北欧スウェーデン の生き方情報 スウェーデン報

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スウェーデンの移民・難民

2020-09-14 19:57:13 | スウェーデン

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「スウェーデン人の名前」で、マルモ市で生まれた子供の名前で、

一番多かったのはキャッレでも、エリックでもマリアでもなく、

ムハメッドだと書いた。

 

前回の小噺と合わせて、マルモに一番多いのはイラク人、ついで、ユーゴスラビア人だ。

 

紛争の後、ユーゴスラビアからの難民をたくさん受け入れたからである。

 

 

マルモはスウェーデンの中でも外国人が多い地域である。

 

コミューン(自治体)が、難民の受け入れを拒否していない上に、

スウェーデン第3の大都市でもあるので、

仕事も他に比べたら見つけやすいのだろう。

 

さらに、住宅事情の悪いストックホルムなどに比べて、

難民用の住宅設備が充実しているということも理由になっているかもしれない。

 

マルモ市内では、少なくとも片親が外国籍の人口は55.5%.

 

外国人は14.8%。

 

マルモ市の外国人率の高さがわかる。

 

 

スウェーデン全体をみると人口の19.6%ぐらいが外国人である。

約190万人が外国人(そのうち日本人は3000人ぐらい)

 

この数も日本と比べたらかなり高いのではないかと思われるのだが、

それと比較してもマルモ市がいかに高率か、お分かりいただけると思う。

 

 

さて、外国人と言っても、スウェーデンでは分類が二つに分けられる。

 

移民と難民である。

 

日本では、外国人というと、不法に滞在している人以外は多くの場合、移民。

 

仕事や勉強などのために、他国から来て住んでいるのですね。

 

スウェーデンでは、移民を奨励している。

 

というのも、全人口1000万人余りでは、労働力が足りないのだ。

 

女性の就職率が高いのも、ひとつには、労働力不足を

女性で補おうとした歴史があったからである。

 

スウェーデン国としては、優秀な外国人労働者が、移民してきてくれるのは

大歓迎なわけですね。

 

とは言え、スウェーデン語がわからないと仕事に就きにくい

というのも現状であるし、失業率自体が少し上がってきているのも事実。

 

ただ、これには、いろいろからくりもあるので、

その件についてはまた機会を改めて。

 

 

移民のためには、母国で手続きをして、

スウェーデンの滞在許可をもらってから住むことになる。

 

統計を見ていておもしろいのは、スウェーデンに移民してくる人と

スウェーデンから外国に移民していく人の動き。

 

全体としては圧倒的にスウェーデンに入ってくる人の数の方が多いのだが、

50歳を境に出ていく人の数の方が多くなる。

 

 

わたしの勝手な推測だが、その理由は、こういうものではないだろうか。

 

1.スウェーデン政府は、50歳過ぎの労働力をあまり必要としていないので、

許可がおりにくい。

 

2.若い淵から働いて、税金を払っていないと、老後にいきなり来ても

あまり良い目にあえない。

 

いえ、事実はどうか知りませんよ。

 

 

そして、難民。

 

様々な理由で、母国にいられなくなった人たちを受け入れている。

 

日本では、難民の受け入れが、あまり積極的でないので、イメージや実態がつかみにくい。

 

例えば、スウェーデンでは、ボスニア紛争のとき、

1994年だけで25000人のボスニア人を受け入れている。

 

ユーゴスラビアからも35000人以上、スウェーデンに来た。

 

そうした大きな紛争のあった場合だけでなく、世界各国から

様々な理由で難民としてスウェーデンに入ってくる人が、

年間5000人から1万人もいるのは、驚きだ。

 

2019年は、シリア、イラクからの難民が多い。

 

21958人が亡命申請した。

もちろん全員が認められるわけではない。

 

現在多いのは、ウズベキスタン、シリア、コンゴ・・・

2016年は、7万人以上が亡命申請したという。

 

そういう人たちの生活は、とりあえず、スウェーデン政府が

丸抱えするわけですよ。

 

仕事を見つけやすくするようにSFI(移民のためのスウェーデン語学校)などで、

スウェーデン語を教えたりするが、それも、ちゃんと出席すると

手当が出るようになっている。

 

マルモのように難民の率も高いと、必然的に住民の税金からの負担が

大きくなる。

 

不満は言いながらも、それでも難民を受け入れ続けている。

 

これは、わたしには、今に至ってもすごい謎です。

 

 

日本人のセコい考えで、難民を受け入れるとその分、

国からの補助がたくさん受けられるんじゃないかとか、

分かりやすい理由を探してみるのですが、どうも、そういうわけではないらしい。

 

マルモの場合、難民受け入れの住宅をたくさん建ててしまったので

それを無駄にするわけにはいかないのだ。

 

という説も聞いたが、それもあまり説得力がない。

 

 

同じスコーネでもフェーボーやベリンゲなどのコミューン(自治体)は

難民受け入れを拒否している。

 

拒否宣言をしたら、スウェーデン中から叩かれたのだそうだ。

 

でも、まずしいコミューンには、かなりな負担であることも事実。

 

いかに負担が大きいかというと、ベリンゲなど、難民を受け入れていないので、

スウェーデン一税金が安い地域として有名なくらいだ。

 

でも、拒否宣言が立て続けに起こるのではなく、

拒否宣言に批判が集まるところがスウェーデンのすごいところ。

 

詰まるところ、難民受け入れの最大の理由は、知人の言っていた

 

「だって、困っている人を見捨てるわけにはいかないじゃないの」

 

という、一言に尽きるらしい。

 

 

しかし、犯罪の増加や、経済の不審の原因を

外国人の増加の中に見つけようとする傾向もあって、

ただの良い人スウェーデン人というわけではないことも付け加えておこう。

 

ストックホルムで起きた少年集団レイプ事件も、

「ほれね、やっぱり外国人」

みたいな報道のされ方をしていた。

 

外国人も、自国民だけで固まってしまって、

スウェーデンに馴染もうとしない人たちも多いようで、

20年以上も滞在しているのにスウェーデン語をしゃべれない

などということも珍しくない。

 

マルモのある地区は、日常会話がアラビア語だそうで、

周囲から、一番近くて安い外国と言われている。

 

 

さて、難民は、国情が落ち着いてくると母国に帰る人も多い。

 

そのまま全員がスウェーデン人になってしまうわけではない。

 

そういうわけで、スウェーデンに来る外国人にも流行?のようなものがあるらしい。

 

1960年代はユーゴから、1950年代はイタリアからの難民が多かった。

 

 

イタリア男性はかなり魅力的だったそうで、その当時

イタリア人の父親を持つ子供が大量に生まれたのだそうだ。

 

それを、スパゲッティロマンティックと呼んだとか。

 

 

この頃、わたしの印象では、日本人女性が、スウェーデン人男性に

すごく人気があるような気がする。

 

これも、後世、スシロマンティックとか、

スキヤキロマンティックとか呼ばれるようになるのだろうか。

 

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