以下は、本日発売された月刊誌WiLLの巻頭を飾る大特集からである。
最澄が定義した国宝である櫻井よしこさんと現役の記者として本物の一人である阿比留瑠比氏の対談特集である。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読である。
特にドイツ国民、就中、ベルリン市ミッテ区の無知蒙昧な左翼系議員達は必読である。
彼らに対しては、私が全文を翻訳して彼らの無知に引導を渡す。
文中*~*は私。
晴らされた濡れ衣
ついに真実が捏造に勝利したーこの判決を反撃の一歩とせよ!
〈編集部から〉
柳井よしこ氏は、『WiLL』2014年4月号に「朝日は日本の進路を誤らせる」と題して寄稿した。
そこで、元朝日新聞の植村隆記者が書いた慰安婦に関する記事を「捏造」と論評している。
それから間もなく、植村氏は「慰安婦記事を捏造した」等の指摘で名誉を傷つけられたとして、櫻井氏と小社、および同様の記事が掲載された『週刊新潮』『週刊ダイヤモンド』を発行する新潮社とダイヤモンド社に、総頷1,650万円の損害賠償と謝罪記事の掲載を求める訴訟を提起した。
2018年11月、札幌地裁は、櫻井氏の記事は「植村氏が意図的に虚偽の事実を報道したとの印象を与えるから原告(植村氏)の社会的評価を低下させるものであるが、当該記述には、真実性・真実相当性が認められ」るとして、植村氏の請求を棄却。
植村氏は地裁の判決を不服として控訴したが、2020年2月に札幌高裁は一審判決を支持し、「その摘示された事実又は意見ないし論評の前提とされている事実が真実であると証明されているか、真実と信じることについて相当な理由があると認められ」るとして、植村氏の控訴を棄却した。
そして2020年11月、最高裁は植村氏の上告を退ける決定を下した。
これにより、請求を棄却した1、2審判決が確定。
5年以上にわたる法廷闘争は、櫻丼氏の勝訴、植村氏の敗訴に終わった。
真の元凶
阿比留
完全勝訴、おめでとうございます。
櫻井
ありがとうございます。阿比留さんには、産経新聞のコラム「極言御免」で裁判を取り上げていただきました。
阿比留
朝日新聞の捏造報道によって日本人の歴史認識が歪められてきたというのは、我々がかねて主張してきたことです。
司法が朝日の「捏造」を認定した意義は大きい。
櫻井
これは個人の「名誉棄損」や「報道の自由」の問題ではありましたが、同時に日本の国益が懸かった裁判だったというのが私の認識です。
*日本は国益を懸けてドイツ・ベルリン・ミッテ区を告訴しなければならない*
阿比留
今回の裁判について、産経を含めた各紙はもっと大々的に報じるべきです。
朝日新聞は「元朝日記者の敗訴が確定 慰安婦報道訴訟」とべ夕記事を掲載していましたが、当事者意識は微塵も感じられません。
慰安婦を強制連行したと虚偽証言した吉田清治氏の記事と並んで、植村氏の記事も慰安婦報道の象徴といえる。
判決を正面から受け止め、読者と国民に反省の姿勢を示すべきです。
櫻井
日本は国際社会において、いわれなき非難に哂されています。
旧日本軍が戦時中に朝鮮半島から女性たちを強制連行し、慰安婦という性奴隷にした揚げ句、その約75%を殺害したなどの濡れ衣も着せられている。
朝鮮半島から20万人、中国から20万人、合わせて40万人もの女性を悲惨な目に遭わせていたという風説が、主にアメリカを舞台として韓国系、中国系団体によって流布されているのです。
その原因をつくった朝日新聞こそ、慰安婦問題の真の元凶といえるでしょう。阿比留
植村氏による問題の記事は、朝日新聞大阪版の1991年8月11日付朝刊に掲載された「元朝鮮人従軍慰安婦戦後半世紀重い口開く」というもので、以下のように記されている。
「『女子挺身隊』の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた『朝鮮人従軍慰安婦』のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり、(中略)体験をひた隠しにしてきた彼女らの重い口が、戦後半世紀近く経って、やっと開き始めた」
植村記事の果たした役割
櫻井
朝日新聞の慰安婦報道において、植村氏の記事がどんな意味を持っているのかを記憶しておくことが大事です。
1982年9月2日、朝日新聞は吉田清治氏の証言を掲載しました。
吉田氏が軍命で済州島に出向き、200人の女性たちを強制連行したというのです。
いわば、「加害者としての日本軍」を仕立て上げたものです。
朝日新聞はそのウソを複数回にわたって報じ続けました。
植村氏の記事は、それまで一人も実在の人物としては特定されていなかった朝鮮人女性の被害者を世に知らしめるものでした。
「被害者としての朝鮮人女性」の出現は本当に大きなショックでしたが、植村氏の記事によって「加害者・日本VS被害者・朝鮮」という吉田証言の構図が確固たるものとなったのです。
阿比留
植村氏の記事で女性は匿名になっていますが、金学順氏のことです。
金氏は記者会見やインタビューでは、養父に連れられて中国に渡り、そこでキーセンに売られたと語っています。
櫻井
ところが記事は、慰安婦とは何の関係もない「女子挺身隊」を持ち出し、あたかも日本・日本軍が国家戦略によって強制連行したかのような印象を与えました。
日本人にとっては周知のことですが、「挺身隊」は、日本政府が戦時中に労働力として工場などに動員した女性たちのことです。
朝鮮では労働条件が内地と異なるので、実効性のある制度とはなりませんでした。
阿比留
私は2015年、植村氏に取材したことがあります。
その際、録音テープに「挺身隊」という言葉が出てきたかを尋ねると、「定かじゃない。当時、『挺身隊イコール慰安婦』だったんで」と返された。
そもそも、植村氏は金氏に会って話を聞いたわけではありません。
韓国の反日団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」に匿名の録音テープを聞かされ、それを記事にしたのです。
この程度の取材で記事を書くとは、記者の常識に照らしても到底理解できません。
「捏造」以外の何物でもない
櫻井
今回の裁判でも、弁護士が「録音テープには『女子挺身隊の名で戦場に連行された』という発言はありましたか?」と質問しました。
植村氏の回答は「記憶にありません」というものでした。
「日本において女子挺身隊と慰安婦とが本来別物であるということは認めるんですか?認めないんですか?」という問いに対しては、「日本では、慰安婦のことを女子挺身隊とは通常呼ばないということは認めます」と答えていました。
阿比留
挺身隊と慰安婦の違いを知っていながら、敢えて混同させたわけです。
櫻井
裁判官はまた、「『女子挺身隊の名で戦場に連行され』というふうなことが書かれていると思うんですけれども、ここで言う『名で』という言葉の意味というのはどういう意味で使われているんですか?」と質問したのです。
これに対して、植村氏は「先ほど言いましたように、いわゆる韓国で女子挺身隊というふうに呼ばれているところの慰安婦という、そういう意味で使いました」と答えています。
阿比留
なぜ、わざわざ韓国語に合わせる必要があるのか。
櫻井
植村氏が記事を書いたのは韓国の新聞ではなく、日本の朝日新聞ですからね。非常におかしい。
さらに重大なのは、植村氏が「法令に基づいて連れていかれた人ではないということは認識がありました」とも証言していることです。
植村氏は金さんが日本国の法令に基づいて連れていかれたのではないと知っていながら、「戦場に巡行され」だと書いたのです。
しかも、金さんはテープで「だまされて慰安婦になった」と語っていたと植村氏は認めています。
彼女の言った事実を書かないで、「女子挺身隊の名で連行され」たと、彼女の言っていないことを書いた。
都合の悪いことを隠して都合の良いことを書き加えるーこれは「捏造」以外の何物でもありません。
この稿続く。