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羽花山人日記

徒然なるままに

させていただく

2023-08-02 20:00:53 | 日記

させていただく

昨日の朝日新聞『多事争論』に,同紙記者河合真美江さんの『「させていただきます」丁寧すぎ?敬意と守りと』という題のエッセイが載っていた。

「させていただく」は日常的によく使われる修飾語である。文化審議会の答申「敬語の指針」(2007年)には,「基本的には相手の許可を受けておこない,そのことで恩恵を受けるといった時に使われる。そうでない時はあまり適切とは言えない」と述べられているという。

「『させていただく』大研究」の著者で,法政大学教授の推名美智さんは。,「相手との程よい距離をとる,丁寧な自分を表す便利な言葉」と言っているという。また,言語学者の飯間浩明さんは,「させていただく」は敬語体形の不備を補っていると指摘しているという。つまり,「見る」には「拝見する」,「行く」には「おうかがいする」があるが,「着る」や「書く」のような多くの動詞にはそれに相当する言い方はなく,「させていただく」をつければ謙遜語にすることができる。

河合さんは,更に飯間さんの言葉を引用する。「させていただく」には,相手は何かをしてくれなくても,「おかげさまで」の思い,尊敬の気持ちがこもっている。

一つ一つ,なるほどと感服「させていただいた」。

ところで,外国語にはこのような言い回しがあるだろうかと,ChatGPTに「そのようにさせていただきます」を,英語とスペイン語に訳してもらった。訳文は次の通り。

英語での表現:「I will do it that way」または「I will make it happen that way」

スペイン語での表現:「Lo haré de esa manera」または「Lo llevaré a cabo de esa manera」

いずれも,「そうします」という自分の意思が表に出て,謙譲や尊敬のニュアンスは感じられない。やはり,敬語は日本文化独特のものだろう。

しかし,敬語も使いすぎるといやらしくなる。政治家が使う敬語に白々しさを感じるのは,わたしだけではないだろう。

夏  の  雲

自宅ベランダから撮影

 

STOP WAR!


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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (寺井)
2023-08-02 23:49:55
今日の話はとても面白く読ませて頂きました。
「させていただく」は、時には謙り過ぎとも感じてしまうので、好きではない言葉のひとつでした。
 
返信する
Unknown (KamijimaAkio)
2023-08-03 07:32:33
敬語は日本文化の独特なものですので大切にする方が良いと思います。「させていただく」はとても便利な「謙譲語」てすね。
相手に違和感を与えぬよう、過剰にならぬよう謙譲語、敬語でも注意すべきだと思います。
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Unknown (天野明)
2023-08-03 10:10:09
尊敬語・謙譲語・丁寧語等日本語は豊富ですね。使い方如何では「慇懃無礼」と思われたりと難しいですね。「させていただく」は「謙譲語」として素晴らしいと思いますが使い方によっては「慇懃無礼」と捉えられる場合もあるとの意見もありますね。
山人さんと同じく「政治家」が使う敬語には腹立ちを感じます。
返信する
Unknown (山人)
2023-08-03 20:32:57
何気なく使っている言葉も,こうして考えてみると面白いですね。
しかし,敬語や丁寧語の使い方は,ブログを書くときに気を使うことがあります。意外に難しいですね。自分の気持ちのブレがそうしているのでしょうか。
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