水産業界事件記録

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カツオ盗容疑の6人は別集団か 焼津署逮捕 計量所通さず複数回

2022-05-11 02:05:20 | 日記

カツオ盗容疑の6人は別集団か 焼津署逮捕 計量所通さず複数回

2022.5.10

 焼津漁港に水揚げしたカツオが流通段階で抜き取られた事件で、計量所を通さないまま冷凍カツオをトラックに積んで盗んだとして焼津署などが窃盗の疑いで逮捕した容疑者らは、これまで複数回にわたって同様の行為を繰り返していたことが9日までに、捜査関係者への取材で分かった。既に摘発された容疑者らとは別のグループによる犯行とみられる。同署は盗んだ大量のカツオを鹿児島県で売りさばいていたとみて、流通の経緯を調べている。

 逮捕されたのは、神奈川県に本社を置く運送会社「ホクユウ」(現社名ケイエスケイ)元社長の男(48)=神奈川県南足柄市竹松=、同社元社員の男(44)=神奈川県小田原市下大井=、焼津市内の水産加工会社「大熊フーズ」役員の男(56)=同市与惣次=、都内の水産加工会社「大洋エーアンドエフ」焼津営業所長の男(46)=同市駅北3丁目=、同市の「協同組合焼津水産加工センター」職員の男(51)=同市北新田=、鹿児島県の元食品卸販売業で無職の男(65)=鹿児島県指宿市山川大山=の6容疑者。
 逮捕容疑は6人が共謀し、昨年3月22日に焼津市内の魚市場で冷凍カツオ約10トン(計約163万円相当)を盗んだ疑い。漁業関係者の証言によると、この時期に漁港に設置されていた防犯カメラに、カツオを積んだトラックが計量所を通過せず、市場外へ持ち去る様子が記録されていたという。
 関係者によると、6人は昨年3月22日以前にも、未計量のカツオを繰り返し盗み、運び入れた焼津市内の倉庫に45トンほどたまると、鹿児島県へ運搬していたとみられる。同署では、6人がこうした行為をいつ頃から続けていたかや漁協関係者らの関与がなかったかなどの調べを進める。

 ■昨年起訴5人と接点なく 鹿児島に組織的横流し?
 焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオの窃盗事件を巡り、昨年逮捕、起訴された5人とは別に、新たなグループ6人が逮捕された。盗んだカツオの一部はかつお節の生産高日本一として知られる鹿児島県へ流れ、同県内の水産加工会社に販売していたとみられる。二つのグループの間に接点はないとみられ、同漁港で複数のグループによる組織的な窃盗行為が頻発していた可能性が高い。
 九州で「カツオの街」として知られる鹿児島県の枕崎市と指宿市の漁港周辺には、多くの水産加工会社が集まっている。関係者によると、鹿児島県に運び込まれたカツオは無職の男が当時、現地で営んでいた会社を通じて、同県内の水産加工会社などに販売していた疑いが出ている。同署では、それぞれの役割やグループ内の収益配分などについて慎重に捜査している。
 関係者によると、逮捕された焼津営業所長の男が勤務する「大洋エーアンドエフ」は、焼津漁港で魚の買い取り量の多さで知られていた。焼津市内の水産加工会社役員の男が勤務する「大熊フーズ」は鹿児島県の水産加工会社の間で高いブランド力を誇っているという。同署は、会社の販売力などを悪用してグループを形成していったとみて調べている。


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