
ちょっと前の政権不祥事、石倉洋子・デジタル監(72歳)が PIXTA他の素材画像を自身のブログサイトで無断使用し続けて閉鎖に追い込まれた“事件”について考察してみよう。
わたしは、多くの批判者が「彼女のしたことを誤解してる」と思ってる。まったく的外れな方向に「上級市民エリートの(無意識の)おごり」だとか糾弾してる“専門家”の投稿記事を読むと、そのカン違いな暴走解説ぶりに苦笑せざるを得ない。
それもこれも、彼女が年の功キャリアの功で「今さら細かい言い訳をしても見苦しいだけ」と悟り、世間への弁解を自ら断っているせいだ。上智大学外国語学部卒業後、フリーの通訳など経てハーバード大学大学院にて博士号取得。マッキンゼーのマネジャー職から青学大、一橋大、慶應大で講義して現・一橋大学名誉教授。この肩書きは伊達じゃなく、人としてのマナーを欠いては通れなかった。
では、そんな人格者が何故、堂々と「悪いこと(=版権の侵害)をしてしまってた」のか。
厳密には、彼女が端的にツイッターに謝罪した、その文章↓ に「真実」がある。
そう、彼女は「まったく自分の不注意」だったと詫びた。
ただ「どんな不注意か❔」まではいちいち説明しなかったので、(受け取る側では)悪いように悪いように、果ては老害論

それが、意思疎通の不全=行き違い の悲劇じゃないか❔と憂えてならない「拙者の推論」を以下に説いておこう。
1. 石倉氏が うっかりカン違いしてた「素材画像の借用マナー」は、2000年前後に主流だった「旧世代の流儀」だった
石倉氏は、GMOペパボが運営するレンタルサーバー『ロリポップ!』上に、自身が「公式」と位置づける個人ブログを構築している。先般のPIXTAの指摘を受けて以降(※2021年9月15日時点も)閲覧できないが……魚拓としてネットに出回ったスチルショットに、「ディベートで討議を交わす男女のイメージ」というのがある。(未購入を示す)PIXTAの透かしロゴが入っているのに、ブログ記事の挿絵に掲げて利用していた。
同様な透かし入り画像は、実は当ブログでも過去に掲載例がある。しかし、いずれも「PIXTAで こういう画像が販売されている」という紹介目的であり「ブログ主の私利のために用いているのではない」ので「利用している」範疇に当たらない。だが石倉氏のように「自身がディベートについて論説した投稿の挿絵に、ディベートの画像を使わせてもらう」ってんなら、モロ「利用」に該当する。透かし入りの見本画像を載せるのでなく、きちんと購入した上で (透かしのない)画像を貼らねばならない。
一方、同じようなテーマの

わたしは、この画像を購入してない。しかし、このサイトの掲げる画像利用規約では「無料商品については版元を明記すればOK」となってて、だから上掲のように「Designed by Freepik」の文言を添えて使うことができる。
かつてネット上の画像/音源の配布サイトでは、この「版元(が当方にあることを示す)ウェブサイト屋号、乃至はURLを明記してくれれば、無許可で利用してもらって構いませんよ」という借用ルールで溢(あふ)れかえってた。ほとんどは個人版権者や中小SOHOな版元運営の「見本市」サイトで、彼らは自分や自社の業界PRを兼ねたボランティア=相互扶助の精神で、将来の無限の利益を夢見つつ「インターネット社会の勃興期」を下支えしてたのだ。
Windows-OSだと、Windows95発売からWindows XP全盛くらいまでの間。
だいたい20年くらい前の、スマホも存在しない時分のネット社会では「それがメジャーな素材コンテンツを借りるマナー」だった。「基本、カネ出して買えよ」なんていう💧 商魂丸出しのコンテンツ販売業者はウェブ経由では現出しておらず、そうした営利目的ならテーマごとの素材画像集や素材音源集を(書店や電器店などを通し)CD-ROM商品として売り出してた。
おそらく石倉氏は、そんな時代のネット社会に博士課程や学術活動の毎日を過ごした人物なのだ。すべてがカネ儲けに供される現代の、ごくごく身近なコンテンツの貸し借りマナーにだって根本的な激変が来(きた)してたとは、ついぞ💧 思い至らなかった。
おそらく、それが彼女のツイートした「まったくの不注意」の正味だろうと推察する。
石倉氏は、学究時代に自身がPCのキーボード叩いてガン見し続けてた「かつてのネット社会」の、その慣れ親しんだ「半ば暗黙の公共マナー」が「ほとんどのコンテンツ配布業者が排してしまった旧世代マナー」と化してる点に(指摘を受けるまで)気づいてなかった。たしかに「デジタルの専門家」ではない。大所高所に建っての経営ビジョンについては専門家なれど、ネット市民の最新世代が暮らす日常のなかでは「デジタルの浦島太郎」である。
彼女の中では単純に=何ひとつ悪気なく、「版元の透かしが入れてある低解像度の見本画像」イコール「版元が "誰でもご自由に使っていいよ🎵"と販促用に配ってる試供品画像」と誤認し切ってたのだ。
それで彼女、わざわざ「透かしの入った画像」「版元URLやサイト屋号の刷り込まれた画像」ばかりをググっては、適当なモノがあると自身のブログ記事に貼りまくってた。笑っちゃあ💧イケないよ。それこそが「版権を侵さない最低限の基本マナー」と信じてたのだから、当然の行動だったんだ。よもや、それが「全部 裏目に出て堂々たる不正💣に見られる」だなどとは夢の夢にも❕❕ 思ってなかった。
#書類の山と格闘中
2. 本当に「悪意で無断掲載する気」だったのなら、いくらでも公然と、ナニ食わぬ顔で盗用できる別の手段が採れてた
もっと極論を言えば、そうとも言える。どういう意味でか❔
上述の「石倉氏が無断で利用した」ディベート画像を描いた製作者さん

jenny on the moon
…というハンドルネームの、ウクライナ人イラストレーターである。
東欧出のクリエイター(コンテンツ作家)には得てしてアリガチ💧なのだが、この人。。。少しでも多枚数を売りさばきたい余り、そこらじゅうの大手

こんな節操ない売りかたに出ると、たくさん売れるどころか「不正に使われてしまう危険」が限りなく増してしまう。
なぜか❔ ここに列挙した業者の多くは「初回 XX枚まで無料」と称したFREEトライアルプランを常設してる。
すると、
(1)誰かが購入してネットに上げてる「透かしの無い正規の精細画像」を無断ダウンロードして、自分のサイトに勝手に貼る
(2)上掲のうちのA社から「ウチの画像、買わないで利用されてませんか?」と照会を求められた
としても、
(3)平然と「いいえ。ご指摘の画像はB社かC社か、よく覚えてませんが無料トライアルで入手したんです」と回答する
(1)誰かが購入してネットに上げてる「透かしの無い正規の精細画像」を無断ダウンロードして、自分のサイトに勝手に貼る
(2)上掲のうちのA社から「ウチの画像、買わないで利用されてませんか?」と照会を求められた
としても、
(3)平然と「いいえ。ご指摘の画像はB社かC社か、よく覚えてませんが無料トライアルで入手したんです」と回答する
なんて言い逃れがかくも容易にできてしまうのだ。だからコンテンツのクリエイターは欲張って「たくさんの販売業者」に出店してはダメ。基本、入手ルートが絞られてる画像ほど、無断に盗用される危険は減らせる。
翻(ひるがえ)って石倉氏は。そんな「フタを開けりゃ 無断で使っても不正が限りなく認定されにくいイラスト画像」にまで、PIXTAの透かし入りのやつを選び取ってた。
いかに氏が、「悪気や傲慢や(無意識な)欲得ゆえ」でなく「版権者を明示する"マナーを守り"たかったから」そんな行動に走ってたか。 こんな一面からも、もはや真相たるの疑う余地はないと思われてならない。
無論、ここまで「正反対に誤認してた"不注意"」の責任は厳に氏個人にあり、そこは弁解も反論も出来ない。それを踏まえた上で、なおも彼女に対し「傲慢強欲に無神経になった老女」のごとき罵声を浴びせる批判者らの神経だって、さすがにいかがなもんか❔❔ との疑念も尽きんのである。
ブレーキとアクセルを踏み間違えれば、人が死ぬこともある。しかし版権順守マナーの勘違いで、ただちに人命までは損なわれない。
=了=
この話題の関連記事:
- 日の丸ロケット旗艦:H-2B運用終了、H-3試験機打ち上げへ秒読み。世界「背比べランキング」だとH-Ⅲの位置は❔
- 中国米国をWTO提訴へ ─── WTO提訴、提訴数の多い国(貿易損の過敏国)は❔ ランキングはどんな感じ❔