北欧スウェーデン の生き方情報 スウェーデン報

北欧スウェーデンの日常を生活者目線でお伝えします。
幸せの国、北欧スウェーデンのなるほど〜な生き方をお伝えします。

スウェーデンの学校2

2021-08-31 22:32:25 | 学校


スウェーデンの学校の校庭は日本のように体育をやるためのものではないので、グランドではありません。
体育は、体育館や、それぞれのスポーツのグランド(例えば、テニスコートとかバンディコートとかいった)などで行われる事が多いです。
スコーネの場合、学校にプールがあることは珍しい(わたしは、まだ、見たことがない)です。
プールの授業は、公営プールまで、出かけて行ってやっていました。

そのかわり?休み時間は、多少の雨でも校庭にだされます。寒いからと言って室内の留まる事も許されない雰囲気です。

ところで、子供達の服装をみていると、暑いんだか寒いんだかわかりませんねえ。

今日は、28日発行のメールマガジンの内容です。

*****

スウェーデンの日本人連合会開放HASHIに在日スウェーデン在住者に対してのアンケート調査結果という興味深い記事があった。

 

その中の、「日本の学校教育のほうが良いと思われる点」「スウェーデンの学校教育の方が良いと思われる点」を抜粋させてもらう。

 

アンケートの対象は当時スウェーデンに在住し、スウェーデン日本人会に登録していた人である。多くが、永住権を持っている。

 

「日本のほうが良いところ」

・授業態度

・行事

・クラブ活動

・教育水準

・新しい教科書

・休み時間が全校一致

・集団行動がとれる

・校則がある

 

 

「スウェーデンの方が良いところ」

・個人重視、年齢に関係なくやりたい時に勉強できる

・興味をのばしてくれる

・覚えることより考えることを重視

・経済的余裕がなくても勉強できる奨学金システム

・学校の成績重視で、入試がない

・よく遊んでいる。宿題もない

・能力に応じた進度

・教師と生徒の間に上下関係がない

・よく勉強している

・自然体験が豊か

・褒めて育てる現場

 

 

ちょっと読み比べていただけると一目瞭然なのですが、強引にまとめると、日本の教育は管理教育で画一的であるが、全体の質を保っている。

 

スウェーデンの教育は、個性ソンとゆで、自由であるが、規律や躾に問題がある。

 

 

教育というのは、結局、その国で、どういう人材を必要としているかという政策が影響してくるので、この二つの国の違いは、理想とする国民像の違いでもある。

 

 

日本では「上限関係」とか「協調性」とか「集団」というのが重視されているし、スウェーデンでは、「個人主義」とか「本人の実力」といった「個」がキーワードのようだ。

 

そして、これらの是非については、人間の数だけ意見があるだろうし、それは、このメルマガの趣旨ではもないので、ここでは、触れない。でも、皆様のご意見はお待ちしております。

 

 

今回は、私の体験したスウェーデンの小学校での、出来事について紹介するにとどめたい。

 

 

その1 こどもと遊ばないA君

 

その時、A君は6歳。娘の同級生。ニコニコとかわいい。娘が慣れるまで、何日か学校に付き添った私に、すぐに話しかけてきて、ほとんどの時間、私の後についてくる。

 

でも、クラスメートとは、遊ばない。

大人と話しているか、遊んでいる友達を観察して歩いているかどちらかなのだ。

そして、楽しそう。

 

気になったので担任に聞くと

「私たちも、気にして、親や本人と何回も話し合ったのだけど、結局、本人がそれで幸せなら、とりあえずこのままにしておきましょうという結論になったの」

 

そして、クラスメートたちも、彼はそういう人だという形で自然に受け入れている。

ここでは、一人でいる自由も保証されている。

その代わり、仲間に入りたいのだけど、誰か気づいてくれないかなあなどという消極的な態度は、通用しない。

一人でいたくなかったら、自分からアクションを起こすしかないのだ。

 

 

その2 褒める教師

 

どんな作品、仕事でも、注意する前に、必ず良いところを見つけて褒める。

「字が雑だから、やりなおし」

とは言わない。

「う〜ん。文法のミスが減ったね。でも、このスペルはわかりにくいから直しておいで」と具体的。

 

字が下手で、文法もめちゃくちゃ、しかも最高に提出が遅いうちの息子にさえも

「この間よりは、早く書けるようになったね」

と、苦慮した褒め方をしていた。感心!!

 

生徒同士で感想を言わせるときも、「肯定的な意見」というキーワードを先に確認させる。

例えば、「声が小さかったと思います」と、言ってはいけない。

「もう少し、大きな声だともっと良かったと思います」と言う。

これは、すごくいいトレーニングだと思う。

だって、

「よくわからな〜い」「つまんな〜い」

と言う感想はそこまでだが、「こうすればもっと面白くなる」と言う方法をそれぞれが考えなくてはいけないからだ。

 

 

その3 野生的な日常

 

校庭で木登りなんてあたりまえ。

夏にはスプリンクーラーで水浸しになって遊んでいても何も言われない。

砂場で、友達を首まで生き埋めにしているのも見たことがある。

本人たちが楽しそうなら(もちろん埋められている子も)OK。

 

遊具の遊びのルールも押し付けたりしないで子供の自主性に任せている。

そういえば、日本では、待っている人がいる場合は、一人5分とか大人がルールを決めていいたなあ。

 

休み時間は、大雨でもない限り、強制的に外に出させられる。

冬場はつらいよぉ。

そして、その間、見張り?の先生以外は、ゆっくりコーヒータイムです。

 

遠足も、森に行って、自由に遊びましょう・・・形式。

トイレがなくてどうするのかしらと思ったら、誰も、

「先生トイレはどこ?」なんて聞いてこない。

さっさと木陰に行って、用を済ませていた。

たくましい。

ちなみに、先生も同じようにするしかない・・・。

たくましい!!

 

でも、知人が、「ストックホルムの子供たちは、ミルクは木になると思っていたりするのよ」と馬鹿にしていたので、地域によるものなのかも。

 

 

その4 借りる教科書

 

教科書は貸与なので(ワークブックやノートは支給)、カバーをつけたりして大事に使わなければならない。書き込みなどは当然禁止。

自宅に持ち帰ることも原則としてなく、学校に置いてある。

絵の具も貸与、えんぴつ、けしごむまで貸してくれる。

一切、教育にお金はかからないようになっている。

 

 

その5 きかない子供たち

 

個を尊重していると、「今は、やりたくない」とか「外に出たい」とか、子供も自己主張する。

個人の進度に合わせていると、ひとりひとりへの対応に時間がかかる。

そのため、教室の中は、いつも雑然としている。

また、待たされる時間も多い。

 

 

その6 夜の父兄会

 

働いている親が参加できるように、父兄会は夜7時ごろから。

出席率はかなりいいし、意見、質問も活発に出される。

言葉のわからない私には、何やら、熱心な討論がなされているように見えるのだが、その実、後で聞くと、テーマは

「うちの子は野菜を食べなくて」「あら、うちの子もよ」なんてことも多い。

でも、何でも口に出せる雰囲気はいいと思う。

あ〜、わたしもいつか口をはさめる語学力を持ちたい。

授業参観は、日が決められることはなく、希望があれば、いつ見に行ってもかまわない。

 

 

その7 誕生日のアイスクリーム

 

したい親は、子供の誕生日に、クラスメートにアイスクリームやケーキを振る舞うために、学校に持っていく。(スウェーデンでは会社でも、誕生日の人がケーキを用意して祝ってもらうのが普通)

特別席にすわった誕生日の子供に、プレゼントは何をもらったのなどと聞きながら、みんなでアイスクリームを食べる。

特に、低学年では、自分はスペシャルと感じられる1日である。

 

 

その8 体育がない

 

スポーツの授業は、ほとんど普段着で、バスケットをしたり、サッカーをしたり、アイススケートに行ったり・・・。日本型のトレーニング風体育(とび箱やマラソンといったような)の授業というのがない。

学校にプールもない。

 

 

 

こういうふうに書くと、日本の良いところとスウェーデンの良いところをとって、中間ぐらいが理想という人が多いと思う。

でもね、実はこの二つ、もしかすると全く相入れない考え方で、中間なんて言うことは不可能なんじゃないかという感を強くしている。

 

だって、そうでしょう。

休み時間は思いっきり野蛮に遊んで、授業中は、先生のいうことをよく聞いて熱心に勉強。

人の行動に合わせながらも、人と違う行動をする人も認めることができる。

一人一人の能力に合わせ、個性を伸ばしながら、宿題も与えないで、全体としての調和を保ちより多くの知識を覚えさせる。

 

そんなもん、無理や。

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とうことで、こんな長いのにここまで読んでくれたあなた

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