東野圭吾の推理小説でガリレオシリーズの第6段で、
シリーズ3作品目の長編小説。2011年発行。
2013年に映画化された福山雅治主演(ガリレオ:湯川学)を観た。
草薙刑事は北村一輝。
湯川が美しい海辺の町を仕事で訪ね、
そこで起きた殺人事件から過去の事件までを解いていく。
この映画のテーマは「一事不再理」である。
これは「同一刑事事件について確定した判決がある場合には、
その事件について再度の実体審理をすることは許さない」
と言う事である。
夏休みのある日、小学4年生の恭平は、
両親が多忙のため親戚が旅館を経営する瑠璃ヶ浦に行くが、
列車の中で湯川と遭遇する。
湯川は海底鉱物資源開発の説明会に招かれ行く途中だった。
開発会社の経費で呼ばれてはいたが、学者として中立の立場で
物事を見たい湯川は予約されたホテルではなく、
恭平の伯父の旅館に宿泊する事にした。
そこで・・・宿泊客が転落死してしまう。
酒に酔って岸壁から転落したと処理されそうになったのだが、
人物が東京の元刑事だった事から事故死はありえない、
何かが隠されている・・・と。
子供が近くにいると蕁麻疹が出るというほど大の子供嫌いの湯川が
恭平とは気が合ったようで、一緒に実験をしたり勉強を教えたりする。
湯川は元刑事の死因が一酸化炭素中毒であった事から、
その原因を想像し推理して行く。
元刑事はなぜ瑠璃ヶ浦に行ったのか?
なぜ事故死に見せかけて殺されたのか?
草薙は16年前に元刑事が扱った事件から、
瑠璃ヶ浦との関係を暴いていく。
16年前の事件は犯人も逮捕されており、
服役した犯人は出所していた。
しかし元刑事はその事件に疑問を持っており、
自分が逮捕した犯人が誰かの身代わりになったのではないか、
と独自に調べていた。
湯川は真相を突き詰めて行くが、思いもよらない展開に・・・。
そしてその事件の真犯人が判るのだが・・・
16年前の事件はすでに終わっており、
今になって真犯人がわかったところで、
何もできないのである。
その真犯人が憎むべき凶悪犯ではないけれど、
でもなぁ・・・殺人を犯しているわけだし。
16年間、苦しんだとはいえ・・・・。
と、なんだかスッキリしないのだった。
しかも殺人を犯した犯人が何も知らない自分の身内に
片棒を担がせたと言うのは、やっぱりしっくりこないなぁ。
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