池氏が昨年3月に財務省理財局の田村嘉啓国有財産審理室長と面会した際のやりとりを質問。佐川宣寿理財局長が「(田村室長は面会時の詳細について)『記憶にない』としている」と答弁すると、籠池氏は傍聴席で「ええっ」と不服そうに大きな声を上げた。

 午前中の審議から傍聴した籠池氏は報道陣に「重厚なやりとりだったが、政府側はしっかり答えていない」と語り、タクシーに乗って国会を後にした。
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 籠池前理事長が傍聴したのは野党が要求した籠池前理事長の参考人としての招致を自民が拒否したため傍聴したらしい。
 

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3月の給与総額、10カ月ぶり減 実質賃金も減少  【東京新聞】

 厚生労働省が9日発表した3月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、基本給や残業代などを合計した1人当たりの現金給与総額(名目賃金)は前年同月比0・4%減の27万7512円となり、10カ月ぶりに減少した。物価の影響を加味した実質賃金も前年同月比0・8%減で、2カ月ぶりの減少となった。

 厚労省は、昨年3月に基本給や特別に支払われた給与が大きく伸びた反動があったとみている。総実労働時間が1・9%減少したことも影響した。厚労省は「今後も減少傾向が続くかは4月以降の動向を注視する必要がある」としている。
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 デフレ脱却!これじゃ無理でしょう。
 オリンピック、改憲(壊憲)など言ってないで将来を安心して暮らせる社会にしないと成長はないしいつまでも成長重視じゃいけないんじゃないか。
 
 

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「共謀罪」廃案にして出直すべきだ  【神奈川新聞】

 権力による乱用が懸念されている「共謀罪」(テロ等準備罪)ほうあんのこっかいしんぎがしょうねんばをむかえる。政府与党は今国会中の成立を目指すが、金田勝年法相らの答弁を聞く限り、捜査機関による恣意(しい)的な運用、監視社会の強化といった疑念が消えない。

 自民党は同法案の閣議決定後、所属議員に対し「『テロ等準備罪』について」という資料を送付した。地元支持者への説明などに使う参考資料だが、都合のいい解釈や詭弁(きべん)が目に付く。

 共謀罪は犯罪を計画した段階で処罰できる。ゆえに人々の内心にまで権力が踏み込む恐れがある。

 自民党の資料では例えば、その対象となる「犯罪主体」を(テロ集団・暴力団・麻薬密売・人身売買など、重大な犯罪の実行を目的とする組織的犯罪集団)と例示する。

 だが、法分譲は「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と定める。つまり主体の定義が不明確で。あらゆる集団が対象になりうると言う抜け穴が存在する。

 しかも、「組織的犯罪集団」には事前の指定や認定がひつ米内。必要ない。組織が犯罪集団に一変したとする判断は捜査機関に委ねられている。捜査機関が怪しいと見込みさえすれば、逮捕や拘留など強制捜査の対象となり得よう。

 法文があいまいで恣意的に解釈できるため、反原発や反基地など政府の意に沿わない活動をする一般市民や団体に矛先が向かわないとは言い切れない。ところが、資料は(一般の方々が処罰の対象になる事はありません)と断言する。

 また、対象犯罪の選定も不可解な点が多い。277に上る犯罪にはテロとはおよそ無縁で非現実的なものも含まれる。一方で、本来必要であるはずのものが抜け落ちている。

 例えば、「特別公務員職権乱用(らんよう)罪」や「特別公務員暴力陵虐罪」「公職選挙法違反罪」などだ。要するに、公権力を私物化するような犯罪類型が除かれている。こうした権力側に有利で、一貫性に欠けるのも共謀罪の特徴である。

 しかし、自民資料はちぐはぐな法律の立て付けには目をつぶり、必要性のみを強調する。与党議員は良心に立ち返り、法案に潜む危険性、落とし穴に目を凝らしてほしい。強行採決に持ち込むような事態などあってはならない。むしろ廃案にして出直すべきである。
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 与党議員・ゆ党議員、聞く耳を持っているのか。
 次の選挙を考えると党には逆らえないなどと言ってこんな法律を通してしまったら日本はおしまいだ。
 権力側を取り締まる法律が入ってないなんてまさに安倍政権の本質が出ている。
 これが通れば加計学園問題も森友学園も素通りだ。それどころか追求した側が捕まってしまう。
 市民運動が対称なのは沖縄高江の現状を見れ明らか、微罪で5か月独房での拘留、靴下さえ差し入れさせない、etc。





 Twitterコーナー、ご参考に

 慶應義塾大学経済学部の金子勝教授のツイッター

 元外務省国際情報局局長、元防衛大学校人文社会科学群学群長の
    孫崎享氏のツイッター

 自由党の 小沢一郎事務所のツイッター

 社民党参議院議員 福島みずほ氏のツイッター

 東京新聞 政治部のツイッター

 東京新聞 ほっとwebのツイッター

 市民連合のツイッター

 関西市民連合のツイッター

 SADL大阪のツイッター

 上智大学 中野晃一教授のツイッター

 法政大学法学部 山口二郎教授のツイッター


 その他、こちらもどうぞ 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



昨日の神戸
最低気温  17.2度(05:21) 前日差-0.7度)
最高気温  25.8度(13:23) 前日差+1.7度)

  今朝の神戸最低気温  19.0度 (00:04)  6月上旬並み 平年より3.6度高かった
   、

今日の神戸の
   日の出     5時01分 (昨日 5時02分)
   日の入り   18時50分 (昨日18時50分)

       日の出は昨日より一分早く、日の入りは昨日と同じ

       

 前線はゆっくりと東へ九州にかかる、中国大陸の低気圧が黄海へ、西から雨が広がる。
     
     
 明日の朝、黄海の低気圧は日本海へ、前線は東へ移動し西から雨は上がるが東日本はまだ雨。
     
     
 今朝は曇り、山は昨日よりましだがかすむ、黄砂のかすみかPMか、お昼頃からぽつぽつと降りだす、気温はそう上がらず、しかし暑い。
 今日の神戸の最高気温は22.6度、昨日より3.2度低く、平年とは同じだった。
 明日は曇りのち晴れ、朝の最低気温は17.5度、最高気温は23.3度、夜の気温は18.3度の予報。

    
 
 




「神社」とは何なのか? アニミズムから靖国まで、神道の謎を追う

2017-05-09 | いろいろ

より

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「神社」とは何なのか? アニミズムから靖国まで、神道の謎を追う

『「神道」の虚像と実像』(著:井上寛司)レビュー



 「神道」という文字はどう発音されてきたのでしょうか、これがこの本の最初の問いです。
 ・「神道」の語はもとは中国で用いられていたのが、そのまま古代日本に導入されたもので、その読みも当初は濁音で「ジンドウ」であった。
 ・その意味するところは、「仏教下の神々をさす仏教語」である。
 ・この「神道(ジンドウ)」が室町期、14世紀ごろの日本で、清音表記による「シントウ」へと転換したのであって、それは「神」の語の集合名詞から抽象名詞への転換にともなうものであったと考えられる。

 これらを明らかにしたのはノルウェー・オスロ大学のマーク・テーウンでした。彼は「神道(シントウ)」は「自然発生的な日本固有の民族的宗教」と考えられてきた(いる?)常識の誤りを指摘したのです。

 テーウンが提起した「神道」の読みや語義の問題を踏まえて、日本の宗教全体のなかで神道がどのような位置を占め、どのような役割を担わされたかを追求したのがこの本です。また、仏教等の影響のなかで成立した神道を追求することは、そのまま日本宗教史を追求することにもなっています。極めて豊穣な1冊です。

 自然信仰(アニミズム)と思われていた神道を大きく変えていったのは「神社」の成立でした。「常設の神殿をもつ宗教施設」、神社はなぜつくられたのでしょうか。
 ──中国先進文明を代表する象徴的な存在としての寺院・仏教が本格的に導入されたことは、天皇を含む独自の特徴をもった律令制の構築をめざす「日本」にとって、それに対抗するための宗教施設の創出が不可欠、かつ緊要の課題として提起されることとなった。それが神社なのである。──
 こうした「先進文明への対抗」というのは常に「神道」にかせられた役割となっていったのです。近代以前は中国が、近代以後は西欧が、日本にとって時に学び、時に争う先進文明となりました。

 この「神社」の成立は、それ以前の「自然信仰」に大きな変化をもたらしました。八百万(やおよろず)という言い方が象徴しているように、“神”は民衆の周囲にあまねく存在するものでした。ですから神社が成立する以前は、神は精霊であり「祭礼の度ごとに神を招き降ろし、榊・岩石や人などの依代(よりしろ)に憑依(ひょうい)させることが不可欠」でした。しかし、神社はこの神を「常時本殿に鎮座するものとし」「固定化された祭神そのものが信仰の対象」とするようにさせていったのです。この「偶像崇拝的な信仰形態の成立」は「人為的・政策的なもの」だったというのはいうまでもありません。

 また、あまねく存在するものを「固着」させることは、神の中に“序列化”をもたらしました。誤解をおそれずにいえば、神社以前の神には“序列”などは存在しなかったのです。
 ──アマテラスを祭る伊勢神宮を別格とし、その下に全国の神社を官弊社と国弊社、さらにそのそれぞれを大社と小社とに区分することによって、伊勢神宮を頂点とするピラミッド形で構成された中央集権的な神社制度が成立することとなったのである。──

 律令制の成立とともに、民衆の自然信仰は、政権によって政治的・文化帝国主義的なものへと変容されていったのです。神道は決して古代から一貫した日本固有の信仰ではありませんでした。これは、井上さんがこの本でしばしば論及している柳田國男の神道観への批判につながります。

 柳田國男の神道観とは、戦前の国家神道を「偽の神道」として激しく批判する一方で、新たに「自然発生的な日本固有の民族的宗教」として神道というものを捉え返そうというものでした。いうまでもなく、戦前の「国家神道」とは“八紘一宇”あるいは“大東亜共栄圏”思想として、軍国主義・侵略主義を支えたイデオロギーとなったものです。

 柳田はかつての「偽の神道」である「国家神道」に新たな「神道」を打ち立てることで「日本固有」というものを保持しようとしたものでした。
 ──日本固有というのであれば、神祇信仰のみならず陰陽道や修験道も挙げなければならないし、仏教に関しても、浄土宗や浄土真宗・日蓮宗をはじめとして日本で独自に成立し発展を遂げた諸宗派を含め、仏教それ自体が日本的宗教として発展してきたというのが実際で、神祇信仰だけを取り出して、それを日本固有と考えることはできない。──
 柳田のいわば純粋志向は空を求めるものだったのかもしれません。日本の宗教の基本的な性格は「仏教(仏道)や神祇道・修験道・陰陽道などをそれぞれ区別しながらも、時と処に応じてそれらを適宜使い分け、ともに信仰の対象とする」ところにあります。まさしく「融通無碍な多神教」こそが基本的な性格なのです。

 この柳田神道観との対決はこの本の読みどころだと思います。また、このテーマには今に続く重要なものがあります。というのはこれは「日本固有とはなにか」ということにつながり、また、「日本文化とはなにか」につながるものだからです。

 いくら「国家神道」を排したものであっても、神道的なもの(柳田のいう神祇的なもの)がそのまま「日本固有のもの」にはなりません。それは国家神道以前の歴史をみても分かると思います。たとえば本地垂迹説により「神と仏の本質は同じ」と考えられた時代もありました。さらには儒教の影響を受けたこともあります。とりわけ仏教との共存(?)が深く民衆の信仰心に大きな影響を与えたことは、現在の日本人の宗教行動からもわかります。

 「融通無碍」といえる民衆信仰と神道に乖離をもたらせたのは明治政府でした。
 ──日本国民(臣民)は個人的にどのような宗教を信仰するかにかかわらず、すべからく「日本人」の一人として天皇への崇敬の念を持つべきであり、したがって天皇の祖先神などを祭、国家的な祭祀と儀礼の場である神社を崇拝し、氏子としてそれに奉仕しなければならない。──
 これが明治政府の基本的な考えかたです。

 「国家権力が強権的にその教義内容にまで踏みこんで宗教に厳しい統制を加え、それを政治的に利用した」のです。これは「神社を媒介とした、国家による宇宙観・世界観(コスモロジー)の独占」というものであり、現在でも靖国神社にその影響が残っています。

 かつての律令国家が神社を利用したように明治政府は神社に政治的な性格を付与しました。これは神道の「非宗教化」ともいえることです。明治政府は中央集権的国家(=近代国家)を創出するために それまで“国とは藩”であった民衆意識に“国家像”を植えつける必要に迫られました。そしてそのために「神道」を利用したのです。神道は民衆信仰である性格を脱ぎ捨てました。この延長に生まれたのが教育勅語です。教育勅語は「忠孝を核とした儒教的徳目を基礎に置き、忠君愛国を究極の国民道徳と定めた」ものでした。ですから日本古来の(神道の)精神をあらわしたものではありませんし、普遍的な徳目を標榜したものでもありません。

 では国家神道と乖離した民衆信仰はどこへ向かったのでしょうか。神社が政治的に利用されたにもかかわらず「依然として信仰対象として神社」とかかわっていました。これこそが「融通無碍な多神教」というもののあらわれだったのです。

 しかし、民衆の神社信仰は次第に国家による神社支配に吸収され、特異な日本ナショナリズムを生み出すことにもなったのです。ですから柳田の主張したようには「国家神道」と「民衆信仰」を一方的に切り離すことなどできません。井上さんがいうように柳田の神道の再生・再発見には徹底性が欠けていたのです。

 「日本固有のもの」を追求するためには戦前のナショナリズム、ファシズムの徹底的な分析と批判が不可欠です。そしてそれをくぐり抜けないかぎり、「日本なるもの」を見出すことはできません。そんなことを痛感させる1冊です。読むごとにずしんと響いてきます。


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