山々の緑が"歯抜けに"枯れてゆく・・・ロシア統治下の国後島、最新の『アカエゾマツ絶滅危惧』をネット画像で追う…❕

昨晩、NAVERまとめさんに下の↓ まとめをUPした。

実はロシアで５年前、"密かに"日本語による北方領土観光❔サイトが構築されていた……という趣旨の記事だ。サイトについて詳しくは、上掲のリンク先を読まれよ。

で、きょうの記事はそのサイト《クリリスキー》のロシア語版ニュースのなかに取り上げられていた「国後島の森で、枯死する樹木が激増」という話材をチョイスする。世界に蔓延するコロナウイルスのように、極東北部のエゾマツが「まるで何かに感染したように」バタバタと立ち枯れ。

特に、国後島のアカエゾマツの、ここホンの数年の枯れっぷりが酷い💣らしい。山合に登ると、森の樹々が緑と"くすんだ赤茶色"の↓ まだら模様になってるのがワカる。

ところで現地の森では、どんな樹木が主に生えてるのか。

正解は、高木に関してはトドマツとエゾマツが混ざり合った常緑針葉樹林である。知床半島や南サハリン、沿海州の森でも事情は変わらない。

トドマツ、エゾマツは（マツはマツでも）モミ属とマツ属に分かれ、上の画像のように外観も異なる。

トドマツの枝は上に行くほど、幹から生え伸びる角度が上方へ反ると言うか、「角度が立って」くる。モミの木なんだから、クリスマスツリーを思い浮かべてもらった方が早いか。対してマツ属は上から下まで水平に枝を拡げる。横からの強風を「やり過ごす」ために進化した成長法だ。この他に…

🌲モミ属の木は一般に、真上からの荷重と冬の低温に強い。横風と夏の暑さに弱い。
🌲マツ属の木は一般に、積雪にもろいが横風には強い。暑さ寒さに強いが虫に弱い。
- かつ、モミ属の木はアスナロなどと同様にアビエスと呼ばれる抗菌/消臭/防虫成分を生成し、いわゆる「森林の香り」を周囲に放って害虫や病原菌を遠ざけるとされる。

ならばトドマツとエゾマツがタッグを組めば、コワい物は無いのだ。だから両方の樹はゴッチャに混じり合う。1か所に片っぽの種類だけが群生することはない。

が、「害虫を忌み遠ざけるトドマツ」も万能ではない。虫の数が優ればエゾマツたちを守ってやれない。かくしてアカエゾマツに病害虫が集(たか)り、ここ数年の大災禍となった。今や、アカエゾマツはロシアのレッドデータブック上では「絶滅危惧種」に指定されてるんだと。

針葉樹にとってのコロナウイルス、キクイムシの蔓延💧

なぜキクイムシが、ここへきて大増殖しちゃったか。ぶっちゃけ、温暖化が悪いらしい。っても、キクイムシが暖かい気候を好むとかではない。直接的には、強大化した台風が高緯度地域まで（当たり前のよーに毎年）猛威を振るうようになったのが、主因。

森林全体がザバザバと大水に洗われるよーな暴風雨に見舞われると、当然ながら樹々も土壌も「高湿度」になる。過多な水分が抜け切るのに、２年ほどの歳月が要る。樹皮深くに植え付けられたキクイムシの卵や、孵化した幼虫たちは樹木や土が湿り過ぎてると検知するや巧みに「省エネモード」に切り替わり、孵化するのを遅らせたり、幼虫としての成長期を1~2年延長させたり出来るのだ。そして、甲虫として生きるのに適切な環境になったと見計らっていっせいに蛹になり、成虫へと羽化する。

結果、大きな台風被害の2～3年後にはキクイムシの成虫が大量発生して（あたかも潜伏していたウイルスが健康被害を発症させたかのよーに）急激に❕ エゾマツの樹肉を喰らい漁りはじめ、ついには枯死に至らしめるんである。つまり、針葉樹にとってのパンデミックは、感染から発症までに２～3年の「潜伏期間」が介在し、そこから3年間ほどは猛威を振るうってことになる。

この記事【2019年】の３～４年前ってば、2015年か16年辺り。そんな台風、国後島に来てたっけか❔　もちろん↓ 来てたとも

北海道民なら忘れようもなかろーが、特に❕ 2016年は北海道の「台風💦当り年」と言われた。これらの傷跡が祟って、国後のアカエゾマツも（2018年頃から）急速な立ち枯れ被害の拡大に見舞われ続けてる……ということらしいのだ。

よおく目をこらして観察すると、立ち枯れはすでにトドマツにも及んでるのが確認できる。

この因果説が正しいなら、千島列島におけるキクイムシの猛威は今年いっぱい衰えることはないだろう。一刻でも早く森の緑が回復に向かい、枯死禍が終息することを切に願う。

なお冒頭で前置きした通り、本日記事のニュースソースはこちら。

＝了＝

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