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SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

第一回神奈川西部膵胆道外科治療研究会

2015-03-23 | 学会
2015年3月20日本厚木のレンブラントホテルで、第一回神奈川西部膵胆道外科治療研究会を東海大学医学部消化器外科が当番で行いました。伊勢原、厚木、秦野、茅ヶ崎、平塚、小田原などから多数の先生にご参加いただき大変盛会となりました。特に特別講演の静岡がんセンターの上坂克彦先生の発表内容は素晴らしく、一同感銘を受けました。来年は北里大学外科が当番で開催予定ですので、益々のこの研究会が発展するように努力したいと思います。

膵癌に対する門脈合併切除を伴う膵頭十二指腸切除術の効果

2015-03-20 | 治療
昨日、膵癌に関するインターネット講演会をしました。膵癌に対する化学療法と門脈合併切除を中心にお話ししました。講演時間は45分で、使用したスライドは約80枚でした。

この中で最も聞いていた人から「いいね」が多かったスライドは、東海大学での膵頭十二指腸切除206例を、門脈切除していない115例と、門脈合併切除・再建した91例に分けて生存率を比較したものでした。門脈切除(-)の5年生存率は23%、門脈切除(+)の5年生存率は9%で、やはり門脈切除した症例の方が進行癌であり生存率も不良でした。

さらに門脈切除例の中で組織学的に浸潤のなかった29例と、浸潤のあった62例で生存率を比較すると、浸潤(-)の5年生存率が15%で、浸潤(+)の5年生存率は7%でした。手術中に、がんと門脈が癒着して剥離できない場合は、がんが門脈に浸潤している(巻き込んでいる)可能性が高いので、門脈を合併切除します。しかし、実際に癌の浸潤がない確率は約1/3であり、これらは予後が良好だったのです。手術中に、門脈を実際に切除してみなければ組織学的な浸潤の有無はわかりませんので、やはり門脈への癌浸潤が疑わしい場合には、積極的に門脈を切除すべきです。

インターネット講演会「進行膵癌に対する術前・術後化学療法と拡大手術」

2015-03-17 | 治療
2015年3月19日19時から、「進行膵癌に対する術前・術後化学療法と拡大手術」というテーマでインターネット講演会を行います。m3.com という医療者向けのページでほぼリアルタイムで見ることができます。事前登録が必要ですので、興味のある方はそのサイトへの登録をお願いいたします。

横浜膵癌フォーラム

2015-03-12 | 学会
2015年3月11日の夕刻に新横浜プリントホテルで、横浜膵癌フォーラムが開かれました。特別講演は、神奈川県がんセンター消化器内科の大川伸一先生と、川崎医大教授の中村雅史先生の2題で、共に大変勉強になりました。

大川先生によると、切除不能膵癌の患者さんnab-paclitaxelが投与可能で、20%にFORFIRINOXが投与可能だそうです。中村雅史先生は現在は川崎医大の教授ですが、4月から九州大学第一外科の教授に栄転されますので、今後益々のご活躍を期待いたします。