代 替 食 品
昨晩NHKから放映された,クローズアップ現代『肉も卵も本物そっくり”フードテク食品で食卓は変わる?”』を観た。
日本ソイフードマイスター協会代表理事の池上紗織さんと筑波大学准教授の氏家清和さんのお二人がコメンテーターで,30分足らずの短い番組だったが,要領よく問題点をまとめ ていた。私見をまじえながら紹介する。
将来を見据えてのフードテクノロジーへの投資は4兆円に達するという。
取り上げられた食品は,植物を素材にしたフードテクノロジーによる代替食品で,ダイズを基本素材とした「豚骨風ラーメン」。アーモンドの粉を素材にした「代替卵」とオムレツ,「大豆ミート」,廃棄された食材を粉にして加工する食品など,見た目,食感ともに本物に優るとも劣らない,見事の出来栄えであった。
フードテクノロジーは,地球環境への負荷の軽減,健康の維持と増進,食物の安定供給が挙げられている。
しかし,現状で評価するのは酷かもしれないが,紹介された代替食品では,この目標の達成はかなり困難に思える。
代替卵の値段は,普通の卵の6倍だそうである。他の代替物も,コストはかなり割高になっていると思われる,乱暴な言い方だが,コスト高は消費エネルギーや生産過程で発生するエントロピーを反映することから,代替食品が地球環境への負荷を減らすことには必ずしもならないだろう,
コメンテーターも指摘していたことだが,植物性の代替食品だから肉食より健康にいいとアプリオリに考えるのは危険である,番組でも紹介されていたが,代替卵を加熱して固めるために凝固剤を添加するという。この凝固剤が安全かどうかは分からないが。代替食品の製造に種々の添加物が用いられることは当然考えられるので,その安全性に十分配慮する必要がある。
卵が不足した場合,その不足分を補うために代替卵を生産するのにアーモンドの粉を供給するのは容易であろうか。供給の安定性は原料の種類と生産高によるのであり,代替食品イコール安定とは言い切れない。
人口の増加と経済の発展によって,肉食指向は強まり,2030年には肉の需要は供給を上回るという,だから,その分を大豆ミートや培養肉で補おうとする必要があるだろうか。
代替食品が既存の食品を模して開発されることは,消費者に馴染んでもらい,それを基盤にフードテクノロジーをさらに発展させるという意義は理解できる,
池上さんが指摘していたが,それはそれで発展させればいいが,フードテクノロジーによって新しい食品による新しい食文化を考えることが必要だろう。
氏家さんは,東アジアには大豆を中心にした素晴らしい食文化が存在し,それを今後の食文化の発展に取り込んでいく可能性を指摘していた。
フードテクノロジーは素晴らしい可能性を秘めている。それが,飽食の時代を導いたこれまでの食文化を改変する突破口になっていくことを期待したい。
見かけた花
イヌサフラン
タマサンゴ
STOP WAR!
私などは動物を食べなくて良くなるなど、感傷的なことし考えなかったのに〜。
イヌサフラン 良いですね♪♪
の花は美しいですね。
食の問題は,いまに弥縫策では間に合わなくなる可能性があります,