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水仙が咲く季節となりました!

2019-02-01 06:12:28 | 最近の話題

□□□□□‐‐‐ikiikiclub mail magazine‐‐‐□□□□□

      2019.2.1.第222号

            「生き生きくらぶ」事務局
 http://ikiikiclub.sakura.ne.jp/ 
       編集発行人:「生き生きくらぶ」代表 上田 亨

   水仙が咲く季節となりました!
 寒さの中で迎える立春です。日差しは明るくなり、心なしか風に柔らかさを
感じます。近くの公園を歩くと、一角に一群の水仙が咲いていました。寒さに
めげず可憐に咲く水仙は人々に元気を与えます。
 すらりと伸びた葉の緑、花の白、その中心を占める黄色、清らかな香りにふ
れるとぽっと明かりがともった感じになります。冬枯れの寂しい光景の中でい
ち早く咲く水仙は希望と喜びをもたらす花として昔から親しまれています。

 最近の話題として「デジタル革命と課題」を取り上げます。人工知能(AI)や
ビッグデータ活用などデジタル技術は世界で急速に進み、産業発展に寄与する
一方、個人データ保護など新たなルールの整備が急務になっています。

◆ 急展開する情報技術革新
 コンピュータの性能は5年で10倍、40年で一億倍のスピードで向上する見通
しです。移動体通信システムの通信速度は10年で1000倍、40年で100億倍とな
る見込みです。車の自動運転化に伴う沢山の動画送信に役立ちそうです。
 あらゆるものにセンサーをつけてデータを取得し、ネットを介して収集する
IoTの波が広がり、ビッグデータの整備・拡充を促します。AIはビッグデータ
を深く分析し、反復型の学習と発見機能により有用な情報を生み出します。

◆ デジタル革命の進行
 携帯電話、ネット通販、データ検索に関わる米国大手IT企業(GAFA)はグロー
バル化とデジタル化で急成長し、本年度の売り上げは以下のようになります。
 ・アップル(A):27.3兆円  ・アマゾン(A)   :22.9兆円  
 ・グ―グル(G):13.1〃   ・フェースブック(F): 5.4〃 
これは自動車産業を代表するトヨタ自動車の売上高29.5兆円に匹敵します。

 デジタル化はあらゆる分野のビジネスモデルを塗り替えようとしています。
事例1 車の自動運転とEV化:クルマが情報機器化します。現状の費用構成は
 ハードが90%です。EV化後はハードが40%、ソフトが60%となります。
事例2 会社や役所の合理化:オフィス業務の46%はロボットやAIに移ります。
 組織をフラット化し、全員が情報を共有し、創造的な仕事に取り組みます。

事例3 AI病院: AIの活用で医師は患者の診察に専念します。AIはカルテの自
 動入力、画像診断、血液データ、DNAから最適な治療法の選択まで行います。
事例4 AI融資:銀行融資が入金に1カ月かかるのに対し、AI融資は即日入金
 できます。ネットで申込み、受注や決済データを基に審査します。
事例5 無人レジ: 中国のアリババでは生体認証、購買履歴、学歴、資産、通
 院や投薬歴などから顧客を格付けします。買い物かごを無人レジに置き、ス
マホをかざすと支払い完了の表示が出て、品物を持ち帰ることができます。

◆ 課題1:データ利用ルールの共通化
 現在、日本、米国、EU、中国でデータ利用ルールは異なります。

日本: 個人情報処理は原則として本人同意が必要で詳細は国内法依拠。
   企業情報処理は安全保障関連以外は原則自由。国外ヘのデータ移転可。
   データの管理・利用の主導権は企業・本人
米国: 個人情報処理は原則自由。企業情報処理は安全保障関連以外は原則自由
   国外ヘのデータ移転可。 データの管理・利用の主導権は企業。
EU:個人情報処理は原則として本人同意が必要で詳細はEU法依拠。域外へ
   のデータ移転は禁止。企業情報処理は安全保障関連以外は原則自由。
   データの管理・利用の主導権は個人。
中国:個人情報処理、企業情報処理とも中国国内法依拠。国外へのデータ移転
   は禁止。 データの管理・利用の主導権は国家。
    ↓
 将来的には国家管理の中国とは一線を画し、日米欧で共通ルールを作り、デ
ータ貿易圏を作り、データ利用の拡大を図るべきです。個人情報の国外移転に
際しては人権に配慮し、匿名化したデータとするのも一つの考え方です。

◆ 課題2:情報格差の解消
 世界人口の中でネットへのアクセスが可能な人はおよそ5割にとどまります。
アクセス機会を向上させるため、ネット環境の整備、教育などを通じて先進国
が途上国を支援する必要があります。

       第222号の目次
    ■1 熱海一泊の旅  
    ■2 日米間の情報と経営に対する認識の違い
    ■3 気ままに自己流川柳 
    ■4 農林水産業の活性化

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

◆1    熱海一泊の旅
       
           ( 神奈川県横浜市 山尾 正斌 )
 団地住まいの我が家には、連日のようにダイレクトメール(DM)や宣伝の
チラシが届く。居住棟一階入り口脇にある集合ポストには、我が家だけでなく
他のお宅にもチラシなどの配達物がはみ出すほど挿入されている。

 そのなかでひときわ目立つのが、旅行社のDMである。10年も前に一度利用
したきりの大手旅行社からは、それ以来週刊誌ほどの分厚い立派な旅カタログ
が毎月届く。
 それが数社におよぶ。クルージングや内外豪華旅行の企画をはじめ、日帰り
バス旅行や宿泊だけの企画に至るまで、まさにピンからキリ、カラー印刷で絢
爛たるものである。

 そんな中で、ここ一両年私たち夫婦がよく利用するのが「一泊二食つき宿泊
のみ」の募集である。宿泊地までの移動手段は自分で算段する。ちょっと気分
を変えて夕食を外食する程度の軽い気持ちで出かけられるのがミソである。
持ち物は一回分の着替えだけ、服装も普段よりちょっとカジュアルにすれば
よく、その手軽さがいい。

 半年前、その「手」を使って伊東温泉に宿泊した経験に味を占めて、昨年12
月初め、こんどは熱海に出かけた。いつものように起床、普段と同じように朝
食や身支度をしたのち徒歩と地下鉄で最寄りのJR駅に行き、来た普通列車に
搭乗した。
 気分だけセレブにグリーン車を利用して好きな座席を占め、車窓を流れゆく
湘南の眺めを満喫しているうち、飽きる間もなく熱海到着、宿のチェックイン
には少し時間が早かったので、駅から路線バスとタクシーで行ける距離の観光
地を訪れた。

 熱海は坂の町である。海岸に近い商店街や旅館街を外れるとすぐ、急な坂道
が待っている。最初に訪れたのがMOA美術館である。駅の裏側の山の中腹に
立地していて、駅からそこまでの道はまさに上へ上へと続く坂道である。
 駅から頻繁に出ている路線バスは、ギアを一段落としてウンウン唸りながら
登る。

 MOA美術館は急峻な傾斜面に立地している。だから美術館の近代的で広大
な建物は、展示スペースに加えて、それに匹敵するほど広く長い移動スペース
(階段とエスカレーター)がある。
 バスの駐車場側から入館すると、展示場まで「行けども行けども先が見えな
い」ほど延々と上りエスカレーターが続く。その間、入場者を飽きさせないよ
う壁面や天井が光で装飾されていて、結構面白い。

 展示品は目を剝く程の絶品は少ないが、日本の古美術品がそこそこ揃ってい
る。それに館付属の庭園が素晴らしい。庭も数か所あって場所により海の眺望
も楽しめる。四季折々花や竹林や紅葉を見ながら散策するのにも適している。
 私たちが訪れた日は天気にも恵まれ眺望も素晴らしく、赤や黄色に色づいた
真っ盛りの紅葉を楽しむことができた。熱海は夏台風の塩害が無かったのだそ
うだ。

 庭園の一角には茶房や食事処もあって、私たちは新蕎麦の看板を出している
蕎麦屋で昼餉を取った。供された走り蕎麦は、付け合わせも蕎麦湯も、香り高
く満足できるものであった。
 熱海の友人に後日聞いた話では、この店の蕎麦は評判が高いとの事、旅先で
初めて入った店にしては「大当たり」であった。この美術館は、花の季節や新
緑の頃に、また訪れてみたい場所のひとつである。

   湯の街を 飾る紅葉や 走り蕎麦    正斌

 美術館のあと、伊豆山神社にも参詣した。海岸近い浜辺から神社まで続く約
850段の石段の参道で有名である。わが団地には敷地入り口に95段の階段があ
り日ごろ昇り降りしているが、850段と聞いてはさすがに挑戦意欲も萎え、タ
クシーのお世話になった。
 海抜170米ほどの高台の境内には鎌倉時代からの立派な社殿があり、敷地は
広々としていて、巨木の間から遠く太平洋に至る海を望み見ることができた。

 いったん駅に戻って宿の送迎の車で目的のホテルに到着、宿は海岸線に近い
高台にあり、部屋から海や熱海城も見える。部屋も広く閑静でゆっくり寛ぐこ
とができた。
 早速温泉を楽しもうと風呂へ。大浴場のほか、空いていれば自由に使える家
族風呂もあり、まずそこへ。

 家族風呂は岩風呂で、広い湯船の岩の門をくぐった向こうが露天風呂になっ
ていて海が望める。翌日宿を去るまでの間に夕夜朝3回この岩風呂に浸った。
 夕食は、まず折り箱に盛られた和料理と、あらかじめ注文しておいた焼きア
ワビや金目鯛煮つけが出て、それ以外は飲み放題食べ放題のバイキングであっ
た。品揃えも多彩で十分すぎるほど並び、漁火を眺めながらお腹と気持ちを満
たすことができた。

 驚いたのは、食堂はじめこのホテルで働く従業員すべてがアジア系の若手外
国人であったことだ。いずれも日本語が達者で言葉には困らないが、彼ら彼女
らのアロハ調ユニホームを見ていると、まるで東南アジアのホテルに滞在して
いるような錯覚を覚えた。

 翌日は午前中、昭和の文豪たちが滞在した起雲閣や来宮神社を訪れた。来宮
神社は平安時代にこの地に鎮座したとも言われるほか、樹齢二千年の大楠がパ
ワースポットとして名高い。
 境内は坂や階段が多いが敷地が広く、濃い木々に覆われていて如何にも年代
を重ねた感があり、霊験あらたかに思えた。

 昼少し過ぎた時刻に熱海駅に戻り、最近オープンしたばかりという駅ビルで
昼食を摂り、お土産を買った。
 昔は駅前の個人経営の店で土産物を物色したものだが、駅ビルはお土産屋も
食堂も集約配置されていて、私達のようなズボラな客には便利である。この日
は若い人やオバタリアンで混みあっていた。

 夕食も朝食もタップリだったから昼食はラーメンで軽く済まそうと、駅ビル
二階のレストラン街に来て吃驚。午後1時近いというのに、どの店も順番を待
つ客の列ができている。
 一階と二階の土産物屋も観光客が群れているが、その比ではない。食堂の外
には順番を待つお客のために椅子が十脚ほど並べてあるが、とても足りない。

 私達が並んだラーメン屋は入り口の台の上に用紙が置かれ、順番を待つ客が
名前と人数を記帳することになっている。順番が近くなると女性店員がメニュ
ーをもって注文を聴きにまわり、店の外で待っているうちに注文を済ませる。
 注文品を決めるについては、この店員がメニューにある料理の内容や量を親
切丁寧に説明してくれる。やがて名前を呼ばれ、店内に導かれて席に着くと、
お冷やもお手拭きも既に並んで居て、着席するとすぐ注文の再確認がある。

 店員が厨房に去ると、待つまでも無く料理が届く。待ち時間ほぼゼロ、注文
した醤油ラーメンも餃子も熱々で美味しかった。席に座るまで少し待たされは
したが、待ち時間やサービスの点でも料理の味についても店の清潔感について
も、不満は全く感じなかった。

 食堂は食事時を外れると客足がハタと途絶える。限られた時間内に、限られ
た席数で最大限のお客を呼び込み、かつ満足させる・・・店にもお客にも合理
的に組み立てられたレストランシステムを熱海の駅ビルで垣間見た気がした。

 今回熱海では二日間、観光地を訪れる前に駅のロッカーを利用した。ロッカ
ーは沢山あったが、約半数が従来のコイン式、残り半数がプリペイドカードに
よる集中管理方式であった。おそらく、コイン集金の煩わしさや安全を考慮し
た合理化だと推測した。
 この時はコイン式が満杯だったので、私達は新式のロッカーを使うハメにな
った。実際に使ってみると、手順が複雑で要領が呑み混めず、預ける時も取り
出す時も係の人の手を借りなければならなかった。

 古い温泉の町熱海は、古くは平安・鎌倉時代を経て、大正・昭和初期から今
に至るまで、湯の町としての歴史と伝統や佇まいを保ちながら、近代的な美術
館を擁し、ホテル・レストラン・駅のロッカーに至るまで新しい様式を導入し
ようとしている。
 古さと新しさを上手く融合させることで、熱海は魅力ある「新しい湯の街」
に変身しつつあるように見えた。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

◆2     日米間の情報と経営に対する認識の違い
  
        (  千葉県流山市  中楯 健二 )
 企業の資源と一般的に言われているのは、ヒト、モノ、カネ、それに情報で
ある。その情報が今、非常な勢いでその価値を高めている。昔と比べると雲泥
の差である。
 IT(情報技術)の進歩により、情報がコンピュータで処理され、インターネ
ットで活用されるととてつもない威力を発揮する。Deep Learning(深層学習)
という言葉が代表するように、入力された情報をコンピュータ自身が学習して
ますます賢くなると言う。

囲碁も将棋も機械ソフトが棋士を負かせるまでになってきている。そして、
その進歩が更に進むと人間の、仕事を奪いかねない結果になると危惧されてい
る。人間が創ったものが人間の制御の範囲を超えて独自の発達をするとは皮肉
である。

 今回はその「情報」をテーマに論じたい。情報の収集や分析、評価、活用の
仕方について日米間に大きな違いがある。私は日米のコンサルティングビジネ
スに40年以上関わってきた経験から、その違いを実感している。
 米国では企業が何か新しい事業を始めようとする時には必ず手始めとして外
部の専門コンサルタントに調査を依頼して、その分野の現状と将来に対する知
見を求める。

 ところが日本では昔から基本的に情報収集に金を掛けようとはしなかった。
まして、コンサルタントを使うことなど頭になかった。その伝統が未だに残っ
ている。
 情報は足で稼ぐものだと考え、担当者がセミナーに参加したり、学会や工業
会、金融・産業界などを歩き回って情報を集めることが普通に行われていた。
今でこそ、大手企業は海外調査については、現地のコンサルタントを使うこと
が一般的になっているが、金を掛けない伝統はいまだに残っている。

 日本人の中には情報などネットでいかようにもタダで入手できると言う人が
いるが、彼らは「タダほど高いものはない」という格言を忘れている。世の中
に溢れている情報は玉石混交だ。
 どれが「玉」で、どれが「石」かを、見極めないで行動すれば大怪我のもと
になる。ビジネスは論理的に考えなければならないのに、日本人はそれを行き
当たりばったりで情緒的に捉えている。

 米国の顧客はコンサルタントから提供された情報に基づいて、自分達の目で
実地検分をするが日本はその逆である。日本企業の習性として情報を持たずに
自分達で歩き回り、時間とコストを無駄にした挙句に何の効果も得られず、い
つのまにかプロジェクトがご破算になるというケースが多い。
 何億、何十億円のプロジェクトでも、事前の情報収集に万全を期していない
ため、成功の確率は低い。プロジェクトが失敗に終わっても、多くの人が稟議
書には判を押しているため、責任の所在が誰にあるのかも分からないままにな
ってしまうことがある。

 日本では、調査プロジェクトにかなりの人達が関わっているため、レポート
の内容に関する質問が延々と続き、欧米のコンサルタントを怒らせてしまうこ
とがある。一方、米国ではプロジェクトの担当者は一人か二人と少なく、彼ら
を満足させれば調査は終了となる。
 日本の企業は調査に多額の費用を払っているという意識から、執拗に高い満
足度を求める傾向がある。米国の顧客はレポートの中に10%~20%の光る情報
があればそれで満足する。それぐらい情報の価値を理解している。

 このような日米の違いの背景にはビジネス コンサルタントの社会的地位の
違いがある。ちなみに、ビジネス コンサルタントはどんな仕事をするのか。
それはお客に対して事業のリスクと事業機会をアドバイスすることである。
 米国ではこうしたコンサルタントの社会的地位も報酬も高いため、コンサル
タントを目指す大学生も多い。一流のコンサルタントになるためには、大学で
MBA(経営学修士)と理工系の学位を取る必要がある。

 それに加え、産業界で3年以上の実務の経験が求められる。それはビジネス
や産業、経済、技術、社会全般についての十分な知識が要求されるからである。
一方、日本ではコンサルタントの地位は確立していない。
 そもそも、日本でコンサルタントと名乗ったところで世間からは胡散臭い目
で見られるのが落ちである。それに決まった社会的基準があるわけではない。

 日本では大体が業界紙や興信所出身の人達がビジネス コンサルタントと称
して昔から活動してきた。会社の規模も小さく、会社としてのサポート体制も
整っていない。
 それに彼らの多くは専門的・技術的知識に乏しく、インタビューした相手の
情報が疑わしく思われても反論による検証がなかなかできない。そのため、相
手の提供する情報の良し悪しでレポートの内容が左右されることになる。この
日米間の違いは大きい。

 ここで、日米の意志決定方法と経営者選びの違いにも触れてみたい。迅速な
意思決定が求められる今の時代では、米国流のTop Down(上位下達)方式が適
していると言われているが、日本では逆にBottom Up(下位上達)が通常行わ
れている。
 ゆっくりした動きの世の中では日本式が有効だと言えても、急激な変化の時
代に向いているとは言えない。Top Downでは当然のことながら、意思決定を下
すトップ経営者の能力が試されることになる。

 日本では入社後にいろいろな部門を経験したGeneralist(多方面の才能を持
つ人)が経営トップになるケースがほとんどである。そうした人物が社長に選
ばれても、経営のかじ取りに適しているとは必ずしも言えない。
 また、次期社長の選択に当たっては多くは社長が自分のお気に入りの人物を
選び、院政を敷こうとする。そのために、いつまでたっても似たり寄ったりの
経営が続き、経営上の改革は進まない。

 米国では、経営トップにはGeneralistではなく、経営能力に優れた人物が選
ばれる。営業や技術部門でもトップには順送り人事でなく専門知識と管理能力
を備えた人物が就く。米国では、それぞれの持ち場でSpecialist(専門家)
が重きをなしている。その点でも日米では考え方が違う。

 もう一点、米国と違って日本には企業間の横並び意識が存在する。昭和60年
代に鉄鋼各社が新規事業として半導体分野への進出を競っていた時期に、私は
ある大手鉄鋼会社のための調査に関わった経験がある。
 その時に、中途採用で入社した半導体担当者がこぼしているのを耳にしたこ
とがある。「うちの会社の幹部は、半導体のことが全く分かっていないし、分
かろうともしない。

 トン単位のビジネスが身体に沁み込んでいて、半導体のようなグラム単位の
製品に対しての理解力も知識も持ち合わせていない。そのため話が全くかみ合
わない」と言っていたのを思い出す。
 そんなミスマッチのため、鉄鋼各社の半導体事業は軒並み何の成果も得られ
ず、莫大な損失を生んで無駄な投資に終わってしまった。それは一時期におけ
る鉄鋼業界の熱病みたいなものであった。
 ライバル企業がやるから、わが社もやらねばならないと考える日本企業の無
定見な行動だったと言える。欧米企業が、他社に倣うのを恥として独自性にこ
だわるのとは似ても似つかない行動であった。

 最後に太平洋戦争に触れてみたい。それは「情報の力」が効を奏した例だか
らだ。この戦争で米国は、日本語の出来る日系人や日本に関する専門家を総動
員して情報収集に当たった。
 その中には海軍の情報士官であったドナルド・キーン(現日本文学研究者)
もいた。また、米国の文化人類学者ルース・ベネディクトが著した「菊と刀」
は日本人の行動パターンを知るために、日本人の生活や習慣、気質、思考など
を徹底的に分析した。

 それによって日本人の戦争遂行能力を判断しようとした。こうした情報活動
によって日本の暗号は全て解読されていた。連合艦隊司令官の山本五十六が乗
った飛行機も、暗号電文の解読によって事前に察知され、待ち伏せた米軍機に
よって撃墜された。
 米軍は収集した情報から日本人は天皇制のもと、最後まで抵抗するだろうと
判断して、戦争を早期に終わらせようと考えて広島と長崎に原爆を投下するこ
とを決断した。
 こうした荒療治をしなければ、本土を攻撃しても日本人は最後まで抵抗を諦
めず、米兵の犠牲者は増え続けると考えたからだ。かくの如くに、情報が意味
するところは大きい。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

◆3   気ままに自己流川柳  

        ( 神奈川県横浜市  木戸 篤 )
 寒い日が続き、全国的にインフルエンザが猛威をふるい、死者もでているよ
うです。私は毎日一粒の焼きニンニク摂取で免疫をつけてしのいでいます。

★★★★★★★ 自然・風景 ★★★★★★★ 

御来光 目映く昇り 世を照らす
元旦の日、団地の13階にある我が家からご来光を仰ぎました。房総の雲の
 間から、ゆっくりと新年の太陽が目映い光を放ちながら昇ってきました。

インフルで 学校行かれず 公園か
 朝出かける途中車窓から、近くの公園で遊んでいる小学生達をみかけまた。
 恐らくインフルエンザで学級閉鎖になっているのだと思います。

★★★★★★★  原発・政治・社会  ★★★★★★★ 

ロックオン 録画で検証 はっきりと
 韓国艦船によるレーダー照射事件で日韓で意見が対立しています。政府が公
 開した録画を見ると韓国の主張は全くのデタラメだと一目瞭然でした。

韓国は 国交断絶 恐れずか
 韓国は慰安婦、徴用工、竹島上陸、レーダー照射事件と日本タタキに狂奔し
 ています。このままでは日韓は国交断絶に発展しかねないと思います。

★★★★★★★   健康・文化・スポーツ  ★★★★★★★ 

清々し 感謝一礼 若者ら
 正月恒例の箱根駅伝の復路でふらふらしながらも走り終えたコースを振り返
 り、一礼する若者が何人かいました。初めての光景で胸が熱くなりました。

クエン酸 骨粗鬆にも いいらしい
 イワシの缶詰にクエン酸をかけて食べるとマイルドな味でした。更に「クエ
 ン酸摂取は骨粗鬆症にいい」とのネット記事を見つけ、嬉しくなりました。

さぞ無念 鉄砲玉に 潰されて
 日馬富士の突進で怪我を負い。休場を繰り返していた横綱稀勢の里がついに
 涙の引退となりました。さぞ無念だったろうと思います。

★★★★★★★  その他   ★★★★★★★ 

カラオケで 江差追分 挑戦す
 江差追分の本唄を初めてカラオケ伴奏で唄いました。なかなか難しいが、い
 い勉強方法だなと気付きました。後唄や前唄も挑戦したいと思います。

真剣に 南部牛追い お年寄り
 デイサービスで「南部牛追唄」の練習を始めました。そのうち唄入りのカラ
 オケを使ってみんなで合唱できるようにしたいと思います。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

◆4        農林水産業の活性化     
 
      ( 東京都小金井市 上田 亨 )
 農林水産業は地方の中核的な産業である。しかし、地方の高齢化や人口減少
は都市部に先駆けて進行している。日本全体が豊かになるためには、衰退化す
る地方の底上げが必要である。以下に農林水産業の改革事例を紹介する。

事例1 農産物貿易の拡大
 政府の発表によると、2019年に輸出額1兆円目標の達成は完全に視野に入っ
たという。米国・中国向けの高額品輸出が全体をけん引する。世界経済の先行
きは懸念材料だが各国の日本食ブームは根強い。
 輸出の伸びで目立つのは日本酒、和牛のサーロイン、ホタテ貝、なまこ、緑
茶等である。世界最大のコメ消費国である中国は11月末から新潟産米の輸入を
解禁した。

 日豪両政府は本年4月にも高級果物の通年販売実験に乗り出す。日本から海
外に輸出された果物は2017年、200億円でこの5年で3.5倍に急増している。特
に中国や東南アジアでは高級志向の高所得層が増えた。
 北半球の日本と南半球のオーストラリアでは季節が逆転している。この特徴
を生かし、両国で競合しない高級果物を通年販売の協力対象に選んだ。まず、
豪州北部の農場でメロンを試行栽培する。さらに柿やイチゴにも取り組む。

 日本の年間野菜消費量は約1000万トンで、国内生産量は800万トン、輸入量
が約200万トンだ。このうち、生鮮野菜が100万トン、冷凍野菜が100万トンと
なっている。
 生鮮野菜は天候不順で国産品が品薄となった時、海外から調達している。輸
入元は中国が65%、米国が8%、ニュージーランドが7%である。冷凍野菜は中国
などの生産国でカットして冷凍したものを輸入している。人出不足が深刻な外
食産業や共働き家庭が人出を省くため、利用している。
 冷凍野菜市場に対応するためには国内産地でカットや冷凍に対応できる施設
を持つことが課題となる。

 更に、TPP11が12月30日に発効し、日欧経済連携協定(EPA)が2月1日に発効
する。世界GDP(総生産額)の4割を占める巨大自由貿易圏が生まれる。我が国の
農産物貿易拡大には追い風となる。

事例2 水産業の再興
 かつて世界一を誇った日本の漁業生産量は遠洋漁業を中心に落ち込んでいる。
漁獲量と養殖量を合わせた漁業生産量のピークは1989年で1284万トンだったが
2016年には約3割の436万トンまで減った。
 資源管理で各国の足並みは揃わず、世界的な乱獲となり、水産資源の枯渇に
拍車をかけている日本の根本問題は恵まれた海の幸に甘え、漁船の大型化や養
殖業の発展など競争力を高める変革を怠ってきたことにある。

 水産庁によるとノルウェーの漁業者1人当たりの生産量は215トン、日本は28
トン、韓国は30トンだ。ノルウェーは1980年代に減船に取り組み、漁船の大型
化や高性能化を進め、90年代から生産性が向上した。
 日本での養殖生産量は年120万トンでマグロ、ブリ、タイ、カキ、ホタテ貝、
ノリ、ワカメが主だったところだ。地元漁協を優先する漁業権制度が壁となっ
て企業の新規参入は封じられ、この10年来、生産量は横這いとなっている。

 政府は昨年12月の国会で水産業の抜本改革案を成立させた。一つの柱は漁業
権制度を見直し、企業にも漁業権を与える。もう一つは水産業を近代化するた
め、漁船の大型化や養殖業への新規参入促進を盛り込む。
 養殖で期待されているのが「完全養殖マグロ」の輸出だ。天然の水産資源に
頼らないのがミソである。人工ふ化させるので幼魚を捕獲する必要がない。飼
料も配合飼料が使えるので、サバやサンマ、イワシの使用量が減らせる。

事例3 林業の活性化
 戦後、国や地方が積極的に植林した樹木の樹齢が50~70年に達し、主伐期を
迎えている。森林全体では毎年7000万立方mの木材が生まれているものの、活
用されているのは約4割の3000立方m足らずにとどまる。
 林野庁は国産木材の活用を促すため、国産木材で住宅を造る工務店や家具メ
ーカー、木材の流通業者などに設備投資や運転資金の確保を後押しする。この
ほか、木質バイオマスを燃料に使う発電事業の拡大も目指す。

 現在36%の国産材の供給比率を上げるには今が好機だ。住宅着工件数は底堅
く推移し、木材の需要も増加傾向にある。海外の木材は輸出国側で自然保護の
動きが強まり、輸入価格は上昇傾向にある。
 問題は国産材のコスト高にある。そのためには植林、間伐、伐採を担う専業
の民間事業体の育成、木材搬出用道路網の整備、高性能林業機械の導入と言っ
た林業活性化策が不可欠だ。
 林業活性化策の財源は主伐機木材の増産・変動費減、水害発生時の丸太流出
による被害圧縮・復興費減の名目で捻出できないだろうか。

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