Annals of Surgeryという米国の外科雑誌の最新号に、九州大学のグループから膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)では通常型膵癌を合併することが多く、特に胃型のIPMNに多いことが報告されました。なぜ胃型のIPMNで膵癌の併存が特に多いのかその理由は不明ですが、胃型IPMNと膵癌では共にKRAS遺伝子変異が陽性でGNAS遺伝子変異が陰性であることが多いことが共通していました。他のIPMN、例えば腸型、膵胆型などでは大半でGNAS遺伝子変異が認められます。いずれにしても、胃型IPMNでは膵癌を併発することが多いので、厳重な経過観察が必要だと考えられます。
ソクラテスの死刑執行の数日前に、知人のクリトンが牢から脱走するよう説得を試みるのですが、説得は失敗する話です。まだ民主主義も無い時代の国家論がソクラテスにより述べられていて、プラトンのやや硬直化した国家主義が読み取れます。現代にブラトンがいれば、もう少し国家を相対化して異なるストーリーになったのではないかと思います。
少し恥ずかしいのですが、プラトンの饗宴を初めて読みました。しかし、男性同士の愛(エロス)について大真面目に述べているのには少し驚きました。日本も中世から僧侶や武士を中心にボーイズラブはかなりあったようですが、ヨーロッパ文明の源に少年愛があることを知りました。
東海大学で切除した胆管内乳頭状腫瘍の95%はがん(悪性)でした。しかし、その約6割はT1といって早期のがんでした。これは膵管内乳頭粘液腫瘍ではがんが半数程度であるのとはかなり違います。腫瘍の部位は、肝外胆管が約2/3で、肝内胆管が約1/3でした。肝内胆管では粘液産生を認めるものが多いのに対し、肝外胆管では粘液産生を認めたものは僅かでした。少し詳しくなりますが、腫瘍のムチンコア蛋白の発現をみると、MUC1が60%、MUC2が40%、MUC5ACが70%で認められました。全体の5年生存率は55%でした。
2013年6月12-13日に、日本肝胆膵外科学会のため宇都宮市に行きました。宇都宮市に宿泊したのは初めてでした。私は胆管内乳頭状腫瘍について発表し、肝臓と膵臓の3D画像のセッションの司会を担当しました。
胆管内乳頭状腫瘍とは、胆管内の乳頭腫瘍の総称で、肝内胆管から乳頭部までの全てに起こり得る病変です。粘液を産生するものと産生しないものがあります。粘液を産生する腫瘍は、早期に診断されることが多いためか、治療成績が良く、予後良好とされます。東海大学病院でも約20例の切除例があり、その1/3に肉眼的に粘液を認めました。確かに切除後の生存率は比較的良好ですが、リンパ節転移のあった人は再発し易い傾向でした。
胆管内乳頭状腫瘍とは、胆管内の乳頭腫瘍の総称で、肝内胆管から乳頭部までの全てに起こり得る病変です。粘液を産生するものと産生しないものがあります。粘液を産生する腫瘍は、早期に診断されることが多いためか、治療成績が良く、予後良好とされます。東海大学病院でも約20例の切除例があり、その1/3に肉眼的に粘液を認めました。確かに切除後の生存率は比較的良好ですが、リンパ節転移のあった人は再発し易い傾向でした。