現在、私達東海大学消化器外科では、膵癌に対して術前に約1カ月半ほどゲムシタビンとS-1を併用する補助化学療法(術前GS療法)を行っています。その場合、原則として術後にも半年間、S-1による補助化学療法を行います。また、先に手術をしてから術後に半年間補助化学療法を行うこともあります。
術前補助化学療法には、東海大学独自の臨床試験と全国規模の臨床試験の二つがあります。東海大学独自の試験では、組織学的に膵癌であることか証明されるなどの適格基準に合えば全員術前補助化学療法を受けます。一方、全国規模の試験では術前に補助化学療法をする群としない群にランダム化をします。つまり、半数の人は化学療法を受けますが、半数は化学療法をせずに手術を受けます。術後は原則としてS-1を半年間服用します。また、全国規模の試験では確実に切除可能な膵癌が対象ですが、東海大の試験ではさらに進行していて切除可能か不可能か判定の困難なBorderline resectable膵癌も対象にしています。既に東海大の試験では20人以上が術前治療を受けています。
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