阪神間で暮らす

テレビを持たず、ラジオを聞きながら新聞を読んでます

I am not Abe.   IMF専務理事「危機の中にいるわけではない」

2016-05-31 | 日記





 世界に対し、安倍首相がやっていることが本当の日本の姿じゃない、と言う事を広げるために 『 I am not Abe、 』 と声をあげる。



  14年の選挙の時は『来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。私はそう決意しています。』 と言っていた。



  元官僚の古賀茂明氏は氏の著書「国家の暴走」に安倍首相の事を
  「この人物は、いとも簡単に、しかも堂々と、嘘をつける人間なのだ。」 と書いている。


 安倍政権が進めるアメリカのためのTPP参加に反対します。


  忘れていませんよ、12年の選挙時に貼られたポスター、どうなっているでしょう。
  言っている事とやっていることがさかさま。安倍自民は単にアメリカの隷属政党。

  「日本を耕す自民党」と言うのは外資に対し日本から搾取しやすいようにする。事か?
  「ウソつかない。」自体が嘘



  TPP、ISD条項で日本の国家主権は破壊されコングロマリットの餌食に
  

  農業だけじゃないよ、食料、医療、特許、環境、労働、投資、衛生植物検疫、越境サービス など21分野

  自民党が2012年暮れの衆議院選挙で公約したTPPに関して、自民党のウェッブをチェックしよう。

   
 拡大すると
   



 安倍政権の進めるアメリカのための戦争法に反対します。



 〈あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。世界によって自分が変えられないようにするためである〉ガンジー

 〈一番こわいものはテロリストでも大不況でもなく、いつの間にか私たちがいろいろなことに疑問を持つのをやめ、気づいた時には声すら自由に出せない社会が作られてしまうことの方かもしれません〉アメリカで医療破産したある女性(堤未果、ルポ貧困大国アメリカⅡより)



 5/31(火)


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IMF専務理事「危機の中にいるわけではない」  【日本経済新聞】

 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は27日午後、世界経済に関し「我々は危機の中にいるわけではないが、危機(2008年のリーマン・ショック)からのレガシー(遺産)を引きずっている」と述べた。その上で「世界経済は08年のような危機にはない」との認識を示した。

 安倍晋三首相が27日午後の記者会見で、世界経済にリーマン・ショックのような危機の予兆があると主張したことを巡り、三重県伊勢市で記者団の質問に答えた。
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 海外勢からは「うそつき!」と思われているが、蛙のつらになんとやら。
 自分で言っていることわかってんのかな?

 
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甘利氏不起訴へ 現金授受問題で東京地検が任意聴取  【東京新聞】

 甘利明(あまりあきら)・前経済再生担当相の現金授受問題で、東京地検特捜部が、甘利氏から任意で事情聴取したことが、関係者への取材で分かった。甘利氏は、都市再生機構(UR)とトラブルになっていた千葉県の建設会社側から、口利きの謝礼などとして、現金を受け取った疑いが持たれ、弁護士グループから、あっせん利得処罰法違反容疑で刑事告発されていた。特捜部は今回の聴取結果を踏まえ、近く甘利氏の同容疑について不起訴にするとみられる。

 甘利氏は今年一月の大臣辞任会見で、現金の受け取りは認めたが、「政治活動の応援の趣旨だと思った」などと説明し、補償交渉への関与を否定していた。

 甘利氏側に現金を渡した建設会社「薩摩興業」(千葉県白井市)の元総務担当・一色武氏(62)によると、同社は千葉ニュータウン開発に絡む県道工事を巡る補償交渉で、URとの間でトラブルとなっていた。一色氏は二〇一三年五月、甘利氏の当時の公設秘書に相談。URとの補償交渉が進展したことに対する謝礼として一三年八月に公設秘書に五百万円を、同年十一月には甘利氏に五十万円を渡した。

 この補償交渉とは別に同社は、県道の建設予定地に不法投棄された産業廃棄物の撤去を巡り追加の補償をURに要求。一色氏は一四年二月に甘利氏に五十万円を提供。「産業廃棄物を巡る新たな補償交渉について甘利氏本人に説明し、渡した」と証言していた。

 特捜部は四月に千葉県印西市のUR千葉業務部のほか、一色氏の自宅などを家宅捜索し、補償交渉の実態解明を続けてきた。

 あっせん利得処罰法は、政治家や秘書が「請託」を受け、「権限に基づく影響力」を行使して報酬を得た場合、政治家は三年以下の懲役、秘書は二年以下の懲役を科すと定める。だが、これまで国会議員や秘書に同法違反罪が適用されたケースはない。一連の問題では、甘利氏と元秘書が一色氏から提供された現金の一部を収支報告書に記載しなかった政治資金規正法違反容疑でも、市民団体から告発されている。
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 収賄以外に何が考えられるのだ、検察は完全に政権に魂を売り渡している。
 やめ検の郷原氏は「あっせん利得罪」では無く「あっせん収賄罪」で起訴すべきと、あっせん収賄罪の方が公訴時効が長いのもじっくりやれると言っている。
 検察が不起訴にしたのは政権からの圧力と同日選に向けて甘利氏に不利にならないようにするためだろう。甘利氏は政権を放り出した安倍をもう一回やろうと強力に推してくれた安倍の盟友、落とすわけにはいかない。
 不起訴判断からも同日選はやる!!


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衆院が安倍内閣不信任案を否決 民進・岡田氏、退陣迫る  【東京新聞】

 衆院は31日の本会議で、民進、共産、社民、生活の野党4党が共同提出した安倍内閣不信任決議案を採決し、自民、公明両党とおおさか維新の会などの反対多数で否決した。これに先立ち民進党の岡田克也代表は不信任案の趣旨弁明で「アベノミクスの失敗を正直に認めて、公約違反を国民に謝罪し、即刻退陣すべきだ」と批判した。

 同時に「重大な経済失政により消費税を引き上げられる状況をつくり出せなかった」と強調。与党が成立を強行した安全保障関連法に関し「憲法違反であることは明らかだ。憲法の平和主義を捨て去り、限定のない集団的自衛権の行使に道を開く」と反対姿勢を鮮明にした。
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 最初から否決されるし衆議院解散の言い訳にされるのに何で出すんだろう。


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日米地位協定の抜本改定要請 自民党沖縄県連、党本部に  【東京新聞】

 沖縄北方担当相を務める島尻安伊子・自民党沖縄県連会長は31日、谷垣禎一幹事長を党本部に訪ね、米軍属が逮捕された沖縄の女性遺棄事件を踏まえ、日米地位協定の抜本的な改定や米軍人・軍属の犯罪根絶を日本政府に求めるよう要請した。

 党県連の具志孝助幹事長は「度重なる凶悪事件で県民は憤っている」と伝えた。谷垣氏は「衆知を集めて再発防止を徹底しなければならない。できる限りのことはしたい」と応じたが、地位協定改定については直接回答しなかったとみられる。

 要請書は要求項目として、米軍普天間飛行場の早期返還のほか、在沖縄米海兵隊の大幅削減と米軍基地の整理縮小も盛り込んだ。
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 島尻沖縄選出参議院議員、自分が通るためには何でもやる、一千万円ほどの不正金があるらしいから。
 しかし地位協定は要求するだけで何もしない。選挙向けのポーズ。


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外国訪問に87億円超 最高宿泊額は回答せず

 政府は31日の閣議で、安倍晋三首相が2012年12月に就任して以降、計41回の外国訪問をし、うち決算を終えた40回分の経費が約87億7400万円に上ったとの答弁書を決定した。1回当たりの最高宿泊額と宿泊先は「警備上、外交上の観点から明らかにすることは適切でない」と回答しなかった。民進党の井坂信彦衆院議員の質問主意書に対する答弁。
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 宿泊額と宿泊先は外交上言えない、って「え、あそこに泊まってそんなに払ったの?」って言われるからじゃない?


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熊本県と21市町村に交付税450億円 9月分前倒し  【朝日新聞】

 総務省は31日、熊本地震で被災した熊本県と21市町村に対し、9月分の地方交付税454億円を前倒しして交付すると発表した。被災者支援やがれき処理など、自治体が当面必要とする資金を手当てするためという。不足する分については12月に特別交付税を出して調整する方針だ。

 交付額は県が265億円、市町村が計188億円。このうち菊陽町以外には、6月分の交付税も前倒しで4月か5月に支払っている。
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 単に前倒しでの支払い、9月の分使っちゃったら12月まで待たなきゃならないの?





 





 Twitterコーナー

 慶應義塾大学経済学部の金子勝教授のツイッター

 元外務省、元防衛大学校人文社会科学群学群長の孫崎享氏のツイッター

 生活の党 小沢一郎事務所のツイッター




昨日の神戸
最低気温  18.4度(02:20 前日差+0.6度)
最高気温  24.4度(17:02 前日差-0.8度)

  今朝の神戸最低気温  20.4度 (05:24)  6月中旬並

今日の神戸の
   日の出     4時48分 (昨日 4時48分)
   日の入り   19時07分 (昨日19時06分)

          日の出は昨日と(3日間)同じ、日の入りは1分遅くなった。
          

  


 前線・低気圧は南海上へ、日本海北部に前線・低気圧があるが西日本には関係なし。
     
 明日の朝は日本海の低気圧・前線が北海道を横断太平洋側に、大陸から次の停滞前線が延びてきた。
     

 今日は一日晴れ(15時の弱雨はどこの事?)、夕方には少し雲が、火星の大接近は見えないかも、明日は晴れのち曇り、晴れ。









日銀は国有化を

2016-05-31 | いろいろ

賀茂川耕助氏の「耕助のブログ」より

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日銀の国有化へ議論を

 去る4月、米ダートマス大のアンドリュー・レビン経済学教授は、米連邦準備制度理事会(FRB)の改革案を公表した。レビン教授はFRBでバーナンキ議長の特別顧問も務めた経歴を持つ。FRBに精通した人物が、FRBに対してウォール街の金融機関と距離を置き、政策の透明性や国民に対する説明責任を持つべきだと改革を求めたのである。

 FRBは米国の中央銀行制度をつかさどる組織で、大多数の米国民がFRBは国の機関だと思っているが、実際は民間企業である。さらに悪いことには、誰が属していてどのように運営されているのか、国民に知らされていない秘密結社に等しい。従ってレビン教授の改革案をウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)が掲載したこと自体、驚くべきことだ。なぜならこれまで、FRBという私企業が貨幣流通を握り、銀行への貸出金利を決めるのはおかしいという主張をしてきたのは、末端の非主流メディアだけだったからだ。

 レビン教授の提案は左派系市民団体と共同で作られ、その中心は米国12の地区連邦準備銀行の改革にある。これら連銀は政府機関ではなく各地区の商業銀行が出資する民間銀行にすぎないが、他の先進国の中央銀行のように、完全な政府機関にすべきだというものだ。各連銀の理事は、現在のプロセスでは非公開で民間銀行によって指名されており、WSJによれば現在ニューヨーク、フィラデルフィア、ダラス、ミネアポリスの各連銀の総裁は全てゴールドマン・サックス出身者だという。これを候補者を公表し、一般公募を行うことを提案している。

 またFRBや連銀の幹部の任期を7年間とし、再任は認めないことも提案している。それにより政治的関与から距離を置くことができ、同じ幹部が数十年も同じポストにとどまることができなくなる。ちなみにグリーンスパン議長は1987年から18年半もFRB議長の座に就いていた。

 非主流メディアが長年要求していた、私企業の連銀を国有の中央銀行に変えるという改革の実現は容易ではないだろう。少なくとも、もう一度米国が大きな金融危機にみまわれ、周期的に好景気と暴落を経験させられるその裏に、FRBによる貨幣流通量や貸出金利などの金融政策があることに一般国民が気付く必要があるかもしれない。FRBは国民のためではなく、その所有者である民間銀行のために金融政策を行っているのである。これはFRBを政府機関にして民間銀行の支配と影響力から切り離さない限りこれからも続くが、ウォール街が簡単にその権利を手放すことは考えにくい。

 米連銀を国有銀行にすべきだという提案は、そのまま日本にもあてはまる。多くの国民は日銀は国の機関だと思っているが、日銀は資本金1億円の民間銀行である。日銀では9人の「政策委員」が政策を決定する。マイナス金利も、5人が賛成して採択された。イギリス、ドイツ、フランスなど先進国の中央銀行はみな国有で、民間企業なのは日本と米国くらいだ。米連銀の改革案が出たところで、日本も日銀を法的に国の機関とする議論を始めるべきだ。
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俳人・金子兜太氏「アベとかいう変な人に痛切な危機感」

2016-05-31 | いろいろ

より

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俳人・金子兜太氏「アベとかいう変な人に痛切な危機感」

 気迫ある毛筆で書かれた「アベ政治を許さない」のプラカードは、昨夏の「安保法制反対」運動のシンボルだった。揮毫したのは、現在96歳の俳句の大御所・金子兜太氏。南方で終戦を迎え、1年3カ月の間、米軍の捕虜となって最終船で引き揚げたという。あれから70年。安倍政権の安保法強行の動きに奮い立ち、老体を押して戦争体験を語る講演を全国各地で行っている。


■“カタカナ”なのは漢字じゃもったいないから

――「九条の会」呼びかけ人で、作家の澤地久枝さんの依頼で揮毫したそうですね。「許さない」の文字の大きさに、金子さんの思いが伝わってきます。

 若い人に絶対に戦争をさせてはならないという思いで、一発で書いたの。今の政権は国民の言うことに耳を傾けようとしない。憲法を変えずに自衛隊を戦場に送ろうとし、ズルいやり方でアメリカの顔色ばかりうかがっている。「アベ政治」をカタカナにしたのは、こんな政権に漢字を使うのはもったいないからね。戦争なんて無残な死を積み重ねるだけ。戦争ほどの悪夢はない。人間にとって全くの不幸ですよ。この体験を絶対に忘れないぞと思って帰ってきたんですが、70年の間に気持ちが緩む時もあった。

――安倍首相の再登板で思いが蘇った。

 そう、アベとかいう変な人が出てきたもんですから。私のようなボンクラな男でも危機感を痛切に感じるようになりましたね。安保法をやりだした時にね、こりゃ危ないって気がした。憲法9条の改正の是非を国民投票にはかる、とハッキリ言ってくれればいいんですよ。それが、直接9条には触らないで、周辺をグルグルといじった。特定秘密保護法なんて治安維持法みたいなものでしょう。遠巻きに近づく、これが危ないと思ったのね。

――過去に「戦前の私はデモクラティックでなくてデレデレティックなんです」と発言されています。それだけ、戦争体験が金子さんの思考を一変させたということなんでしょうか。

 戦争は反対だ、戦争はイヤだ、という気持ちにデモクラティックな意思が加わったというんでしょうか。だいたい、今の国会には戦争体験者が2割くらいしかいないんじゃないか。においを嗅いだ程度のやつも少ない。そういう連中が戦争に関わる憲法9条を議論して、安保法のようなケチなものをつくる。そんな資格はないと思いますよ。戦争経験がないのに、「戦争辞せず」くらいの顔をするやつがたくさんいる。戦争というのは、いろんな形で人間が死ぬんですよ。ろくなもんじゃない。なのに、戦争は男らしいなんて思っているバカげた国会議員が多い。一方では、女性のお尻をなでてばかりのやつもたくさんおるしね。

――戦時中、海軍主計中尉として旧南洋諸島のトラック島(現ミクロネシア連邦チューク諸島)に派遣された。米軍の爆撃で1日に50~60人が死んだり、補給路を断たれて餓死者が続出するのを目の当たりにしたそうですね。

 着任したのが25歳、1944年3月だった。海軍経理学校を出て、1カ月の訓練を終えると、志望を聞かれる。行く以上は、と思って「南方第一線で戦いたい」と答えたら、「よし行ってこい」となったわけです。私は秩父の山の中の育ち。養蚕で生計を立てる家庭が多かったのですが、昭和恐慌で繭価が暴落してしまった。年頃になると、郷里の人たちが「兜太さん、あんた戦争に行ってくれ。戦争に勝ってくれ。そうしたら俺たちは楽になるだろう」と言う。当時は青年でしたから、雄々しい気持ちというか、励まされる気持ちを感じましてね。郷里の人を何とか救ってあげたいという思いが湧き上がるわけです


爆弾でポーンと飛んだ「男根」

――引き揚げまでの約3年間、トラック島で過ごした。

 派遣されたのは補給基地でもあった海軍施設群。海軍の土建現場ですよ。島の要塞化のために徴用された工員さんが大半で、私のような将校なんて数えるほどしかいない。工員さんたちはグラマン(戦闘機)の爆撃にやられ、自分たちで作った手榴弾の実験で死に、飢えて拾い食いして逝った。むごい死に方を山ほど見ました。私は工員さんたちを生の人間という意味で「存在者」と呼んでるんです。

――「存在者」ですか。

 工員さんたちは全く恥も外聞もなく、バカバカしさを如実に表している人たちだった。神様のような人間というのはこの人たちだな、と思いましたな。隧道(トンネル)が足らず、空襲で工員さんたちがまとめて殺された例がたくさんあった。掘っ立て小屋が1発の爆撃で吹っ飛ぶ。30人くらいの人間の手足がバラバラになり、首からストーンと吹っ飛ぶ。男根まで妙にハッキリとポーンと飛んで行く。実に残酷な状態、あるいは笑うべき状態、悲しむべき状態、いろんなものが錯綜した風景は耐えられないものでした。


■戦争で人間は普通じゃなくなる

――戦況が悪化すると、餓死も日常になった。

 腹が減る、拾って食う、腹を壊す。トラック島の周辺はサンゴ環礁なので、工員さんがポンポン船で漁をする。手榴弾をブッ込んで、浮き上がった魚を捕るんです。フグが上がって、工員さんが横に捨てても、別の工員さんが拾って食う。周りが毒があるからと止めても食う。餓死の状況は悲惨だと言うしかない。部隊の5、6人で代わる代わる山の上に遺体を担ぎ上げて、掘っておいた大きな穴にポンポン放り込んだね。最後は何人死ねば何人生き残るとか、そういう計算もしたな。

――戦場で俳句を作ろうとしたそうですね。

 自分に余裕を持たせようとしたんだけれど、男色が広がってからはそんな時期じゃないと思ったね。44年にトラック島が大空襲に遭い、病院船で女性たちを内地に帰したんです。病院の看護婦さん、施設群の電話交換手、タイプライター。売春の女性たちも帰した。島にいるのはカナカ族の女性だけ。それで、忍び込むんですよ。だけど、カナカ族の男はヤシの木を切る大きなナタのようなものを持って歩いている。後ろから切り付けられ、日本人はかなり死にましてね。男だけの社会ですから、男が男と一緒になる。約1カ月半くらいで、私のいた部隊が男色の世界になったんですね。それを見た時、こう思いましたね。これはもう普通の人間じゃない、生の人間だと。

――安倍政権はそうした悲惨な戦争体験に耳を傾けずに暴走し、権力を監視すべきメディアは牙を抜かれたように見えます。総務大臣は公然と「電波停止」をチラつかせ、政権に批判的なキャスターがテレビから消え、新聞は自粛する。自由な言論人が少なくなりました。

 満州事変以降の15年戦争と比べても、国民のあらかたは危ういという認識を持っていないように見える。まだみんなボケてる。どこかのんびりしている。政府の連中は、あの時の治安維持法の使い方を知っている。それだけに、見えない部分で言論統制が進行しているんじゃないかという気がするね。

――40~43年に起きた特高による「新興俳句弾圧事件」にも直面された。

 戦争を風刺した俳人が次々に治安維持法で捕まった。当時は東大に通っていた時分だったけれど、英雄ぶって率先して抵抗するなんてできっこない、と思いました。1年の時だったな、俳句をやっている学生の先輩の姿がしばらく見えなかった。それがある時、私を待っていたようにその先輩がやって来て、(東大本郷キャンパスの)三四郎池に引っ張った。それで手を突きだすんですよ。見ると、爪が全部はがされていた。「金子、これになるから注意しろ」って言う。拷問を受けていたんです。顔が青くてね、蹌踉としていた。「気を失ったよ」って。その後は自分の行動をチェックして、警戒するようになったのを覚えています。

――金子さんの作品は常に時代をとらえていて、後になってからズシリと重みをもつことも多いですね。選者を務める東京新聞の「平和の俳句」は2年目を迎えました。

 戦後70年を過ぎて、新聞紙上で戦争法反対の句を選ぶ時代がくるとは思わなかった。(体制に対する)警戒は常に念頭にありますよ。この辺で警察が何とか言ってきやがったら、くらいの気持ちでやっている。どこまで(体制批判の)表現が許されるのか、新聞という制限の中で限界までやってみようと思っています。


 ▽かねこ・とうた 1919年、埼玉県生まれ。旧制水戸高在学中に句作を始め、加藤楸邨に師事。東京帝国大(現東大)卒業後、日本銀行に入行。43年、海軍経理学校に入学。44年、トラック島に派遣。戦後は社会性俳句の旗手として活躍、56年に第1句集「少年」で現代俳句協会賞を受賞。2000年から現代俳句協会名誉会長。
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