以下は前章の続きである。
日韓併合から歴史が始まった
高山
そう言えば、ワイドショーを見ていたら嫌韓本がたくさん出ていると紹介して、その中に僕の『韓国とメディアは恥ずかしげもなく嘘をつく』(徳聞書店)の表紙がデカデカと映し出されていた(笑)。
宮脇
むしろ、いい宣伝じゃありませんか(笑)。
高山
ほかの本のほうが嫌韓本として相応しいと思うけどね。
それこそ良識的な韓国研究本も出ている。
松本厚治さんの『韓国「反日主義」の起源』(草思社)や宮脇さんの『中国・韓国の正体』(ワック)がそうじゃありませんか。
宮脇
松本さんの本は、私がそれまで書いてきた韓国に対する見方を論証してくれた大変な良書でした。
豊富な資料で、当時の朝鮮人の考え方が実証されています。
高山
最初に取り上げたのは、僕だけど、それからみんなが盛んに書評で取り上げるようになった。
松本さんにはお茶の一杯でも奢ってほしいくらいだ(笑)。『明日への選択』でも岡田邦宏氏が丁寧に読み解いている。 韓国は古来、誰からも相手にされず、日陰のような存在だった。
だから、日帝36年というのは、まさに天国だったと言える。
宮脇
松本さんの本によれば、日本が朝鮮半島を併合したときから韓国の歴史が始まった。
それまでは漢文の世界で、一握りの人たちが「四書五経」を読んでいただけで、シナ文明の一部だった。
ところが、日韓併合以降日本文化を下敷きにして朝鮮文化ができ上がっていく。
そうすると過去とつながらなくなるのです。
日本は漢文を導入したものの日本式に読み下すことをしました。
だから、古い漢文も日本語として読めるので伝統がつながっています。
ところが、朝鮮では漢文は漢文として音読みしていました。その後、日本語を取り入れて、新たに近代朝鮮語を整備します。
そうなると、漢文は外国語となる。
だから、それまで漢文で書かれてきた公式文書や歴史書、小説などは、誰も読めなくなってしまったのです。
高山
日本製の漢字を取り入れて、なおかつハングルも使用することになった。
そんな中、天皇謝罪を口にした文喜相が「日本式表現を捨てよう」と、法律用語213個の改正を要求と、滅茶苦茶なことを言い出している。
自分たちで新たに言葉をつくる力があるのか。
宮脇
当時の朝鮮人は、訳もわからず日本人になったのです。
それまでは訳もわからず中国人でした。
高山
訳もわからずモンゴル人だったときも(一同爆笑)。
宮脇
しかも身分制度が厳然としてあって、下層階級の人たちは上層階級からイジメられて、朝鮮人という意識もなかったのです。
だから、日韓併合が起こったときも、雲の上の出来事のようにとらえていました。
そのため、抵抗の形跡が一切ありません。
今の韓国教科書が特記するような、三・一運動で全国民が反日抗議をしたというのも全部ウソ。
高山
両班上りの連中は中華思想に塗れていたから、中国のままのほうが良かっただろう。
宮脇
日本の教育や政治体制が浸透していき、ご飯はおいしくなるわ、衛生環境が高まり、死亡率が減って、インフラは整備される。
日本人としての生活が馴染んできた1940年代になると、「もっと日本人になろう」「日本文化になるべく近づこう」と競争が始まる。
ところが、日本が負けてしまった。
朝鮮人は日本人として生きていたのに、突然、「お前たちは日本人じゃない」と言われたとしたら、どう思うでしょうか。なおかつ、次にやってきたアメリカは「日本はとても悪い国だった」と吹聴するわけです。
朝鮮人は仕方なく、「我々は悪い日本人ではありませんでした」と言うしかなかったのです。
それで自分たちの日本人的なものはすべて切り捨て、抑え、隠し、反日を推し進めるようになったのです。
でも、優秀な人材の多くは日本文化の薫陶を受けて成長していました。
高山
法律家や政治家は日本教育を受けていたから、親日派だった。
宮脇
一方で、アメリカ帰りの李承晩は反日的で、日本の影響が濃かった軍人たちを虐殺しています。
でも、李承晩は例外として、日本の教育を受けていない韓国人は1人もいません。
それである日、突然「日本は悪い国でした」と言われるわけですから、これほど哀れなことはありません。
この稿続く。