Annals of Surgeryという米国の外科雑誌の最新号に、九州大学のグループから膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)では通常型膵癌を合併することが多く、特に胃型のIPMNに多いことが報告されました。なぜ胃型のIPMNで膵癌の併存が特に多いのかその理由は不明ですが、胃型IPMNと膵癌では共にKRAS遺伝子変異が陽性でGNAS遺伝子変異が陰性であることが多いことが共通していました。他のIPMN、例えば腸型、膵胆型などでは大半でGNAS遺伝子変異が認められます。いずれにしても、胃型IPMNでは膵癌を併発することが多いので、厳重な経過観察が必要だと考えられます。