SURGERY NOW note
がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。
 



 京都の学会で少しだけ空いた時間がありましたので、学会場に比較的近い吉田神社と銀閣に行きました。銀閣は大変多くの観光客で賑わっていましたが、隣の吉田神社は観光客の姿もなく静かな佇まいでした。

 吉田神社は鴨川ホルモーで京大チームが例の儀式を行った場所です。実際に吉田神社にいってみると、なんと吉田神社の参道は京大の敷地に接しているではありませんか。作者の万城目学さんは京大卒ですから学生時代からこの神社をよく知っていたに違いありません。

 その日の午後は京大の山中伸也教授のiPS細胞に関する講演を聞きました。山中先生の講演はその道の専門家でない人にも大変分かりやすく、とても上手な講演でした。良いタイミングで冗談を織り交ぜながら楽しく講演されていて、講演の仕方も大変参考になりました

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 京都のJDDW(日本消化器病週間)に参加していた高校時代の同級生と32年ぶりに会いました。夜に、彼の知人でやはり浦和高校出身の後輩と3人で先斗町に食事に行きました。同級生は、私が出版した本を買って持ってきてくれたので、思わずサインをしてしまいました。大学は千葉大、防衛医大、京都府立医大と3人とも別で、その後辿った経歴も全くばらばらですが、こうして学会で会って楽しく話ができることは本当に浦和高校のお陰です。年末に浦和高校の会合をもう1回やろうという約束をして別れました。

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 JDDW2009の日本消化器病学会では2つの演題を発表する予定で、最初に膵がん長期生存例について発表します。浸潤性膵管がん(通常の膵がん)は再発率が高く、長期生存する割合が非常に低いのが実状です。私達の施設の約200例の切除後の5年生存率は11%でした。浸潤性膵管がん長期生存の条件としては、ステージ3以下,リンパ節転移が無いかあっても腫瘍近くのリンパ節に留まるもの、切除断端がん陰性などでした。

 一方、膵管内乳頭粘液腺がん由来の浸潤がんは、早期の進行度のものも多いため、半数近くが長期生存しました。私達の施設で切除した44例の5年生存率は44%でした。しかしステージ4のがんでは浸潤性膵管がん同様に生存率は極めて不良でした。従って膵管内乳頭粘液腺がん由来の浸潤がんでもステージ3以下でないと長期生存は厳しいことになります。

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 大学時代の同窓会に参加しました。参加者は9人で、勤務医が6人、開業医が3人でした。今回の幹事はワインにとても詳しい友人だったので、ワインを楽しむ会になりました。今回飲んだのは、全て彼がオークションなどで入手したワインで、1959年のムルソーの白ワインや、1961年のエシュゾーなどかなり希少なワインも飲むことができました。エシュゾーは漫画「神の雫」でも重要なワインとして登場していたために、私としても楽しみにしていました。実際も期待通りの深い味わいで十分楽しむことができました。

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 来週は日本肝臓学会、日本消化器病学会などが同時に開催される日本消化器病週間(JDDW)です。私も日本肝臓学会で一つ、日本消化器病学会で二つ、合計三つの発表があります。

 日本肝臓学会では肝内胆管がんについて発表する予定です。肝内胆管がんは切除困難なことが多い上に、切除できても再発率の高い難治がんです。国立がんセンター東病院での肝内胆管がん切除66例の5年生存率は35%でした。肝内転移、切除断端がん陽性、主な占拠部位が肝門部であることの3つの因子が予後不良因子でした。リンパ節転移、腫瘍が大きいこと、門脈切除の有無、肉眼型などは予後に多少は影響するのですが、統計学的には有意な因子ではありませんでした。特に肝内転移があった場合、切除後の予後は極めて不良ですので、手術適応とすべきではないと思われます。しかし、肝内転移があっても切除後2年生存した例もあり、さらなる検討が必要と感じました。

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