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SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

胆管内乳頭状腫瘍続き

2013-06-17 | 治療
東海大学で切除した胆管内乳頭状腫瘍の95%はがん(悪性)でした。しかし、その約6割はT1といって早期のがんでした。これは膵管内乳頭粘液腫瘍ではがんが半数程度であるのとはかなり違います。腫瘍の部位は、肝外胆管が約2/3で、肝内胆管が約1/3でした。肝内胆管では粘液産生を認めるものが多いのに対し、肝外胆管では粘液産生を認めたものは僅かでした。少し詳しくなりますが、腫瘍のムチンコア蛋白の発現をみると、MUC1が60%、MUC2が40%、MUC5ACが70%で認められました。全体の5年生存率は55%でした。

日本肝胆膵外科学会のため宇都宮に行きました

2013-06-17 | 学会
2013年6月12-13日に、日本肝胆膵外科学会のため宇都宮市に行きました。宇都宮市に宿泊したのは初めてでした。私は胆管内乳頭状腫瘍について発表し、肝臓と膵臓の3D画像のセッションの司会を担当しました。

胆管内乳頭状腫瘍とは、胆管内の乳頭腫瘍の総称で、肝内胆管から乳頭部までの全てに起こり得る病変です。粘液を産生するものと産生しないものがあります。粘液を産生する腫瘍は、早期に診断されることが多いためか、治療成績が良く、予後良好とされます。東海大学病院でも約20例の切除例があり、その1/3に肉眼的に粘液を認めました。確かに切除後の生存率は比較的良好ですが、リンパ節転移のあった人は再発し易い傾向でした。