関心空域 ━━ す⊃ぽんはむの日記

元「関心空間」の日記(引っ越し後バージョン)です♪

この半世紀、世界で日米韓だけが『毒性』認定で全面禁止している人工甘味料=シクラメート が解禁されない❕❔ 謎を追う

2020年10月04日 | 日記

二期目の大統領選を争うトランプ政権とWHO(世界保健機関)が反目を強めている。コロナ対応に対する双方の見解は著しく食い違う。

一見スゴく珍しいことのようだが、実はホド遠からぬ過去にも「似た現象」ならごくフツーに起きてきた。今回のように政権一派が(WHOを)敵視する以前に、米国の公的機関FDA(アメリカ食品医薬品局)ですら、WHOと見解を異にするあからさまな“反抗”行動に出ることがあったのだ。

たとえば シクラメート(サイクラミン酸ナトリウム)。またの呼び名を"E952"。昭和の日本ではチクロと呼ばれた人工甘味料の扱い ───。

世界全体では「用量を守れば安全な食材」と見做され、WHOも1979年以降『 1日、体重1キログラムあたり11ミリグラムを許容摂取量とし、食品添加を認める』としている。多くの国がこの国際認可基準に倣(なら)い、炭酸ジュースや蒸留酒など飲料に添加を認める国家・地域は優に100を超えた。さらに❕ そのうち中南米やヨーロッパ諸国など55カ国は砂糖に代わる「ヘルシー調味料」として、広く食品全般に加えて食べることさえも全然OK=糖尿病を防ぎ、健康生活にとって望ましい化合成分だ…としている。

洋菓子作りに混ぜる甘味料としちゃ、砂糖より格段ヘルシー🎵と宣伝して憚(はばか)らない国が……たとえばお隣、中国。


ご覧のように中国では、発売当初から成分名より『甜密素』という一般名称で通ってる。「極甘(ごくあま)の素」とは実に分かりやすい。四半世紀前に食卓に普及し始めた当時は、砂糖の30倍甘く砂糖よりキロ売り安いもんだから、砂糖から人工甘味料に乗り換える動きが起きた。慌てたのが党指導部だ。中国には膨大な人口の「さとうきび産業」就業者がおり、特に周辺省の中小零細業者が山ほど存在する。

国内の(さとうきび栽培農家に基底をなす)古来伝統の“砂糖業”を保護するため、シクラメートなど新参の人工甘味料業者には「造るのは構わんが、一般個人に“砂糖”として売るな❕❕」と厳命が下った。そこだけは勝手ならんが、産業用と輸出用ならドンドン造って使っていい。だから2020年の今、中国産のシクラメートは生産量も消費量も群を抜いて断トツ、世界トップ💪である。

そんな生産状況になったのはもちろん21世紀の話で、日本でも昭和50年(1975年)までは、フツーに甘味料シクラメートの旺盛な生産と消費が続いてた。

特に、シクラメート=『チクロ』はアルコール飲料や炭酸飲料の甘み成分として相性が良く、炭酸やアルコールが人の舌に与える痺れ感と同時であっても、なおかつ、そのピリピリ刺激を超えた🍒甘~い味覚を感じさせられる珠玉の調味料なのであった。


万博世代=1970年に小中学生だった世代なら誰しも当時、粉末で袋売りされてた炭酸メロン味ソーダを憶えているだろう。

あの、舌に刺さるシュワシュワ刺激と同時に染み渡る、甘ったる~ぅいメロン❔味を憶えさせてた含有成分の正体こそ、当時のジュース製造界を席巻してた人工甘味料チクロ❕ に他ならなかった。

しかし1975年、日本政府はチクロ摂取(生産・食品添加・販売)を禁じる。その意向を受けて、粉末炭酸ジュースも姿を消す。代わりに砂糖を使ったのでは、炭酸のキツさを弱めないと甘く感じない。試作してみたが「コレジャナイ」と評判悪い。各メーカーとも、人工甘味料ヌキに粉末メロンジュースを造り続けるのは無理、造っても売れないと判断せざるを得なかった。

なぜ日本じゃ、シクラメート=人畜有害のレッテルを貼られたのか?

繰り返すが現代、この成分を有害とみなしてる国はとても少ない。保健環境の整備国・未整備国を問わず、食品添加は認可されている。ただ認可範囲には大きく二分されており、保険弱国では飲料添加だけ。保健強国ではヘルシー調味料として“フル認可”、という傾向が見られる。おそらく、消費者の健康志向が未成熟な国で“フル認可”してしまうと、砂糖より安価なシクラメートを山ほど使ってしまい、安全な摂取量に留められない危惧があるのだと思われる。
 
 





なぜ日米韓 3国だけが今も"世界常識"に抗(あらが)ってるのか?


きっかけはアメリカ、60年代に行われた動物試験の研究報告だ。

サッカリン、アスパルテーム、シクラメートなどの人工甘味料を多めに投与された実験用ラットの雄♂に、膀胱がんの発症が認められた(との説明がなされた)。これらの報告を受け、ごく一時的に米政府は人工甘味料に「発がん性アリ」とのレッテルを貼り製品出荷を凍結。ほどなくサッカリンやアスパルテームは(禁止を)解かれたが、最終的に1969年、政府によって長官をスゲ代えられた直後のFDAはシクラメートだけを「発がんのリスクを否定できない」として国内での製造や流通を禁止するに至ったんである。

同国内では1973年、「シクラメートで報告と同様な実験をしても、いっこうにラットの発がん性は認められない。報告は誤りでは?」とFDAに抗議&禁止撤回を求める研究機関(アボットラボラトリーズ)も現れる。しかし、申請は却下。1982年の再申請に至っては、2020年現在まで却下も審議もされないのに❕❔出願者たるアボットラボラトリーズがまったく抗議せず放置する……という異常事態になっている。

つまりだ。

ぶっちゃけシクラメートは、冷戦当時の共和党政府が人工甘味料を「発がん性物質」と名指しして緊急に出荷凍結したパニック騒動の、その「正当性を示すための“いけにえ”」にされた可能性がキワめて濃厚なのだ。アボットラボラトリーズがFDAの不当で姑息な申請シカト戦略に抗議しないのは、「シクラメートが無害なことは今や誰でも分かっていて、科学的な真実を(米国で唯一)申請した機関、という実績さえ残れば、別に認可されなくたって構わない」と達観しちまってるんだろう。

ところで、1969年のシクラメート禁止を受けて、ほぼ同時に韓国フィリピン、米領沖縄でシクラメートが禁止される。いずれも米軍兵が大量に進駐してた国・地域だ。

遅れて1973年、シンガポールでもシクラメート禁止。当時のシンガポールは長年の守り神だった英国軍から撤退を打診されており、冷戦を通じて関係を深めてきた米軍との同盟を(将来的には進駐認可も含め)模索する身であった。

前年72年には沖縄が日本に返還される。食品業界には「チクロが使用禁止になるらしい」と事前情報が流され、前述のジュースなど“人工甘味料🍹銘柄”が次々と製造終了。1975年、正式に日本でも全面禁止となるのだった。


どうしても否めない「ベトナム戦争の影」


一連の動きが起きた時代は、ベトナム戦争まっただ中。

米国政治はリチャード・ニクソン(第37代:共和党)~ジェラルド・フォード(第38代:共和党)~イラン大使館人質事件など"弱腰外交"で叩かれた民主党のカーター※政権1期限りを挟み ~ご存じ❕ ロナルド・レーガン(第40代:共和党)……と、まあブイブイのタカ派政権が次々と連なってた。
台湾と断交して在台米軍を撤退させた下手人はズバリ彼である。リベラル外交=戦争の痛みを嫌がって中国共産党に阿(おもね)る!? という恥すべき売国の方程式を彼こそが確立し、米国民としては国恥の極みであるノーベル平和賞にも叙された。


加えて、米国社会では合成麻薬LSDが薬害、軍事(=兵士の精神操作)の両方で研究され、戦時下の歴代政権はヒトに対する人工成分の摂取や影響に並々ならぬ関心を煽(あお)られてもいた。

こういう空気の下では、「ある種の人工食品が若者や兵士の健康に被害を及ぼすかも」という可能性が提起されたら、過剰に反応する例も出てくる。


ベトナム戦争の泥沼化でアメリカ国民(特に白人層)は将来に漠たる不安を抱き、未来に明るさを確信できない状況が生まれていた。当然、若夫婦が持とうとする子供の数もこの時期、急激に堕ちて“ほぼ半減”。政府は自国の人口規模を保つためにも、兵士、市民の健康維持に躍起とならざるを得なかったのである。

アメリカ社会の集団ヒステリーが引き起こした「シクラメート有毒説」。それを冷戦という緊張感のなかで、冷静な科学的アプローチを経ず感染(うつ)された日本韓国フィリピンシンガポール

これら「禁止5カ国」のうちシンガポールでは、原則、国内でのシクラメート添加行為は禁止されつつも2011年以降、シクラメート添加食品や飲料を輸入販売摂取する行為に関しては「商品ごとに法令で認可」するよう緩和されており、「事実上は禁止されてない」とも言える状況に変化した。またフィリピンでは2013年、ドゥテルテ政権の下「シクラメート全面解禁」が実現した。

こうして今、ついに❕❕❔ 世界で日本と韓国だけが、禁止令を出したアメリカ共和党人脈のメンツを守るためだけにシクラメートを「毒だから、作るな売るな食うな飲むな」と言い張ってる。日本の食品安全委員会は満足な科学的根拠も示せないクセにダラダラと45年、飽くなき「米国への忖度」と無責任さでシクラメートを有害指定し続けているのである。

そもそも、人口の安定的維持が至上課題の中国ですら、シクラメートは何十年と食されてんだ。本当に発ガン性が(ヒトに僅かでも)認められたら当然、共産党首脳部にも因果関係が報告され、ただちに❕ 摂取禁止の厳重発令が下りてなきゃオカしい。アメリカの禁止根拠がフェイクな妄想であることは、とっくの昔にバレバレ💧 なんである。
=了=

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