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1982年公開のディストピア・サスペンスSF『ブレードランナー』の、陰鬱で雑然とした近未来観を模倣した(その後の)追随作品は山ほどある。
なかでも、本家に負けない(実に4倍もの)予算をかけた2012年の大作『トータルリコール』(リメイク版)の未来オーストラリアの光景
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ところがところが、今夜紹介する新作『ゾーン414』はチープもチープ。かけた予算は500万米国ドルと、元祖ブレランの5分の1にも満たない。
単にビジュアルの世界観までか、基本ストーリーすら「ブレランノワール」の模倣に徹してる💧んだが、何せ予算がショボい。主役に名優ガイ・ピアースを据えたものの、屋外セットや大道具は誠に「映(バ)えない尽くし」な、あまりに残念すぎる出来となった。「映えなさ」の実例を二つほど挙げとこう。
ひとつ目。
ブレランに倣(なら)い、蛍光管による照明やアナログ技術による視聴覚デバイスが主流な近未来ワールドを描いてるんだが……本作の「それ」はまんま、80年代の家電を引っぱり出す
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ふたつ目。
人造人間(AIアンドロイド)の廃棄=殺害❔要員に手を染めてるダーティな元警察官が、行方不明の女性アンドロイドを探すよう依頼され、彼らと人間の共存特区である『ゾーン414』へ向かう。そのときに利用するタクシー車両が、オドロくべきことに💧 2021年時点のニューヨーク市でバリバリに現役のFORD製イエローキャブ。寸分たりとも紛(まが)いようもない、まんま実車の1台を無改修で流用してる。
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これは興醒め以外の何モノでもなかろう。現代NYから抜け出てきた❔ 唐突な黄タクが1台。しかも、ゾーン414とやらには「この1台」以外、タクシー車両が存在しないらしい。誰がどこへ乗せてもらうにも、使われるのは同一号車ナンバーの、これ1台っきり。いくらナンでも、芸が無さすぎないか💧
ところで、本作タイトル。主な舞台となる架空の街区の地域コードを「あえて414」としたのには、ふたつくらいの理由が考えられる。
ひとつ目は、IT用語における「414エラー」。ネット閲覧しようと指定したURLの記述が長すぎて、求められたページ(場所)が実在するかもしれないけど(文字数制限を越えてて)見せられません❕ と突っぱねられる場合のエラー番号だ。
ふたつ目は、「414」を英字アルファベット読みした場合の「FIF」。俗世間のスラングで「fifi(フィフィ)」というのは、米国刑務所で男性囚人が自慰行為のために密造したセックス玩具、日本の俗称で言う「オナホール」を指す隠語だ。
こうしたコトから「ゾーン414」は性欲や支配欲など、諸処の快楽を機械的に(=人造人間を相手に)満たそうとするために造られた、周囲からは目隠しされた風俗特区であることをイメージさせようと意図したネーミングと推測される。
あとはもう、元祖ブレランを想い起させるシーンの連続だ💧 ※以下の比較スチルは、上:ブレラン/下:本作
冒頭の、工場地帯の夜景から始まる下りから…
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レトロな事務所での、捜査情報のやりとりに始まり…
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予告なく、主人公の部屋に押しかける女アンドロイドとか…
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その開発技術の権威が、古びた屋敷に住んでるキモい初老科学者💧 ってところまで。
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=了=
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