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SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

太宰治著人間失格

2019-08-22 | 雑感

太宰治の「人間失格」を読みました。小説の主人公は、著者自身あるいは分身のような人物で、まさに社会的・経済的には人間失格な人物です。しかし、周りの多くの女性達からは愛されて、世話を焼かれ続けます。

この小説を読むと、主人公に明日はあるのか、と考えてしまいます。彼は何とか生きてはいますが、特にやりたいこともなく、生き甲斐もなく、何かを楽しみにしている様子もありませんので、社会的にも経済的にも立ち直れる可能性はないと思います。実際に、太宰治はこの小説を脱稿後直ぐに自殺を図ったそうです。そんな希望もない人間失格な主人公の小説ではありますが、不思議と強いインパクトを残す小説でした。