俳句雑誌「水煙」11月号掲載作品
[作品7句-----土用なみ]
赤とんぼ触れ合う音のなかりけり
ベランダのシーツの乾き赤とんぼ
揺らしては漁り火崩す土用なみ
蛍火の子の掌に点るとき明かし
鈴鳴らし新涼の風海に向く
麦稈の匂えるかなた藍き海
売られゆく牛の耳標や牧に秋
[水煙作品5句]
風鈴にそれぞれの音暮れなずむ
秋桜の揺れて車窓のわれを追う
終点の降りる独りに夏の蝶
夕焼けのどの灯に帰る子と子犬
祭り夜の眠らぬ明かり散ってゆく
俳句雑誌「水煙」10月号掲載作品
[作品7句-----カムイの森]
木菟が居てカムイの森の海霧晴らす
昃れば青き匂いに椎のはな
風匂うじゃが薯の花の只中に
みどり野を乳房揺らして牛帰る
葛まんじゅう曇る器に透きてあり
灯しても消してもひとり鉄風鈴
子らの網風の高さに蜻蛉追う
[作品7句-----土用なみ]
赤とんぼ触れ合う音のなかりけり
ベランダのシーツの乾き赤とんぼ
揺らしては漁り火崩す土用なみ
蛍火の子の掌に点るとき明かし
鈴鳴らし新涼の風海に向く
麦稈の匂えるかなた藍き海
売られゆく牛の耳標や牧に秋
[水煙作品5句]
風鈴にそれぞれの音暮れなずむ
秋桜の揺れて車窓のわれを追う
終点の降りる独りに夏の蝶
夕焼けのどの灯に帰る子と子犬
祭り夜の眠らぬ明かり散ってゆく
俳句雑誌「水煙」10月号掲載作品
[作品7句-----カムイの森]
木菟が居てカムイの森の海霧晴らす
昃れば青き匂いに椎のはな
風匂うじゃが薯の花の只中に
みどり野を乳房揺らして牛帰る
葛まんじゅう曇る器に透きてあり
灯しても消してもひとり鉄風鈴
子らの網風の高さに蜻蛉追う