文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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再発信!帝国主義じやあるまいし、「取り込む」ってなんなのか。実に「内向き」な、品のない言葉だと思いますね

2024年07月06日 13時16分19秒 | 全般
以下は前章の続きである。
▼柴山
「アジアの成長を取り込む」というおきまりのフレーズも、なんとかしてほしいですね。
帝国主義じやあるまいし、「取り込む」ってなんなのか。
実に「内向き」な、品のない言葉だと思いますね。 
それにアジアの新興国の成長が今後とも順調に進行のか、という問題もある。「人口が多ければ消費者がたくさんいるから発展する」という理屈ですが、人口が多ければ発展するなら苦労はしない。
消費が旺盛になれば経常収支は赤字になりやすいし、格差は広がりやすいし、国民の連帯も難しくなる。
人口大国には、利点と同じか、それを上回る欠点があるのです。 
現に日本だって19世紀の開国時には人口大国だった(1860年の時点で日本3300万人に対し、イギリス2800万人、アメリカ3100万人)。発展段階はまだ低いのに人口は多いというところから出発していろんな苦労を重ねてここまでき九わけです。 
人口大国だから発展するというなら、ではなぜ資本主義はオランダやイギリスなど、ヨーロッパでも人口の少ない国で発展したのかと思いますね。
イギリスはフランスに比べれば人口小国で、産業革命が起きるまでは辺境の田舎国家でしかなかった。アメリカだって同様です。だから軍要なのは、数ではなく国民の政治的・経済的な組織力で、それが発展の原動力なんです。 
人口が多過ぎると国がまとまらないし、若年人口が多いと「コース・バルジ」といって政治体制が不安定化しやすくなる。
これから人口の多い新興国では成長の鈍化に伴って予想もつかない混乱が起きやすくなると思いますね。現に戦前の日本も人口を養うのに大変だったわけで、その歴史を思い出すだけでも新興国の未来を手放しで楽観できないはずです。 
日本人は、どうやって自分たちが発展してきたか、その歴史を忘れてしまっているように
思いますね。
日本国内の改革論がどこかズレているのも、日本のこれまでの歩みを正しく評価できていないことが原因かもしれません。
 
 

2024/7/5 in Okayama

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