きょうの俳句

癌と闘う自分への応援詩
--志賀たいじ[花冠同人]の俳句ブログ

きょうの俳句【6/14(土)】           

2008-06-14 08:19:11 | Weblog
各駅停車の音が好(い)い麦の秋
あじさいの幼き毬を見つけたり
消えてゆくサイロの影や緑濃し

北海道風景をイメ-ジするものの一つにサイロがある。いま、次から次と消えているという。最近のものは鋼製なので解体され鉄くずで換金になるそうな。サイロで牧草を醗酵させたのはひと昔の事、今は簡単にロ-ル化梱包して醗酵して仕舞うので、サイロは不用だそうだ。何れ腐食が来るから、引手あまたの今が処分時期だそうな。数十棟が消えた由、観光を標榜する北国としては寂しい限りだ。 

きょうの俳句【6/13(金)】           

2008-06-13 08:53:11 | Weblog
ルピナスのつんつん立ちぬ雨の朝
とりどりの躑躅リラに座を譲り
草の伸び夏野の道を見失えり
雪嶺や菜花に染まることもなく

知床に向う隣町斜里町に一昨日は時ならぬ雷雨に雹や霰が降ったと言う。数年前にこの時期知床に向った時の菜の花畑を配した残雪の斜里岳がとても美しかったのを思い出した。

きょうの俳句【6/12(木)】           

2008-06-12 11:54:35 | Weblog
春蝉に一灯遠き峡の家
投網打つ獲物の重さ無き重さ
白清しニセアカシヤはいと寂し
<上水水源地にて>
とめどなく湧き出づる水透き汲まむ

当地では水の美味しさをアピ-ルし観光と熟年者の定住誘致に水道の源流を網走天然の水として売り出す企画があるそうだ。適度な硬度と阿寒の伏流水ゆえの一年中水温が7-8℃と低く、真夏に氷がなくとも10℃以下を自然に保てる右に出る水は他にないだろう。鹿児島に次ぐ名水と言う人もいる。

きょうの俳句【6/10(火)】           

2008-06-10 08:06:30 | Weblog
噴水に耀くしぶき星の降る
地に怒涛よさこい演舞のうねる夏
根無し草余白の水の動かざる

札幌のヨサコイソ-ラン踊りの催しは昨日ハイライトで終わった。数十チ-ムの踊りはまことにソ-ラン踊りに相応しい怒涛の押し寄せる勇壮なものだった。でも、名のある伝統の踊りの様な優美さを感じないのは何だのだろうか。一句目と二句目は札幌大通り公園で見た数年前の思い出の宵の景です。三句目は近所の寺の池の景の詠み。

きょうの俳句【6/4(水)】      

2008-06-04 06:41:59 | Weblog
咆哮にこたえ咆哮の牧の初夏
夕風に扇をたたむ少しづつ
最北の平野に動き田の植わる
みどり野の佇むわれに絮毛とぶ

今日は予想外に治療が早く終わったので、車をと遠まわりさせて帰宅した。体の方は大した疲れはないのだが、思考力の方は全く駄目のようだ。

きょうの俳句【6/3(火)】          

2008-06-03 06:47:42 | Weblog
まみどりは命の色よ杲々(こうこう)と
五月雨や蟹運搬の露(ろ)船来る
花の季に匂い残して水芭蕉

おおかたの人は水芭蕉は春に白い大きな炎苞に包まれるがそれを花と思っている。今、炎苞を落とし薄緑の小さな花を棒状に集めて、人の訪れぬ水辺で静かに水芭蕉は咲いている。趣きのある一景である。