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桜がが満開となりました!

2019-04-01 11:05:56 | 最近の話題

□□□□□‐‐‐ikiikiclub mail magazine‐‐‐□□□□□

      2019.4.1.第224号

            「生き生きくらぶ」事務局
 http://ikiikiclub.sakura.ne.jp/ 
       編集発行人:「生き生きくらぶ」代表 上田 亨

   桜がが満開となりました!
 近くの東京学芸大学のキャンパス、野川公園、小金井公園に花見に行ってきまし
た。いつ見ても裏切られることのない幻想的な美しさです。桜・桜に包まれ、桜の
世界に吸い込まれそうです。見上げれば、頭上に分厚い桜の雲が広がっています。
 今年の冬は雨が降らず、野川の川床も干上がっていましたが、3月の雨でやっと
流れが戻りました。水面に花筏が浮かび、連なってゆっくりと流れていきました。
まわりの柳が華やかな桜を引き立てるように新芽をなびかせています。

 最近の話題として「海洋プラチックごみ問題」を取り上げます。東南アジ
アで深刻化する前記問題に対し、取り組む機運が生まれています。

◆ 海洋ごみの排出ワースト10
 経済発展の著しい東南アジア諸国が上位を占めています。
 1位:中国(880)    2位:インドネシア(322) 3位:フィリピン(183)
4位:ベトナム(159) 5位:スリランカ(159)  6位:タイ(103)  
 7位:エジプト(97) 8位:マレーシア(94)   9位:ナイジェリア(85)
 10位:バングラデシュ(79)  数値の単位は万トン

◆ 海洋汚染事例
 ・スマトラ島のランプン州海岸には30トンものごみが堆積していました。
 ・バリ島のビーチには大量の海草、プラスチックごみが流れ着いています。
 ・フィリピンやタイではプラスチツクごみの多さが一因となって人気リゾー
  ト地が閉鎖に追い込まれています。
◆ 生態系異変事例
 ・クジラやアザラシが大量のプラチックを飲み込み、死亡しています。
 ・イワシ、タラ、カレイなどの消化器官にプラチック片が残っています。
 ・ウミガメの鼻にプラチック性ストローが突き刺さっていました。

◆ 東南アジア諸国の取り組み
 ・小売り大手がレジ袋やストローの提供を減らしています。
 ・タイやインドネシアでは外資と組んで、キャッサバやサトウキビ、海藻等
  の植物資源を生かした新素材の開発に取り組んでいます。
 ・建設用資源向けに輸入していたプラスチックごみの流入を停止しました。

◆ 日本の取り組み
 6月に大阪で開くG20首脳会議で議長国として海洋プラチツクごみ削減を
 主要議題とします。私は日本がごみ処理先進国として以下の計画を進めるこ
 とを期待します。
 ・東南アジア諸国に対し、ODA資金を使ってごみ回収と新素材開発支援
 ・海上のプラスチックについて微生物による分解促進、ロボットによる回収
 ・海水に溶けて無害化するプラスチックの開発
 ・紙製品等プラスチツク代替製品の開発


       第224号の目次
    ■1 年寄り往来
    ■2 イグ・ノーベル賞の不思議
    ■3 ボールペン 
    ■4 気ままに自己流川柳 
    ■5 春の訪れ

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

◆1         年寄り往来

         ( 千葉県市川市  星野 二郎 )
 年を取るというのはどういうことか、年を取って初めて分かってきた。
 ・難聴、ひざ痛、腰痛等、身体のあちこちに不具合が生じてくる。
 ・新しいことは覚えられないが、昔のことはよく覚えている。
 ・判断力・理解力が低下する。
 ・諸事に関心はあるものの、操作や手続きの煩雑さを考えると実行は鈍る。
 ・強気で頑固・独善を通すかと思うと弱気で同情・いたわりを求める。
 日常の出来事の中で、こうしたことをしばしば実感する。

◆◆  病院では半人前 ◆◆ 
 先般、訪れた病院では、医師は患者である私の顔を見ないで卓上のパソコン
(電子カルテ)を見ながら、ボソボソとしゃべる。難聴の私には聞き取りが困難
である。
 「エッ・・・」、「ハッ・・・」と何回か聞き返す。とうとう医師は機嫌を
損ねる。「次から話の分かる人と一緒に来てください!」という。私は話の分
からない人のようだ。

 「次は女房を連れてきます」と言うと、「奥さんは何歳かね?」と尋ねる。
「80代です」と答えると医師は不機嫌に首をかしげる。「かえって迷惑?」
「私に若い奥さんがいるはずが無いじゃない!」と言いたくなる。
 「二人で、一人前以下!」「医は仁にして、商?」ということらしい。医師
のイラダツ気持ちも分かるが病める人の心情も分かってもらいたい。できれば
患者対応マナーを大学の必修に加えて欲しい。
  ⇒ 「老人はつらいよ!」 「小児科に行きたい!」 心境だ。

◆◆  プールでは要注意人物 ◆◆ 
 週に2回位プールにでかけ、水中ウォーキング、水泳、入浴をこなす。バタ
バタ泳いで、プールサイドまでたどり着くと女性スタッフが目の前に待ち構え
ていて「大丈夫ですか?」と問いかけてくる。
 また、巡回のスタツフは「星野さぁーん、水分を補給してくださぁーい」と
声をかけてくれる。他の人には余り「声掛け」しないのに私にだけ、どうして
?。年寄りの深読み:スタッフ室では「あのじいさん、水に入ったら目を離す
な!」ということかも知れない。

◆◆  スポーツジムで黒一点  ◆◆ 
 高齢者向けの「肩こり、腰痛予防教室」が始まる。目をつけられていたのか
私が一番に勧誘された。まずはシジイ2人、ババア10人でスタートする。2
~3回でジジイ1人がやめる。
 私もやめようと思っていたら、気配を察したのか、「△△dayにチョコレ
ート!!」をくれる。やめるにやめられない。
       「男はつらいよ」

◆◆  三種の神器(じんぎ)  ◆◆ 
 天照大神以来、歴代の天皇が皇位のしるしとして受け継いできたという三つ
の宝物で八咫鏡 (やたのかがみ) ,草薙剣 (くさなぎのつるぎ) ,八坂瓊曲玉
(やさかにのまがたま)から成る。
 これにあやかり、戦後復興期(1950年~1964年)には家庭の豊かさを象徴する
ものとして電気洗濯機・電気掃除機・電気冷蔵庫を三種の神器と呼んだ。さら
に、高度成長期(1965年~1973年)にはカラーテレビ・クーラー・自動車を新三
種の神器と称した。又、英字の頭文字をとりこの時代を3C時代とも呼ぶ。

 平成時代(1989年~2019年)になると、ネット化が進み、三種の神器はパソコ
ン、スマホ、カーナビにかわった。これらを使いこなせる若者にとってはとて
も便利だが、技術の進歩についていけない高齢者にとっては無用の長物だ。

◆◆  日本の三大名所  ◆◆ 
◇ 日本三景:松島、天橋立、宮島
 江戸時代前期の儒学者・林春斎が1643年、「日本国事跡考」の中で代表的な
3つの名勝地として挙げたことに由来する。私は岡山県に長年住みながら、宮
島を初めて訪れたのは2015年で、「もみじ饅頭」と「しゃもじ」を買った。
 造船会社に在籍していた私にとって思い出深いことは、1954年の国鉄発注の
「みやじま丸」の進水式だ。支綱切断しても動かず、大慌てで船首のジャッキ
で押すがやはり駄目。後刻、沖からタグボートで引っ張り降ろした。

◇ 新日本三景:三保の松原、耶馬渓、大沼公園
 1915年、日本三景にならって実業之日本社主催による日本新三景の選定が行
われた。全国投票の結果、上記の3つが選ばれた。なお、三保の松原は2013年
「富士山信仰の対象と芸術の源泉」の一部として世界文化遺産に登録された。

◇ がっかり三名所:高知はりまや橋、長崎オランダ坂、札幌時計台
 いずれも歌で親しまれた名所なのに、他の名所と同じく景色がよい所と思っ
て訪れるから、がっかりするのではないか。はりまや橋は高知県民謡「よさこ
い節」で、オランダ坂は渡辺はま子の「雨のオランダ坂」で、札幌時計台は裕
次郎の「恋の町札幌」で全国的に知られている。

◆◆  船と関りのあった我が人生  ◆◆ 
 少年時代スマートで、目先がきいて、几帳面な船乗りにあこがれた。夢は外
国航路の船長になることだった。しかし、時代の波は少年の夢とは遠く、日に
日に国全体が戦争一色に包まれていく。
 神州不滅、打倒鬼畜米英、護らで止まじ身を捨ててとの信念の下、海軍兵学
校に進む。常在戦場、万事駆け足ということで厳しい訓練に明け暮れた。とり
わけ、時間節約の必須技術と言われたのが早飯、早ぐそ、早風呂である。

 戦後は造船会社に勤務し、定年まで勤めあげ、その後も生きながらえて80
余年になる。少年時代、天寿を全うするなど夢想だにしなかった。これも多く
の方々に親切にしていただいたお陰と思う。感謝!!

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

◆2       イグ・ノーベル賞の不思議
― なぜ、日本人が立て続けに受賞するのか ー

( 千葉県流山市 中楯 健二 )
 日本人は12年連続でイグ・ノーベル賞を受賞している。なぜ、日本人はノー
ベル賞のパロディーと言われるこの賞に強いのか。それは多分、日本人には世
の中を面白がらせようとする精神が昔からあるからだと思う。
 動物を擬人化した高山寺の鳥獣戯画しかり、物や風俗など約4000図を描いた
北斎漫画しかりである。世情を観察して写し取ったものには誇張した表現が含
まれ、笑いを誘う。

 また、作家の井上ひさしが創作活動の基本とした言葉「むずかしいことをや
さしく、やさしいことを深く、深いことを愉快に、愉快なことをまじめに」は、
まさにイグ・ノーベル賞の精神そのものだ。
 科学に対する探究心とユーモア精神の融合である。本来は混ざり合わない異
物同士を結合させると化学反応を起こして、大きなエンターテイメントに変化
することをイグ・ノーベル賞は証明している。
 世の中を笑い飛ばそうとする意図が読みとれる。日常的に落語や漫才などの
お笑いに親しんでいる日本人の感性に合っているのかも知れない。

 この賞は1991年にアメリカの科学雑誌が創設した。「人を笑わせたり」「考
えさせたり」することによって、科学、医学、技術に対する人々の興味を喚起
するユニークな研究に対して贈られる。
 不名誉だとか、恥ずかしいなどの意味がある英語の形容詞である「イグノー
ブル」からイグ(反対を意味する)を取ってノーベル賞を引っかけたダジャレ
ネーミングに由来しているという。
 受賞内容を吟味しながら、受賞者や審査員、観客が一緒になって面白がって、
和気あいあいと盛り上がっている様子は観ている方も楽しくなる。ストレスが
たまる社会では、瞬時に全てを忘れさせてくれる笑いは健康的で人を幸せにし
てくれる。

 毎年、多くて10部門が賞に選ばれる。同賞には、ノーベル賞と同じカテゴリ
ーの賞もあれば、生物学賞、心理学賞、昆虫学賞、栄養学賞、音響学賞など本
家のノーベル賞には無い部門も随時追加されている。
 そのため、賞が贈られるジャンルは多種多様といえる。受賞の公式基準とし
て「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に合致する条件をクリアー
した10程度の個人・団体が選ばれる。

 また本家ノーベル賞とは違い、故人も対象となる。皮肉や風刺が理由で賞が
授与される場合もある。例えば「水爆の父」として知られるエドワード・テラ
ーは「我々が知る『平和』の意味を変えることに、生涯にわたって努力した」
として1991年にイグ・ノーベル平和賞を受賞した。
 1995年には、フランスのジャック・シラク大統領も「ヒロシマの50周年を記
念し、太平洋上で核実験を行った」という理由で平和賞を受賞した。1999年の
科学教育賞は、進化論教育を規制しようとした米国のカンザス州教育委員会に
贈られた。しかし、こんな皮肉交じりの表彰式に進んで出席するような受賞者
は一人もいなかったという。

 その例に倣って、私が審査委員であれば、「森友・加計学園問題」、略称
「モリカケ問題」で知人に過大な便宜を図ったとされる安倍首相に「友愛賞」
を与えたい。
 そして政治、外交、貿易の全てに「ディール(取引)」の概念を当てはめ
ようとする商売人根性丸出しのトランプ大統領には、無慈悲な高利貸や商人
が登場するのに因んで「ベニスの商人賞」を授与したいと思う。

 最近のニュースで、安倍首相がトランプ大統領を本家本元のノーベル平和
賞に推薦したと報じられたが、これは性質(たち)の悪い冗談だとしか言い
ようがない。
 なにしろ、トランプ大統領は、軍備、人権、環境などもろもろの問題で世
界を混乱に陥れている張本人だ。そんな彼がこの賞に相応しいはずがない。
それをなぜ推すのか、それは「ノーベル賞を是非もらいたい」という彼の気
持ちを「忖度」した、安倍首相のサービス精神による「お追従」としか言い
ようがない。

 イグ・ノーベル賞は極めて質素な催し物だ。ノーベル賞のように、厳粛な
雰囲気の中で豪華な晩餐会が開かれたり、賞金が何千万円も贈られるという
こともない。
 イグ・ノーベル賞の賞金は誰も聞いたことがない通貨10兆ジンバブエドル
だというから一風変わっている。「兆」が付くからには大変な大金だと思い
きや、それは3年前に廃止された通貨だというから、今ではその価値は実質
ゼロである。

 こんなところにも、この賞らしく皮肉を利かせたユーモアがちりばめられ
ている。また、渡航費や宿泊費用などはすべて自腹という。それでも世界的
な注目を集める「お笑い科学ショー」に応募する人は後を絶たないという。
 それだけ人を引き付けてやまない魅力があるからに違いない。前述のよう
に日本人がイグ・ノーベル賞を12年連続で受賞していることは驚きである。
日本はこれまでに23組がイグ・ノーベル賞を受賞していて、開催地のアメリ
カを除くと、英国と並んで世界のトップクラスだ。

 ちなみに、米国の受賞者数は170人、英国60人、日本57人となっている。
アジアでは日本以外では中国が15人で8位に入っている。ノーベル賞の上位
受賞国が、イグ・ノーベル賞でも上位を占めていることは注目に値する。
 イグ・ノーベル賞とノーベル賞との関係性について、英国の哲学者である
アーサー・ケストラーは「発明・発見とユーモアには多くの類似点があり、
この二つの賞の間には密接な相関関係が考えられる」と言っている。
 そうなると、両賞で多くの日本人が受賞しているのは、日本人に創造力と
ユーモア力が兼ね備わっている証拠だと考えてもいいのかもしれない。

 なぜ日本人がイグ・ノーベル賞に強いのか。その理由として「イグ・ノー
ベル賞創設者のマーク・エイブラハムズ氏は「日本人には奇人、変人が多い
のではないかと思う。かなり好奇心が旺盛で一心不乱に研究に取り組み、ま
るで自分が興味を向けたこと以外、他の世界がなくなったかのような集中力
を示す」と語っている。

 そう言われれば確かに、そうした人物は江戸時代から日本にはいくらもい
た。例えば、発明家・平賀源内、蘭学者・杉田玄白、植物学者・牧野富太郎、
博物学者・南方熊楠、数学者・岡潔、画家・岡本太郎、哲学者・梅原猛など
である。
 いずれも、一般の人から見れば、奇人変人と言われてもおかしくないよう
な人物である。彼らに共通するイメージは「知の巨人」だ。彼らには、自分
の世界にあらゆる情熱を傾けるといった狂気にも似た「凄み」を感じる。

 日本には一般の人にもこうした一つの事に熱中する「オタク族」が多い。
彼らを見ていると、何でこんな事に拘るのかと不思議に思うことがある。そ
うした「興味の対象」に科学的知識を加味すれば、イグ・ノーベル賞の次期
候補者のリストはすぐにでもできる。
 そうなると、日本からは当分の間、毎年のように受賞者が出るのではない
か。そんな候補の一つにしたいようなユニークな商品が最近新聞で紹介され
ていた。それは愛玩用ロボットの開発である。
 その会社の社長は「このロボットは人のためには一切役立ちません。それ
どころかとても世話がやけます」と説明している。このコンセプトが実に面
白い。

 人間の役に立たないロボットなど何の価値もないという一般の常識を覆し
ている。この発想の原点はおそらく「世話の焼ける孫ほど可愛いい」という
人間の心理に根ざしているに違いない。
 実にユニークなところに目を付けたものだと感心させられる。これなど、
ユーモア精神を尊ぶ(たっとぶ)イグ・ノーベル賞には打って付の商品だ。

 日本人がイグ・ノーベル賞を受賞した発明品の中で最も有名なのは「た
まごっち」(1997経済学賞)と「バウリンガル」(2002年、平和賞)に
「カラオケ」(2004、平和賞)である。
 どれもが受賞後に、大化けして知らない人がいないほどの世界的な大ヒッ
ト商品となった。なにしろ、年間の売上金額がそれぞれ数千億円に達したと
いうから並大抵のヒットではない。

 また、その命名の由来が傑作だ。キャラクターを育てる遊びの「たまごっ
ち」はキャラクターの“たまご”と観察する意味の“ウオッチ”から由来し
ている。 また、犬の鳴き声を人間の言葉に置き換える装置の「バウリンガ
ル」は犬の鳴き声を英語では“BOWWOW”と言い、翻訳を意味する“バイリン
ガル”と一緒にして商品名とした。

 「カラオケ」は“オケ”を意味する伴奏と、歌が入っていないのを“空
(カラ)”というところから、二つを組み合わせて名付けたという。全てが
遊び心から出発している。
 開発者自身が主催者の気持ちを汲んで、ネーミングに至るまで笑いを誘う
仕掛けを考えている。お見事と言う他ない。

 今回初めてイグ・ノーベル賞の存在を知った人もいるに違いないが、覚え
ていて損はない。暗い話が多い今の世の中で、この賞は心から無邪気に笑え
る瞬間を年に一度われわれに提供してくれる。
 受賞者と審査員、観客の全てが一緒になって腹の底から笑えば、心の憂さ
は瞬時に消え去る。まさに科学とユーモアのコラボによる総合エンターテイ
メントだ。次回の授賞式が今から待ちどうしい。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

◆3 ボールペン   

( 神奈川県横浜市 山尾正斌 )
 百貨店やスーパーの文具売り場にゆくと、いろいろな筆記用具が並んでい
て、あたかも百花繚乱を思わせる。特にボールペンとフェルトペンはインク
の色やデザインが豊富で多彩になり、太さも様々なものが現れて現在では筆
記具の主流になった感がある。
特に最近では特殊な樹脂で擦ると消しゴムで消したように綺麗に文字が消
えるボールペンも現れ、用途に合わせて選択する面白さや使う楽しさも多く
なった。

 私が初めてボールペンを手にしたのは、戦後間もない小学4年生の時であ
る。書き味の滑らかさに、まず吃驚した。当時はエベレスト・トンボ・コー
リンなど専ら鉛筆で、紙も芯も終戦直後の粗悪品が多かったから、書いてい
て紙を破ることもあったからだ。
 戦災の焼け跡がまだ散在する福岡では住宅事情が極端に悪く、私の両親は
郡部で開業していた知人で外科医の息子ら3人を通学の便宜のため預かって
いた。
 彼らは旧制高等学校、中学、高等女学校に通っていて、私にとって兄や姉
的存在であった。その兄貴の一人がある時「これがアメリカ製のボールペン
というものだ」と言って青字のボールペンを見せてくれた。

 書いてみると、ボールペンはいくら書いても鉛筆のようにチビず、何時ま
でも書き続ける事ができる。書き心地も実に滑らかだ。面白がってノートの
ページが真っ青になって反り返るほど、字や絵を書きまくったものである。

 おかげで掌の紙に擦れる所がインクで青く汚れ、シャツの袖口まで汚して
しまった。水で洗っても鉛筆汚れのように簡単には落ちない。あとで母にこ
っぴどく叱られた。
 進駐軍の放出物資のひとつだろうが、珍しい反面、筆記用具としてまだ完
成の域に至っていなかったと思われる。インクの出が良すぎて、ボタ落ちが
多かったし、文字の乾燥にも時間がかかった。

 中学高校ではボールペンや万年筆も使ったが、授業の記録は消して訂正が
できる鉛筆が主流であった。大学の教養課程では、教壇の先生が早口で語る
講義を速記するため、筆圧を必要とする鉛筆やボールペンでは追いつかず、
万年筆を多用した。
 社会人になってからの筆記用具は黒インクのボールペンが主流で、ことに
カーボンコピー時代にはボールペン以外は考えられなかった。コピー機の進
化でカーボンコピーは過去の物になったが、未だに宅急便の伝票はボールペ
ン無しには書くことができない。

 日常ボールペンを多用している私だが一番重視している機能は「初筆性能」
である。ペンをとって最初の文字を書き始める将に第一画目の頭が、インク
のカスレやボタ落ちなく滑らかに描き始められるかどうか、である。
 永く放置したボールペンの多くはインクが乾燥するのか油分が蒸発するの
か、原因はともかく、「字が書けない」「インクが出ない」ことが多い。
電話の途中で急にメモしようとして慌てることもある。イライラしながら別
のメモ紙などにグルグル輪を書いたり8の字を連続して書いて、インクが出る
のを待つ。いまいましいものである。

 初筆性能で私が満足しているのは、クロスとシェーファーのボールペンであ
る。今使っているクロスは細身で芯の送りがスクリュー式のものだが、ポケッ
トに挿しても違和感がなく、メモに便利である。ただし、芯送りに胴を捩じる
タイプだから普通両手を使って芯を出す。
 それに胴が細いので長時間文字を書くには手の負担が多い。レフィルも細く、
インクの経済性から長時間の書きものには不向きである。

 昔愛用していたシェーファーは胴の太さは普通で、芯の送りはノック式であ
った。シーソー式のクリップを胴に押し込むようにして芯を出し入れする。
 片手でも容易に操作できる。インクレフィルは大型で長い文章を書いても気
にならない。近年、身近な文具店やデパートではこの型のレフィルを置かなく
なり、已む無く手放してしまった。

 芯送りの構造・方式や、ペンの体裁などに魅力を感じて、モンブラン、パー
カー、ペリカンなどのボールペンを使った時期もあるが、初筆性能やインクの
ボタ落ち等の点で、満足できなかった。
 これら舶来品は本体もレフィルも高価だから、リタイアした今は好んで経済
性の悪い輸入品を使う気にならない。同等の性能を発揮し、体裁もそこそこの
国産品がゴマンとある。国産のボールペンは文字太さが極細のものが多く、普
通私は中字か太字を探して買う。

 結局、いま常用しているボールペンは背広のポケットに入れるのはクロス、
事務用の筆入れに入れるのは、ペン先にキャップをするタイプの国産普及品と
いう所に落ち着いた。
 町内会のイベントなど大勢の中で何かする時は、百円ショップで買った三色
ボールペンに決めている。一本で複数の文字色が選べるし、人に貸して戻って
こなかったり、雑事に紛れて紛失しても惜し気が無い。

 たまに、人前で気取って書き物をする時は、モンブランかパーカーにする。
「オッ、それは何だ」と思わせるハッタリ用である。話題作りにもなる。現役
時代にお客様の前で書き物をするときなど、よくこの「手」を使った。
 モンブランは芯送りが梃子式で、クリップの所にある梃子の上げ下げで芯の
出し入れをする型のものだ。これは、背広やワイシャツのポケットに挿す場合、
万一芯を収めるのを忘れても、ポケットの内側を汚すことが無い。他人から見
ると芯の出し入れの度に梃子を動かす操作が珍しいらしい。

 パーカーはスターリング・シルバーと銘打った、胴が銀製で細かい格子模様
の入っているものを持参する。永い年月使っていると指の当たる部分だけが擦
れてピカピカ輝き、他の部分は酸化して黒ずんだ色になる。
 見た人が「随分汚れたペンを使っているナ、一寸見せろ」と言って相手が手
に取ってみると、ずっしり重い銀製だった・・てな具合で吃驚効果や話題作り
には抜群である。

 ボールペンなんて、そこそこ文字が書ければ良い・・筈だが、「これぞマイ
・ペン」と言えるほど手に馴染む品にはそれなりに拘る訳が備わっている。弘
法筆を選ばず・・と言い慣わすけれど、果たして弘法大師は本当に筆に拘りが
無かったのだろうか。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

◆4   気ままに自己流川柳  

        ( 神奈川県横浜市  木戸 篤 )
 横浜で桜(ソメイヨシノ)が開花しました。桜は日本人の心を浮き立たせ
る魂の花とも言えます。ワクワクする季節になりました。


★★★★★★★ 自然・風景 ★★★★★★★ 

ヒヨドリが  椿の枝で  蜜を吸う
 団地のバス停の傍で、南方に渡らずこの地で越冬していたヒヨドリが椿の花
の蜜を器用に吸っていました。

雨あがり  純白の富士  青空に 
 昨日来の雨もあがり、西の彼方に純白の大きな富士山がくっきりと見えてき
 ました。

大岡川 今年も並ぶ 花屋台
 桜の名所である横浜の大岡川では、色の濃い早咲きの若い木はすっかり満開
 になり、遊歩道に売店が並び始めました。


★★★★★★★ 原発・政治・社会 ★★★★★★★ 

米朝が  目論見はずれ  物別れ
 北朝鮮の核兵器放棄に向けた2回目の米朝首脳会談は合意が期待されていま
 したが、双方の溝が埋まらず、物別れとなりました。

日韓の  関係悪化  崖っぷち 
 徴用工賠償判決問題で一気に悪化している日韓関係は、日本が対抗措置とし
 て経済制裁に踏み切ると発表し、暴走韓国にもためらいが見られます。

為政者に  責任取らせる  法必要 
 未曾有の災害となった福島原発事故は未だに解決への見通しが立ちません。
 こうした事故の再発を防ぐためには、何らかの処罰法が必要です。


★★★★★★★  健康・文化・スポーツ  ★★★★★★★ 

これからは  デジタル式で  精度よく 
 最新のデジタル式体重計を購入しました。測定精度が100グラムで従来の
アナログ式よりも断然優れていることを実感しました。

クエン酸  黄ばんだ歯にも  効果あり 
 昨年末から歯磨きにクエン酸水を加えています。クエン酸は歯石の成分であ
る炭酸カルシウムを溶かす効果があり、喫煙による黄ばみがとれてきました。

貴景勝  艱難辛苦  眼に涙 
 大相撲春場所の千秋楽で関脇の貴景勝が大関栃ノ心に勝ち、大関昇進が確実
となりました。若干22歳の若者の眼にうっすらと涙が見え、感動的でした。


★★★★★★★   その他  ★★★★★★★ 

久々の  家族旅行で  伊豆に行く
 家族旅行で中伊豆の北川温泉に行き、夕食は海の幸を堪能しました。翌朝は
 露天風呂で伊豆大島を眺めながら程よい暖かさのなか日光浴をしました。

横浜の  港見ながら  唄練習 
 鶴見線で横浜港に接する海芝公園に行き、江差追分の練習をしました。運河
 の向こうにベイブリッジが見える絶景の中、たっぷり練習できました。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

◆5         春の訪れ
           
         ( 東京都小金井市 上田 亨 )
 寒かった季節が去り、暖かい季節の到来である。私たちは旅行、進学、食卓
を通じて春の訪れを体感し、心を弾ませ、喜びを分かち合う。

1 早春の北陸旅行
 2月中旬、新宿囲碁会のメンバー8名が2泊3日の行程で富山の宇奈月温泉
を訪れた。宿泊したK温泉は魚津市の郊外に建つ一軒宿だ。ホテルから望む立
山連峰は真っ白な雪に覆われているが、周辺の平地には雪はない。
 温泉と料理を存分に楽しんだ。源泉は75度の硫黄泉・塩化物泉でかけ流し
である。総面積1100坪のお風呂には九谷焼陶板作品を一面に配した壁画大浴殿
や岩で立山連峰をイメージして造られたパノラマ大浴殿があり、圧巻だ。

 料理は富山湾でとれた新鮮な素材を使っており、大満足だった。殊に寒ブリ
、白エビ、ホタルイカの刺身、白エビの釜めし、あん肝、カニは素敵だった。
朝食も名産品をたくさん使用しており、目にも楽しく、美味しかった。
 2日目は博物館を訪れた。館内の埋没林展示場所は2000年前のスギ原生林跡
で、地下水を満たして巨木の根っこを保存している。富山湾では年に10回程度
蜃気楼(しんきろう)が観測されるという。蜃気楼は温度差のある大気層の間で
屈折した光が見せる自然現象で、博物館でその仕組みと歴史が学べる。

2 孫の旅立ち
 孫の祐輝がT大学の先端工学基礎学科に進学することになった。家族10名が
新宿Kホテルのフレンチレストランに集まり、お祝いの食事会を催した。3月
末に、初めて親元を離れて巣立って行った。
 祐輝は幼少の頃からレゴ、プラモデル、パソコン、スマホ、ドローンの操作
を手掛け、AI技術者、ロボット技術者になることが夢だった。また、カートに
トによるレーシングサーキットに度々でかけ、車の運転にも興味を持つ。

T大学は1981年、T自動車会社の社会貢献事業として、次代を担う「国際産
業リーダー」の育成を目指して設立された。
 特色: ・徹底した少人数制による充実した教育体制
    ・企業での実習を必修化し、体験・実践重視のカリキュラムを整備
    ・異言語の習得と異文化の体験を通して「真の国際性」を涵養
    ・自主性、自律心、協調性を育むため、学部1年次は全寮制
 一方、自動車産業は大変革期を迎えており、情報の連結:C、自動運転:A、
共有:S、電動化:E、から成る所謂CASE対応を迫られている。これにはハ
ードよりもAIの活用を中心とするソフトが大きな役割を果たす。

 孫の祐輝が素晴らしい教育環境の中で自分の能力を磨き、大変革期という時
代の流れの中でその力を発揮できることは幸せなことであり、健闘を祈る!

3 旬の味覚とウグイス
 旬の移り変わりは我が家の食卓で感じ取ることができる。北陸の親戚からふ
きのとうが宅急便で着く。野山でとれた山菜の発する早春の香りと独特のほろ
苦さが舌に心地よい刺激をもたらす。
 関西の知人からは「いかなごのくぎ煮」が届く。甘辛い味とシャキっとした
歯ざわりがよく、白いご飯によく合う。いかなごは5~20センチほどの小魚で
生きのいいものを煮るとくの字に曲がるので「くぎ煮」の名がついた。

 地元小金井産の野菜では、タケノコ、菜の花、春キャベツ、新たまねぎが美
味しく、煮物、油いため、和え物のいずれでもよい。いちご、伊予かん、デコ
ポンなどの果物も好物でよく食べる。果物が口の中ではじけて甘い果汁が広が
ると心が浮き立つ。
 食事をしていると近くの庭からウグイスの美声が聞こえ、魅了される。「ホ
ーホケキョ」はさえずりでオスが繁殖期に出す声だそうだ。「チャッチャッ」
は地鳴きでオス・メスとも同じである。「ホーホケ」や「ケキョ」はウグイス
がさえずりの練習をしている声という。

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