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🌟朗報🌟 エセ"山水|SANSUI "ブランドで荒稼ぎしたインドの悪質家電大手ビデオコンの瓦解を振り返る❕

2019年03月15日 | 日記

わたしはかつて、まとめサイト上で『ブランドだけが海外で悪用され放題の「山水電気」・・・商標権、苦境で安売りの手痛いツケ』という記事を掲げたことがある。

昭和オーディオブームを背負って立ってた『オーディオ御三家』のひとつ山水電気が、日本では破産消滅。中国メーカーがブランドを引き継いでからは、取り扱い製品が液晶テレビやスマホなど、流行りのデバイスを軸とした総合家電になってしまい、かつての「山水ブランド」の面影は無い…という話。および、インドの販売代理店は(それでもサンスイを)中国メーカーだと言わず、消費者には「高品質で定評の日本製品だ」と今も偽っている、という2つの話材をまとめたものだ。

インド山水はインドの"総合"家電大手《ビデオコン・インダストリーズ》傘下の子会社で、COOはAmitabh Tiwari氏。《ビデオコン・インダストリーズ》は海外の名門家電ブランド各社と(インド市場における)独占販売代理契約を結び、国内の実店舗・ネット店に販促卸活動を行って利ざやを稼ぐという、言ってみれば「家電メーカーと言うより家電ブローカー」として急成長を遂げた集団だ。

しかし、欧米ブランド品は富裕層に(ひと渡りの必需品目が)普及し切ってしまうと売れ行きは頭打ち。より成長しようとすると「より下の階層」へも購買を促すため、価格競争の激しい廉価品目でも勝負せねばならず、利益率は落ちて次第に「ジリ貧事業」化していった。グループはエネルギーや通信インフラ事業など、薄く広く持続的な利益が見込める業態への多角化も図ったが、それにつけても目先の現金が要るコト。

このためメインの家電事業においても、徐々に「なりふり構わぬ誇大宣伝」や「イメージ優先の派手な拡販キャンぺーン」など、詐欺まがい的な集金体制を敷くようになってゆく。その点、インド山水は(仕入れ値の安い)中国製家電を「日本製」だと言って比較的"お高めの"値段で売りつけるワケだから「手っ取り早く稼げる」ドル箱部門。山水のグループに占める利益貢献度は高まり、それを受けてグループが Tiwari氏に割り当てる「広報宣伝予算」も盛られていった。

特に2016年から17年、グループが経営破綻する直前の「SANSUIの露出度」と言ったらなかった。同社はその両年連続で、正月のボリウッド映画界スター表彰イベントをインド全土にライブ放映する冠TV番組を担ったくらいだ。


そんな(親会社の懐事情をヨソに)見かけ上は「絶頂期」みたく華やかだった2016年12月のインタビュー記事の時点ですらTiwari氏、しれ~っと
 
 > Sansui is the leading Japanese consumer electronics brand in India.

などと答えている。とても"大企業"トップの発言とは思えない。まあ、その堂々たる詐称行為が(この21世紀のネット時代に)何年もバレず公然と通用してしまう「インドという国」もどうかとは思うが。しかし、この2016年の春にインド山水は致命的な「墓穴」を掘り始める。従来の液晶薄型TVで築いた知名度を基に、クーラー販売に乗り出したのだ。


冷房専用クーラーの中国製品など、ボロ糞に(仕入原価は)安い。これに「日本のサンスイ製」という偽看板をくっつけて高値で売れば、当然ボロ儲けできる…ハズだった。しかし、看板元の(中国の)山水電子は液晶TVメーカーだから(そこそこ)製品の耐久品質を担保できても、下請けのクーラー屋から仕入れた「にわか山水」の中国製クーラーは、中国の沿海部の気候下で(かろうじて)そこそこ故障せず使えるレベルの耐久性しかない。

顧みてムンバイなど、インド北部諸都市の気候は「砂漠気候」そのものであり、夜も30度超え湿度100%の「地獄の雨季」が半年近く続き、クーラーは冷蔵庫のように「長期連続フル稼働となる。当然ながら、その過酷な使用状況では故障機が続出❕となった。

なのに、である。インド山水は(つか、ビデオコンの経営陣は)サポート体制なるモノを どう考えていたか。《お客さま相談窓口》的な、24時間年中無休の無料サポートダイアルが、あるにはあった。しかし、その代表電話番号「39404040」をググると……何とまァ、その番号はビデオコン(およびLG)製品、エレクトロラックス製品、そしてサンスイ製品…と実に、インド国内の白物家電メーカー4ブランドの「共通受付窓口」になっていることが判る。


こうなると(遅滞なく問合せコールに出るには)総勢5~600名からのオペレータを置く、世界でも類を見ない「巨大コールセンター」が要るハズだが。。。。所在地とされたビルの当該階の床面積からみる限り、せいぜい3~40人のオペレータしか置いてなさそうだった。

しかも、前述のごとくビデオコン自体は製造部門を持つメーカーではないから、オペレータ要員らにとっては「4社の他社製品群の技術的な問題を聞き取り、調査分析し、解決に導く」という高難度の業務を求められるコトになってしまう。真っ当に応対してたら「ひとりの顧客に対応するにも最短、1件3~4時間は要する」ことになろう。これじゃ現実問題、お話にならない。「いつ電話しても誰も出ないという巷のレビュー評も、さもありなんという お粗末に過ぎるサポート体制だったのである。

さあ困った。

結構なお値段のクーラーは電気を喰うだけで(熱暑を)冷やしてくれず、カストマーダイアルへ何度電話しても誰も出ない。これでは、悪しき風評が堰を切って拡がるのは当然だ。そんな体たらくだったゆえ、とてもじゃないが経営陣の目論んだほどに『"山水の"クーラー』はバカ売れしてくれなかった。そして、翌2017年のクーラー商戦が本格化しようか、という3月某日……《ビデオコン・インダストリーズ》経営破綻


同年12月に破産手続きが始まると、昨18年の年明けには(厳密には事業の全部が途絶えていない…とは言え)ビデオコンのホームページも、サンスイのホームページも消えた。恒例のボリウッドスター表彰イベント番組のスポンサーは、モバイル通信事業会社の《JIO》に明け渡された。

日本ブランドに泥を塗り、買った客を泣かすことで(見かけ上は)栄華を誇った家電帝国は、滅ぶべくして滅び、まさに幻と消えたのであった。
 

最後にひとつ、次回投稿へと繋ぐ「余談」をば。

下の写真は、まとめ記事でも取り上げたことがある。いわゆる「サンスイ特約店」の一軒である、ムンバイの老舗《ハリシュ電気》さんの店頭の光景だ。広い売場内にはSANSUIの薄型液晶TVを並べる一方で、売れ筋ド定番である主要各社の白物家電(特に洗濯機)もまた、所せましと陳列されている。季節は乾季のため、夜遅かろうと店先の屋外まで梱包された商品が野ざらしだ。

 
と…ありゃりゃ❓❓ 黄色の矢印で示した「得体のしれない家電❔製品」も何台か見えるぞ。

いったい全体、これはナニ❔❔ 正解は、インドで暮らした経験をお持ちのかたなら当然、よォくご存じの「とある用途の電気器具」だ。次なる投稿では、このインドならではの物体の正体を明らかにする。ではでは
=了=

 
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