水産業界事件記録

水産業界で発生した事件の報道記録

被災から経営再建中の水産加工会社から詐取 韓国人の男ら2人を再逮捕

2015-08-10 14:15:08 | 日記


2015年8月10日 産経WEST
被災から経営再建中の水産加工会社から詐取 韓国人の男ら2人を再逮捕
東日本大震災で被災した岩手県の水産加工会社から加工食品をだまし取ったとして、大阪府警捜査2課は10日、詐欺容疑で住所不定、自称不動産仲介業の張東吉被告(75)=韓国籍、別の詐欺罪で起訴=ら男2人を再逮捕した。張容疑者らの逮捕は3回目。2人の再逮捕容疑は、昨年3~4月、岩手県内の水産加工会社に冷凍ホタテグラタンなど食品約4千個(計約400万円相当)を注文し、代金を支払わずだまし取った上、同県内のサケ加工業者にも取引を持ちかけ、サケの薫製など約170個(計約57万円相当)を詐取したとしている。同課によると、商品をだまし取られた水産加工会社は、震災で被害を受けた複数の業者が共同出資して設立した会社だった。一方、サケ加工業者は震災で設備が壊れるなどして経営再建中だったという。

2015年7月20日 産経WEST 【衝撃事件の核心】
東北の被災企業を食い物にした職業詐欺師
復興支援商談会に潜入「足元見て金かすめとる」卑劣
東北の被災企業を食い物にした「職業詐欺師」 復興支援商談会に潜入「足元見て金かすめとる」卑劣取り込み詐欺の構図。東日本大震災で売り上げが大きく落ち込んだ被災企業の弱みにつけ込んで取引を持ちかけ、商品の代金を払わずに転売して利益を得ていた。被害総額は1億3800万円以上にのぼるとみられる 「おかけになった電話番号は、現在使われておりません」。電話口から聞こえるアナウンスに、詐欺被害を確信したかもしれない。大阪の食品卸売会社「心優花(みゆか)」をめぐる取り込み詐欺事件。同社に商品を納めた業者は、いくら督促してもなかなか代金が支払われず、揚げ句の果てに電話もつながらなくなり、商品を持ち逃げされたという。大阪府警の捜査では、同社の卑劣な犯行の一端が明らかにされた。東日本大震災の復興支援を目的とした中小企業の商談イベントに営業マンを送り込み、取引をまとめては、代金を支払わずに商品を第三者に転売し、利益を得ていたというのだ。再起に向けて動き出している被災地の中小企業の弱みにつけ込む手口。「震災で売り上げが大きく落ち込んでいるのに…」。被害に遭った中小企業のショックは計り知れない。独立行政法人主催のイベントで… 「実に面白い品物ですね。ぜひうちで取り扱わせてください」 昨年2月、大阪・南港のATC(アジア太平洋トレードセンター)で、水産物関連の「シーフードショー大阪」と、農産物関連の「アグリフードEXPO大阪2014」の2大商談会が開かれた。その中に設けられた「東北三県いただきマルシェ」のコーナーに出展していた福島県の食品加工販売会社の担当者は、心優花の社員を名乗る男に声をかけられた。 後日、福島の加工会社は数十万円分の商品の販売契約を結び、商品を発送。しかし、代金の支払いがなかったため4月下旬、電話で問い合わせたところ、連絡がつかなくなっていたという。 心優花-。大阪府警が6~7月、代金を支払うつもりがないのに取引を持ちかけ、商品をだまし取る「取り込み詐欺」をしたとして、詐欺容疑で実質経営者の自称不動産仲介業、張東吉容疑者(75)=韓国籍=らを逮捕した会社だ。 「-マルシェ」は、東日本大震災で被害を受けた福島、岩手、宮城の3県の中小企業の復興支援につなげようという催しで、経済産業省所管の独立行政法人「中小企業基盤整備機構」が東京と大阪で初めて企画。大阪では、海産物や地酒、加工食品などの企業約100社が出展していた。 震災復興という趣旨や独立行政法人が企画主体という面で、信頼の置けるイベントだったはず。だが、ほかにも出展していた岩手県の水産加工販売会社が「心優花に商品をだまし取られた」といい、同社の男性社長は「東北の企業を支援するイベントなのに、どうしてあのような人間が会場に入り込んでいたのか」と憤りを隠さない。「振込先間違えた」とのらりくらり 「震災で取引先を失った業者も多い中、震災から4年たっても風評被害が根強い。特に東北から離れた地域ほどその傾向がある。マルシェに意欲を持って臨む人は多かったと思う。だまされた人はその思いを逆手にとられたのではないか」と話すのは岩手県産業経済交流課の担当者。弱みにつけ込む手口は「-マルシェ」以外でも見受けられた。 福島県会津地方の農家の場合、心優花の電話営業がきっかけだった。 「送り先がコメの仕入れを急いでいる。こちらからコメを取りに行かせる段取りもしている。ぜひともコメを400袋送ってほしい」 東京電力福島第1原発の事故による風評被害の影響などで、売り上げは震災前の3割程度にまで落ち込んでいたというこの農家。渡りに船だったのか、昨年4月、心優花との間で売買契約を結んでしまった。 しかし、代金は振り込まれてこない。督促しても「月末まで待ってくれ」「振込先を間違えた」「社員に会社の金を持ち逃げされた」と、のらりくらりとかわされた。そのうち、夜逃げ同然に姿を消したという。府警は今年6月、この農家からコメの人気品種「ひとめぼれ」の玄米400袋をだまし取ったとして張容疑者らを逮捕。大阪地検は、だまし取った数量を「ひとめぼれ」の精米など3144袋(販売価格計2827万円)にまで積み増しし、詐欺罪で起訴した。700円のジュースを80円で売り抜け 事件はこれだけにとどまらない。コメ、冷凍グラタン、トナーカートリッジにロボット掃除機…。府警によると、心優花は、ありとあらゆる品物をだまし取っていたとみられているが、長野県の農家の場合は、ジュースだった。 今度は水産物でなく、農産物を中心とした商談会。心優花の社員に営業をかけられたフルーツ農場経営の男性は、リンゴジュースと洋なしジュース計約6900本を納品したが、まんまと持ち逃げされた。 こちらもコメ農家のときと同様、「月末まで待って」「振込先を間違えた。数日かかる」と言い逃れをされ、不審に思って電話をかけてみたら、「この電話番号は使われていません」の音声が。インターネット上からホームページも消えていた。 府警は7月、この事件で張容疑者らを再逮捕。1本680~700円程度で仕入れた(だまし取った)リンゴジュースを、はるかに安い80~120円で転売するなどし、利益を得ていたという。 府警によると、これまで福島や岩手をはじめとする28都府県の約100業者が心優花による詐欺被害を訴えているといい、被害総額は1億3800万円以上にのぼるとみられる。 張容疑者らがこれだけ大規模に〝商談〟を繰り広げることができたのは、「経験」があったからかもしれない。 事件ではまず、休眠会社だった「心優花」をブローカーから数十万円で買い取り。ホームページやパンフレットを用意し、ハローワークを通じて社員を集め、稼働している会社に見せかける。そうして準備を整えた上で、取引を持ちかけ、十分に稼いだところで突然姿を消していた。 府警の捜査関係者は、張容疑者らについて「会社を変えながら、ずっと取り込み詐欺を繰り返してきた詐欺グループで、一味は『職業詐欺師』といえる」と指摘。実際、張容疑者は昨年6月、心優花ではない別の会社を舞台にした取り込み詐欺事件で、愛知県警に逮捕されていた。 だまし取った商品を廉価で転売できたのも、長年の経験で、非正規ルートで商品を仕入れて投げ売り同然の価格で転売する「バッタ屋」と呼ばれる業者を複数知っていたからこそなのだろう。 心優花の事件に関連し、取材に応じた福島県の食品会社の男性役員(39)は「(心優花以外にも)東北の企業が展示会や商談会で嘘の取引を持ちかけられることは多い」と打ち明けた。足元を見て、弱みにつけ込んで、カネをかすめとろうという卑怯(ひきょう)な輩がまだいる可能性がある。 「被害を恐れて展示会や商談会に出ないという会社もある」と男性役員。金をだまし取らなくとも、すでに復興の妨げになっている。詐欺師らの罪は重い。



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