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朝顔の咲く季節となりました!

2017-07-30 13:59:37 | 最近の話題

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      2017.8.1.第204号

            「生き生きくらぶ」事務局
 http://ikiikiclub.sakura.ne.jp/ 
       編集発行人:「生き生きくらぶ」代表 上田 亨

朝顔の咲く季節となりました!
 夏の風物詩朝顔は早朝から赤、ピンク、白、青、紫の花を咲かせ、涼をも
たらしてくれます。我が家では、庭のプランターに10株の朝顔を植えてい
ます。毎朝、今日はいくつ咲いているのかなと数えるのが楽しみです。

 そこで最近の話題を二つ取り上げます。第一は海底資源の話題です。日本
の領海・排他的経済水域は広く、世界で6番目にランクされています。近年、
技術の発展と調査によって海底に豊富なエネルギーや鉱物資源が確認されてい
ます。
 海洋研究開発機構や高知大学は5日、レアメタル(希少金属)を多く含む鉱
床が千葉県房総半島の沖合約350キロメートルの海底に広がっていることを
確かめたと発表しました。
 これまで見つかった鉱床より陸地に近く、掘削や運搬などのコストが抑えら
れるそうです。厚さが10センチメートルを超える岩石も見つかっており、希
少金属が豊富に眠っている可能性があります。
 経済産業省は資源エネルギー庁はこのほど、愛知県の渥美半島の沖合で実施
したメタンハイドレートからガスを産出する試験で23万立方メートルを生産
できたと発表しました。

 第二の話題は日米における民主主義の存在感です。政権基盤が盤石と言わ
れた安倍政権の支持率が急落し、30%を割り込み、危険水域に入りました。こ
れを裏付けるように先般の都議会選挙、仙台市長選で与党は敗北しました。
 これには、東京都の豊洲問題の実態解明、強行採決で成立させた「共謀罪」
、首相が抜擢した稲田朋美防衛相の資質の欠落、首相の友人である加計学園理
事長との関係を官僚に忖度させたこと、などが起因しています。
 巨大与党のおごりに対し、国民の怒りが爆発し、民主主義が存在感を発揮し
た結果です。世論調査で政権不支持の理由として「首相が信頼できない」と回
答した人が49%に達したことは実に深刻です。

 米国のドナルド・トランプ大統領の支持率も36%と急落しました。ただ、興
味深いことは「議会、メディア、トランプ政権のうち、誰がより信頼できるか」
との質問にトランプ政権37%、メディア30%、議会29%の調査結果が出ました。
トランプ氏は大統領に就任するや、矢継ぎ早に大統領令を乱発しました。主な
項目を取り上げると、イスラム国6カ国からの入国制限、オバマケアの見直し、
TPPからの離脱、パリ協定からの離脱などがあります。
 然し、いずれも裁判所、議会、州政府の抵抗に遭い、実行の見通しは立って
いません。民主主義国の米国で気まぐれなトランプ大統領登場に驚きましたが
三権分立が健在で気まぐれな政策を許さない結果に感心している次第です。

       第204号の目次
    ■1 スペイン旅行
    ■2 輝け! 高齢者 
    ■3 気ままに自己流川柳
    ■4 憲法改正について

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◆1       スペイン旅行
         
        (東京都中野区 三宅 劭)
 3月14日から約3週間スペインを旅行しました。40年前ポルトガルに約4年住
んでいた時は、数回に分けて車で約10000km旅しました。主としてスペイン各
地の中小都市と町村を訪れました。今回は列車とバスなので、大都市ばかりで
した。
 大航海時代と言われる15世紀末からの約100年間は、スペインと隣国ポルト
ガルは世界で最も栄えていた国です。造船業と航海術が栄えていたので、世界
の海を荒らしまわった植民地王国でした。

 スペインはブラジル以外の南米と中米・フィリピンを植民地にし、ポルトガ
ルはブラジルとアフリカ南部のアンゴラ、モザンビークとマカオを合わせて本
国の数十倍もの国々を植民地にしました。スペインとポルトガルは共に8世紀
初めからの約400年間イスラムの支配下にありました。
 現在のイスラムは、フセイン時代からのイラク、イラン革命後のイラン、暴
君が支配するシリア、IS国など世界中から嫌われている国々です。然し、当時
のイスラムは世界の先進国で、特に土木建築技術が進み、スペインでは多くの
第一級の大型建造物を作りました。

 スペインにはイタリア、中国に次いで多くの世界遺産があり、その数は45前
後に上ります。特に、バルセローナのサグラダ・ファミリア、コルドバのメス
キータやアルカサール(王宮)、セビリアのヒラルダ(大聖堂)、グラナダの
アルハンブラ宮殿などは規模も大きく建築学的にも優れた第一級の世界遺産で
す。

 EUのラテン系4ヶ国:フランス・イタリア・スペイン・ポルトガルの中でス
ペインとポルトガルはいくつかの類似点があります。
 1. 8世紀初めから約400年間イスラムの支配下にあったこと。
 2. 言葉が似ていてお互いの国民が自国語で話しても、かなり通じること。
 3. 闘牛が盛んなこと。

違うのは、
 ポルトガル人は穏やかで、植民地から余り搾取しなかったので、旧植民地の
 ブラジルなどは、親ポルトガル的です。スペイン人は気性が激しく植民地か
 ら搾取・殺戮を繰り返したので、旧植民地から嫌われています。闘牛でもポ
 ルトガルは牛を殺しませんが、スペンでは牛を殺します。

 文化的にはスペインが圧倒的に優れており、プラド美術館のような世界的な
美術館にはゴヤ、ベラスケス、ムリーリョなどの巨匠たちの多くの作品が所蔵
・展示され、ソフィア王妃芸術センターには、最近まで活躍していた、ピカソ
ミロー、ダリの多くの作品が所蔵・展示されています。
 音楽の分野でも3大テノール~ルチアーノ・パバロッティ、プラシド・ドミ
ンゴ、ホセ・カレーラスはすべてスペイン人です。
 ポルトガルは各地を歩いて見て、どうしてこの国が栄えていたのか信じられ
ない位、重要な建造物が少ない国です。

 2000年頃までは、スペインの大都市マドリッドとバルセローナの治安は非常
に悪く首絞め強盗(犯人はスペイン人ではなく北アフリカからのアラブ人)が
多発していましたが、スペイン政府の努力で治安が良くなっていました。
 スペインに限らずスイス・ドイツ・北欧以外のヨーロッパのタクシー代は非
常に安く日本の1/3位で、運転手は親切なので個人旅行は楽でした。

 日本人の親切さは世界的に評価されているのに、何故日本のタクシー運転手
は不親切なのでしょうか?
 多くの国のタクシーはワゴンで大きい荷物の出し入れが楽です。日本は世界
有数の自動車生産国なのにどうしてトヨタ・ホンダなどはタクシー専用車を作
らないのか不思議です。

 長年ドイツに住む友人の話では、ドイツの官庁は国民の味方で、タクシー業
界が値上げを申請しても審査して値下げを勧告することもあるそうです。

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◆2 輝け! 高齢者 

         ( 神奈川県横浜市 山尾正斌 )
 7月19日の報道で東京聖路加病院名誉院長日野原重明さんの訃報に接した。
享年105歳、最期まで現役の医師であり続け、その間患者に寄り添った医療に
徹した。
 日野原さんは赤軍派が引き起こした日航機「よど号」ハイジャック事件のと
き、たまたま乗り合わせ「九死に一生を得た後は、人のために生きようと決め
た」と述懐していたと聞く。
その生涯や殊に近年の日野原さんの言動は、医師としてのみならず高齢者の
生き方の鏡のように私には思える。

 自立して生きることの大切さを説き、高齢者や患者は言うに及ばず子供たち
にも「生きる夢と希望」を授け続け、常に「世のため人のため」何か自分ので
きることを追い求めて已まない姿勢は驚異的でさえあった。
 日野原さんが、女流書家・篠田桃紅さん(「103歳になってわかったこと」
の著者)と対談したのをテレビで見たが、そこでも「自立して生き、人のため
に何かする」ことが語られていた。
 報道によれば日野原さんは最期のとき胃瘻や人工呼吸器など生命維持装置の
着装を断り、自然で尊厳に満ちた死を選択したとか、まさに面目躍如である。

私が住む団地の自治会に笹寿会というシルバークラブがある。団地ができた
当初からの組織だから結成以来やがて半世紀を迎える。自治会会員の家族のう
ち65歳以上なら、希望すれば誰でも入会できる。
毎月開催する定例会は、茶菓を前にして事業報告や行事予定、趣味の発表、
情報交換・親睦の機会になっている。昔は昼食付きの時代もあったが、準備や
世話をする民生委員や役員の高齢化が進み、老々介護の様相を呈してきたので
最近は茶菓だけになった。

 最近この会に高齢化の象徴ともいえる傾向が表れはじめた。自治会や地域か
ら支援やサービスを受けて自分たちだけが楽しむ傾向が目立ってきたのだ。言
い変えれば会の閉塞性が高まり、「して貰うことが専らで自分でやろうとか、
誰かのために何かしよう」という機運が極端に低下してきたのである。
今年になって、この気運に風穴を開けようという試みが始まった。笹寿会会
長が入れ代わったのを機会に、新会長の提案で実現した。

「笹カフェ」いわゆる「誰でも歓迎の談話室」の設置である。笹寿会が主催
するが会員だけでなく一般の参加も歓迎する。老若男女を問わない。特に自宅
に引きこもりがちな高齢者に相互交流の場を提供しようというねらいがある。
最近流行のカプセル式コーヒーサーバーを使って、コーヒー・紅茶・緑茶・
抹茶などを提供する。エスプレッソ、カフェラテ、抹茶ラテもメニューにある。
毎週木曜日、自治会館で昼前の2時間開店する。

参加費はひとり100円で飲み放題、食べ物の提供はしないが手作りのおやつ
やお土産の自費持ち寄りは歓迎する。飲み物のほかにも近くの提携農園で民生
委員や保健活動推進委員が収穫してくる「朝取れ」の野菜も実費で販売する。
 カフェ内では、飲み物を頼めば誰かが作って席に運んでくれるのではない。
自分で飲みたいカプセルを選び、装置にセットして自分でボタンを押して抽出
する。目指すところを大袈裟に言えば、「自立する高齢者、自立を目指す高齢
者」である。

6月初旬の開店初日、団地住民に参加を呼びかけたほか、区長や区の担当職
員、地域の社会福祉協議会担当者を招待した。私はこの日、主催者側の助っ人
として参加し、区や社協の担当者、タウン紙記者らに、笹カフェ開店までの経
緯や仕組みの説明につとめた。
オープン初日は参加者が50人を超え、たっぷり準備した朝取れ野菜も完売し
た。役員が機転で準備したゲームに高齢のご婦人連が嬌声を上げて熱中するな
ど大賑わいをみせた。団地最高齢者のご婦人(103歳)も杖を突いて立ち寄っ
てくれ、コーヒーはさすがに主催者が準備したが、他の参加者との団欒を笑顔
で楽しんでくれた。

その他にも高齢者の自立を促す「仕掛け」が現在進行中である。私たちの団
地は高台にあって路線バスの利用者には不便、殊に高齢者にはバス停から団地
までの坂道や階段の上り下りが難儀である。
 目下「買い物バス」を月2~3回定期的に運行することをねらって、区や社協
との協議が進んでいる。運送業法規に抵触しない範囲で高齢者が「自ら店にで
かけ、品物を見て、決めて、勘定を済ませ、持ち帰ること」を目標にしている。

7月後半のある日、団地の友人が出演する音楽会を聴きに行った。声楽を志
すアマチュアグループの年1度の発表会である。レパートリーはオペラのアリ
アや和洋歌曲が中心で時には映画音楽も歌う。ソロ主体でデュオもあるが、
今年初めて男性五重唱も成立した。
 メンバーの年齢は男性が73~86歳、女性はそれより少し若いがほぼ似た年代
で、東京芸大声楽科出身のソプラノ歌手が指導している。私が友人から発表会
の招待を貰うようになったのはここ数年だが、会は発足してかれこれ10年近く
なる。

出演者はいずれも高齢だから、テナーもバリトンもソプラノもアルトも、声
量が不足気味だし、音程が狂ったりもする。ゼスチャーは立派でも、歌いなが
ら時には苦しそうな表情も見せる。
 しかし、正装に身を包み、400人ほどの聴衆を前にして臆せず歌いきる。聴
衆の友人縁者たちからは盛大な拍手が湧き、時には「ブラーボォ」の声もかか
る。歌い終えて舞台を去る出演者の表情はどれも満足感に溢れ、自分の年齢を
物ともせず研鑽を重ねて精一杯歌った出演者に聴衆は惜しみない賞賛を示す。

 ひとは高齢になっても、自分の目で物を見、心で感じ、頭で考え、自ら行動
できることが望ましい。そしてその行動が自分以外の人や組織に何らかの役に
たてば万々歳、せめてお荷物になる歳月を短くしたいと思う。
 私自身の身の処し方が、これからそんな理想に近づけるかどうか、自信は全
くない。だが体力が続く限りは気力を鼓舞して「朗らかで生き生きと見える生
き方」はしたいと思う。
 自分に残された人生で「人らしく輝ける」ように・・・。傘寿を目前にした
偽らざる心境である。

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◆3     気ままに自己流川柳  

        ( 神奈川県横浜市  木戸 篤 )
 蝉が鳴く季節になりました。蝉の鳴き声に故郷の海や山が懐かしく思い出され、
なんとなく郷愁を誘われます。

<自然・風景>
梅雨明けで 登山シーズン また巡る
 関東地方は、今年も空梅雨のまま梅雨明けしました。 夏山登山のベストシーズ
ン到来です。いつかまた山登りが出来ればいいなと思いました。
セミ達が 夜明けとともに 大合唱
 7月下旬の朝、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ニーニーゼミが夜明けを待ちかね
 たように大合唱を始めました。クマゼミはまだ地中で寝ているようです。

<原発・政治・社会>
坂道を 転げだしたか 自民党
 東京都議選では小池新党が圧勝し、自民党が惨敗しました。忖度政治疑惑、強
 引な国会運営、稲田防衛相の失言、豊田代議士の暴言などに対する都民の反感
です。
気象庁 豪雨の説明 何か変
 九州北部が連日の豪雨で大災害を被りました。気象庁は「有明海で蒸発した水
 分を含む大きな積乱雲の発生が原因」と発表しましたが何か物足りなさを感じます。

<健康・文化・スポーツ>
驚嘆す 藤井4段 14歳
 将棋の藤井聡太4段(14)が、6月26日の竜王戦1回戦で増田康宏4段(19)
 に勝ち、歴代単独1位となる29連勝を達成し、30年ぶりに連勝記録を更新
しました。
105歳 日野原先生 大往生
 聖路加病院元院長の日野原重明さんが105歳で大往生しました。生活習慣病の
予 防、地下鉄サリン事件では臨機応変に対応し、被害者を積極的に受け入れました。

<その他>
退院し 我が家の良さを 噛みしめる
 3週間ぶりに退院しました。蝉の大きな鳴き声、サルスベリの鮮やかな花、ゆ
 っくりの入浴でくつろぎました。気兼ねも不要で、やはり我が家が一番です。
柔らかい マットに替えて 熟睡す
 ベッドを二層のマットに交換しました。上段はやや弾力のある10センチの厚
みのマット、下段は柔らかい5センチのマットです。お蔭で熟睡できるように
 なりました。

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◆4           憲法改正について         
   
           ( 東京都小金井市 上田 亨 )
憲法とは国家の基礎となる法のことである。国家とは領土を基礎とし、そ
こに住む人たちが、強制力を持った権力によって統治された社会を指す。我
が国では1890年11月29日に大日本帝国憲法が施行された。戦後、米軍占領下
で1947年5月3日に日本国憲法が制定された。
 日本国憲法は制定後70年間、改憲勢力と護憲勢力の間で論争はあったもの
の、一度も改正されていない。前者は米国による押し付け憲法を廃し、自主
憲法を制定すると主張し、後者は平和憲法を守るべきと言う。

 私は70年の間に国内外の情勢が激変しているので、実態に則した問題解決
の立場から以下4点について改正すべきと考える。

◆ 憲法9条の改正
・1947年、日本国憲法を制定し、日本は非武装国家として再出発した。
 憲法9条は第1項で「戦争の放棄」、第2項で「戦力の不保持」と
 「交戦権の否認」を規定している。
・1950年、朝鮮戦争勃発に危機感を抱いた占領軍は日本の再軍備に着手する。
 1950年、保安隊、警察予備隊が発足し、1954年、自衛隊へと発展する。
・1951年、サンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約を締結する。
・1991年、ソ連邦崩壊で冷戦は終結する。
・2000年以降、中国の台頭、北朝鮮の核開発で極東の緊張は高まる。
・こうした背景に鑑み、日本の防衛予算は現在年5兆円で世界8位である。

・自衛権は主権国家の固有の権利である。国家は他国からの脅威に対して国民
 の生命、財産などを確保するため自衛権が実効性を持つ必要がある。国防は
 憲法の前提であり、憲法によって制限されるべきものではない。
・日本は中国、韓国、北朝鮮、ロシアといった無法国家に囲まれている。今も
 領土を不法占拠されたり、不法侵入が繰り返されている。
 
・第1項に従えば、こうした事態に対して日本は自衛のための戦争を放棄し、
 相手のいいなりになることを意味する。
・第2項の主張と現実とは全く違っている。日本は世界8位の戦力を持ち、領
 空侵犯や領海侵犯、不法上陸があれば、自衛隊と海上保安庁が一体になって
 対処している。更に大規模な侵略があれば、米軍と共同で防衛する。

・憲法9条の規定は余りにも現実と乖離している。早急に現実にマッチした
 内容に改正すべきである。

◆ 憲法に均衡財政条項の明文化を
 日本の長期債務残高はGDP比で200%を超え、先進国で最悪の財政赤字で
ある。にも拘らず、与野党に危機感が全くないだけでなく、更に教育の無償化
を進めようとしている。2012年に民自公3党で合意した消費税率10%への引き
上げを柱とする税と社会保障の一体改革はどこに行ったのか。
 安倍政権は2度も消費税を先送りした。更に2019年10月に予定している消費
税引き上げも棚上げしそうだ。2020年度に基礎的財政収支を黒字化する目標は
早くも絶望的だと言う。ギリシャでさえ黒字化を達成しているというのに。

 財政再建の手段は、社会保障費を中心とする歳出削減・抑制、消費増税の実
施、経済成長に伴う税収増の3つしかない。長期にわたり、税収より公債費が
上回る予算案は将来世代にツケを残すものであり、無責任の極みだ。
 因みにユーロの財政基準は財政収支の赤字上限をGDP比3%、長期債務残
高上限をGDP60%としている。ドイツの財政収支は黒字で、主要国は財政均
衡を目標にしている。日本の財政目標は国際標準から大きく外れている。

 憲法に均衡財政条項を明記することによってバラマキ財政や放漫財政
に対し強いブレーキをかけることを期待する。

◆ 参議院の廃止
 現在の参議院は衆議院に対して、人員や選出方法において独自性はほとんど
見られない。事実上の衆議院のコピーである。法律、予算、首相指名など、様
々な重要権限は、衆議院の方に優越が認められている。
 参議院の役割は衆議院で可決する議案をもう一度繰り返すことで、決定を遅
らせていることが全てである。「良識の府」と呼ばれるような慎重な審議が進
められている訳でもない。行政コストのムダだけが目立つ。

 日本国憲法制定に当たって、マッカーサーは一院制を主張したようだが、日
本側が貴族院廃止の代わりに参議院設置を主張し、憲法に規定された。憲法改
正に当たり、存在意義の見出せない参議院は廃止すべきだと思う。

◆ 皇位継承の安定化
 日本国憲法は「第一章 天皇」で、第1条から第7条から成る規定を置く。
第1条:天皇は、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であって、この地
    位は日本国民の総意に基づく。
第2条:皇位は、世襲のものであって、国会の議決した典範の定めるところに
    より、これを継承する。

 現在の皇室典範では男系の男子のみが天皇になれる。女性皇族はご成婚後は
皇室を離れる。将来的に悠仁様が天皇に即位されると宮家は一つもなくなり、
皇族が激減し、皇位の安定的継承が難しくなる可能性が大きい。
 そこで浮上してきたのが女性宮家創設案である。女性宮家とは女性皇族が民
間から婿を取ることを意味する。その子や孫が将来の天皇となった場合、女系
天皇が登場することになる。

 1946年の帝国議会における現在の皇室典範制定の審議過程で女性天皇論につ
いて激しい論議があった。野党側は天皇を男子に限定するのは男女同権の法の
下での平等に反すると主張した。
 これに対し、政府側は天皇が男系であるべきということは、日本国民の確信
であると述べた。現在の世論調査では国民の8割が「女性宮家の創設」や「女
系・女性天皇」について賛意を示している。

 戦後70年を経て、皇族の激減、国民世論の変化を踏まえ、国会は早急に
第2条、並びに皇室典範の改正に取り組むべきである。
第2条は「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した典範の定めるところ
  により、天皇の直系長子がこれを継承する」としたらよいと思う。

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