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SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

肝細胞がんに対するがんワクチン(glypican-3)療法

2010-05-30 | 治療
 肝細胞がんに対するがんワクチン(glypican-3)療法に関する厚生労働省の班会議に参加しました。現在は手術後またはラジオ波治療後の補助療法としての有効性を検討する第II 相試験が進行中です。各施設で肝切除後に国立がん研究センター東病院で10回ワクチンを打って再発抑制効果をみる試験です。

 今回の班会議ではさらに新たな切除不可能な進行肝細胞がんに対する第II相臨床試験について主に討議しました。議論沸騰で最終的にはまとまりませんでしたので、再度打ち合わせが必要だと思います。試験デザインというのを決めるのは大変困難な作業です。今後さらに議論が進んで良い形で臨床試験が開始されることを期待します。

第22回日本肝胆膵外科学会に参加しました

2010-05-28 | 治療
 2010年5月26ー28日仙台で開催された、第22回日本肝胆膵外科学会に参加しました。今回は発表が2つ、司会が2回と忙しく働いていました。最初、「浸潤性膵管癌に対する門脈合併切除の適応と成績」という演題で発表しました。内容としては、門脈合併切除を行った膵癌では長期生存例が僅かには認められるものの、門脈を切除していない症例より有意に生存率が不良であった、というデータを示しました。その上で、門脈合併切除を伴う亜全胃温存膵頭十二指腸切除術のビデオで、その手技を供覧しました。

 今回は動画をMACで作成しQUICK TIME MOVIEで作成したのですが、この画像は自分のMACではとても綺麗に見えるのですが、会場のモニターでは暗くて見づらい映像でした。

 もう一つの発表は「肝門部胆管・門脈・肝動脈の高解像度3次元仮想現実感イメージ」というタイトルで、胆管とがん、そしてさらに門脈と肝動脈との立体関係を分かりやすく示す3次元画像呈示システムを発表しました。こちらはWINDOWSのAVIという画像ファイルにしておいたので、大変綺麗に見ることができました。動画発表では会場のモニターと動画ファイル形式の相性を確認する必要があるのかもしれません。

沖縄久米島から日本国家を読み解く

2010-05-24 | 雑感
佐藤優氏の著書、「沖縄•久米島から日本国家を読み解く」を読みました。佐藤氏は埼玉県育ちで、私と同じ埼玉県立浦和高等学校出身の元外交官で現在は評論家です。そして彼はキリスト教神学者でですので、おそらくキリスト教徒だと思います。しかし、彼の母が久米島出身であることから、彼は沖縄•久米島人としてのアイデンティティを強く感じています。彼自身が持つ沖縄人としてのアイデンティティとはそもそもどういうものかを解説しつつ、彼自身もアイデンティティを再確認しています。キリスト教神学者であっても、久米島の神話と神々は彼にとって不可欠な存在であることが分かります。

中郡聡夫 教授就任祝賀会

2010-05-23 | 雑感
 2010年5月22日ホテルオークラで私の東海大学消化器外科教授就任祝賀会が行われました。私の浦和高校・千葉大学時代の知人、昔一緒に働いた仲間、そして現在の東海大学の同僚、神奈川県の医師会および企業関係者など、約300人もの人に参加していただきましたこと、この場をお借りして心より御礼申し上げます。また当日都合でご参加いただけなかった人から大変多くのお花をいただきましたことも感謝申し上げます。

 祝賀会では、東海大医学部長の今井裕先生、元千葉大学学長の磯野可一先生、前帝京大学外科教授の浅野武秀先生、前東邦大学外科教授の碓井貞仁先生、国立がん研究センター東病院副院長の木下平先生、東海大学付属病院長の猪口貞樹先生から来賓のご挨拶を頂きました。乾杯の音頭は、東京女子医科大学名誉教授の羽生冨士夫先生でした。羽生先生は体調がすぐれないにもかかわらずご参加いただき、心のこもった愛情溢れる応援のお言葉を頂くことができました。最初は声が小さくみんなはらはらして聞いていたのですが、途中から大きな声も交えていつもの名調子も聞くことができました。羽生先生のような偉大な先輩に来ていただけることは、私にとって本当にありがたかったのですが、お体のことを考えると大変申し訳なかったと思います。

 友人祝辞として、歌手の長田勇気さんにオリジナル曲の「オンリーワン」ともう1曲を歌っていただきました。2曲ともハートのあるすばらしい曲でした。その後は香川大学消化器外科教授の鈴木康之先生、千葉大学同級生の今関英男先生、浦和高校同級生の新保貴史君、千葉大学第2外科同僚の貝沼修先生に応援のメッセージを頂きました。会の後半ではかなり和やかな感じになりました。多くの人から頂いた言葉を糧に、今後東海大学で頑張っていきたいと思います。最後に祝賀会の運営に働いて頂きました東海大学医局の皆様本当にありがとうございました。

カラヴァッジョ巡礼

2010-05-17 | 雑感
宮下規久朗氏の書いた「カラヴァッジョ巡礼」を読みました。今からちょうど400年前に亡くなったイタリアのバロック絵画の巨匠カラヴァッジョの作品を豊富な写真で紹介しています。彼は北イタリアで生まれ、ローマで成功したものの、殺人をおかしてナポリ、シチリア、マルタ島などの南イタリアを逃走しながら作品を残しています。写実的で、明暗のコントラストが強く、さらに劇的で少し動的な彼の作品はヨーロッパだけでなく日本でも大変人気があります。今度ローマに行く機会があれば、是非プチカラヴァッジョ巡礼をしたいと思います。