きょうの俳句

癌と闘う自分への応援詩
--志賀たいじ[花冠同人]の俳句ブログ

俳句雑誌「水煙」10.11月号掲載作品

2006-10-12 14:56:05 | Weblog
俳句雑誌「水煙」11月号掲載作品

[作品7句-----土用なみ]
赤とんぼ触れ合う音のなかりけり
ベランダのシーツの乾き赤とんぼ
揺らしては漁り火崩す土用なみ
蛍火の子の掌に点るとき明かし
鈴鳴らし新涼の風海に向く
麦稈の匂えるかなた藍き海
売られゆく牛の耳標や牧に秋
[水煙作品5句]
風鈴にそれぞれの音暮れなずむ
秋桜の揺れて車窓のわれを追う
終点の降りる独りに夏の蝶
夕焼けのどの灯に帰る子と子犬
祭り夜の眠らぬ明かり散ってゆく


俳句雑誌「水煙」10月号掲載作品

[作品7句-----カムイの森]
木菟が居てカムイの森の海霧晴らす
昃れば青き匂いに椎のはな
風匂うじゃが薯の花の只中に
みどり野を乳房揺らして牛帰る 
葛まんじゅう曇る器に透きてあり
灯しても消してもひとり鉄風鈴
子らの網風の高さに蜻蛉追う